赤き獅子
「獅子の咆哮!」
巨大な両手斧の側面に魔術が現れ、振るうと炎の渦が飛んでくる
「アイスウォール!」
それを防ぐシャルマの氷壁
氷壁を登り、術式が刻まれた枝を投げる
「この程度!」枝はフレイの手前で風の術式が発動する
「小細工か!」ダメージなし、硬いな
「アイスランス!」間をあけずシャルマの魔術が発動するが
「獅子の牙!」
綺麗に真っ二つに切られる。僕は再び氷壁に隠れる
このままじゃお互い決め手にかけるな
リスクがあるが、あれをやるしかない
「シャルマさん…策があります」
相手に聞かれぬように作戦を話す
「っ!それノアさんが危ないですよね?」
「いや、そうでもしなきゃあの人には勝てないと思う」
シャルマは納得できていない表情だが、協力してくれるようだ
僕は身に付けていた魔導具を全てポーチにしまい、取り出した指輪の魔導具をはめる
『風衣の指輪』
身につけた者の魔力を使い、体に風を纏う魔導具
動きの補助と魔法の軌道をずらしたりできる
本来できないような動きもこなせるようになるが体の負担も大きい
また、この魔導具は試作品のため魔力効率が悪い
他の魔導具と合わせて使えば、すぐ魔力切れを起こす可能性がある
「おい!君の攻撃は炎にしては生ぬるいね!」
氷壁から出てフレイを挑発する
「な!雑魚が…斧のサビにしてやるよ!」
フレイはこちらに真っ直ぐ突撃してくる。僕も彼へと距離を積める。
両手斧は近距離の方が当てるのが難しいはずだ
攻撃を当てる必要はない。今は避けるだけでいい
「ちょこまかと!獅子の爪!」
彼は距離をとり、炎の斬撃を飛ばしてきた
僕は纏う風を使い、炎の軌道をずらすがダメージは完全には防げない
「あち…」
「まだまだ!」
炎の斬撃を飛ばしまくるフレイ
それをギリギリで避けつつ、素手で戦う
「魔戦士に近接を挑むとは正気かと思ったが、案外やるな」
「僕にはこれしかなくてね」
師匠の旅に同行していたため様々な種族と出会ってきたドワーフにエルフにオーガなど
短い間だったが、いろんな事を彼らから学んできた。
足払いで少し体制が崩れるフレイ
「よし!シャルマさん今だ!」
「アイスフロア!」
あの時の地面を這う氷の魔術
僕はジャンプして避けるが僕に夢中のフレイは反応できてない
「この程度の氷!」
確かに、君ならすぐ溶かせるだろう。だがそれでも一瞬は隙が生まれる
地面に着地した後に懐まで入り、彼の腹に手を当て風を一点に集中させる
「吹っ飛べ!」
凄まじい音を立てフレイが30mくらいぶっ飛んだ
死んでないよな…
「ノアさん!やりましたね!」
「ああ、でも…」
二人でフレイの方向を見る
「……くっ…う……ま、まだまだ…」
あれを食らって立てるのか…流石は魔戦士だ
二人で構えた次の瞬間
ベルの音…それと声?
「はーい皆さーん時間になりました。戦闘を直ちに終了してください」
試験終了の合図…よかった。
「時間……くそ…」
「肩を持とうか?」
「いや、いらん。少し…したら立てる」
30m飛ぶ衝撃食らってなんで少ししたら立てるんだ…
「そうか、じゃあまた会おうね。フレイ君。シャルマさん行きましょう」
「ええ行きましょう」
僕たちは試験の開始した場所に戻るのだった
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