表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

記憶が蘇る魔法とは

僕は、師匠の作業机を勝手に借りて、オルゴールを直し始めた。

…後ろに依頼主がいる状況で。


老人が修理の様子を見たいと言ってきた。

まぁ元通りにするには本人がいたほうがいいかと思い、許可した。

自分はかなり作業中は集中する方なのでいてもいなくても変わりない。


「始めます。」後ろからゴクリと音がした。

作業用の手袋をして修理を開始した。


…少し時間が経って、解体が終わった。なるほど、長い年月使われていた痕跡がある。

だが、外部にはあまり傷がない。かなり大切にしていた物のようだ。

足りないパーツや交換が必要のパーツなどを確認して、素材をとってくる


「よし」鉄を手袋で触るとグニャ〜と変形し、おおよそのパーツの形にしていく

「それは確か…」「錬金術師の手とゆう魔導具です。」「そうか…本当に弟子を…」


細かい調節は別の道具などでして、全てのパーツを造り、

後は組み立てるだけ。しかし…この子は本当に

「妻を…とても愛していたのですね。」組み立てを始めた時にポツリと口に出た。


「!……ああ、とても良い妻じゃった。」「でも厳しい方でしたよね。」

「わかるのか?」「ええ、師匠から物には記憶が宿ると教わりまして。」


「外見の傷は少ないのは、丁寧に扱わないと怒る方でしたのでしょう。

ですが、音を出す為の場所は磨耗していたので、この子はきっと沢山頑張ったのでしょうね。」


「ああ、長く共にいたな」

「…人も物もいつか必ず壊れる。でも思い出は、記憶は永遠であると師匠から

言われたことがあります。」


「ふん…あやつがそんな洒落たことを…」

「…」少し湿った空気になってしまった。


「よし、組み立ては完了です。」「では…もう」

「いえ、あと一手間加えます。ここからはいいと言うまで静かにして頂けますか?」

「ああ、もちろん」



老人視点


「静かにして頂けますか?」

「ああ、もちろん」

修理をしていた少年は道具を置く、そして筆を手に取り、静かに深呼吸をした

少しずつ少年の体が光っていく…


「すぅ…『私が筆を手に取り、私が描き、私が生み出す。子は死を迎えたが、我が祝福をもって

再誕せよ』…」


詠唱!(しかも、これは…)私は目の前の光景を信じられなかった。


部屋全体がこの子の魔力で満たされているような感覚、そして神秘さえ感じる美しい筆さばき。

オルゴールに何かを書いて…いやソルネンの付与の魔法か!

…なるほど、ソルネンはよほど、この子が気に入っているのか。


しばらくして、少年の体から出ていた光が収まっていた。

「終わったのか?」「ええ、終わりました。動作確認をどうぞ。」

少年は椅子から立って少し離れる。


様々な場所に修理の依頼を出し、断られ続けられたが…本当に…

高まる心拍を抑え、回す。もう長らく聴けなくなっていた物を


手を離し、少し待つと懐かしい曲が聞こえてきた。

「こ、これじゃ…この曲…」オルゴールを優しく抱きしめる。


新しいことを覚えるのが難しい私の頭の中には

懐かしい日々が、次から次に

ああ、なんと…なんと「懐かしい…」


「…パーツを取り替えた程度では、元のような…綺麗な音は鳴らないと思い、

動作を補助をする魔術を付与しました。」

この小さな少年は私が依頼を出したどの職人よりも…有能だ。

こんな小さな少年が…か


私は溢れ落ち続ける涙を拭い「ありがとう。」と告げて

依頼料を渡す。


「あ、あの少々多いのですが、とゆうかかなり…」少年は依頼料を見て困惑している。

「いや、あっとるぞ。わしが思う。君への働きの礼じゃ。」


「で、でもこんな…」「それでは…おっと、そういえばお主、名はなんと言ったけのう?」

「え、えっと…ノア・リクヴァです!」

「それじゃのう、ノア。また会うじゃろう」


「えっと、またいつでもお越しください!」

元気よく挨拶をする少年に手を振り、店を出る。


まさか、このような場所で、あの様な…本当に長生きはするものだな。

帰ったら早速準備をするかのう。

読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ