九十三話目
私達はフードコートにやってきた。私はスマホを取りだしてチャットが来てないか確認する。スマホのを見ると、数件通知が来ていた。亜未ちゃんと由理子ちゃんのそれぞれから連絡が。亜未ちゃんからは由理子ちゃんやあの場で別れた皆と一緒にいること。由理子ちゃんからは席の場所と、私達の席もとってることを送ってきていた。
「・・・席、とってくれてるみたいだよ」
私は前にいる四人に呼びかけた。四人はそれを聞いて軽く周りを見渡す。けれど、私達がいる入口からはあまり見えない。
「どこにいるんだ?」
「ちょっと待って、確認するから」
私は送られてきた位置と今いる場所を確認する。今いる場所と座っている場所を書いた目印を照らし合わせて、私は視線を動かす。
「あ、あそこだよ」
「あの柱のうしろかしら?」
「みたい。そこでみんな待ってるって。どうやら席もとってくれてるけど、私達が来てないからっていう理由でまだ誰も食べてないみたいだよ」
私は追加で送られてきたチャットを見ながら千波弥にそう返した。千波弥達は目を細めてから、諦めたように肩を竦めた。
「無理ね。流石に柱の後ろは確認できないわ。隣に席が空いてるのは確認できるけど・・・」
「ともかく行けばいいんじゃないかな?それでいるなら居るし、居ないならいないで」
「そうだね。それに、由理子先輩が言うには席をとってくれてるんでしたよね?だったらその空いてる席がそうなんじゃないですか?」
「だろうな。ともかくここで立ちすくんでたら後ろの人の邪魔になるからさっさと移動するぞ」
「だね。居なかったら連絡したらいいだろうし」
「あぁ。ともかく待たせてるんだ。早く行くぞ」
零夜が、私が教えたところに向かい始める。私達は急いで後を追う。零夜のあとをついて行って柱を超える。柱を超えた先も通路になって、そこに沿って椅子や机が置かれてあり、そこに座っているはず。私達は柱を超えてその付近を見る。すると、四人席のところに亜未ちゃん達が座っているのが見えた。私達はそこに近づいていく。
「お疲れ」
「お、来た来た。それで?お目当てのものは買えたの?」
「もちろん。ほら、この通り」
私は持っていた袋を亜未ちゃんの前に突き出す。突き出したあと、すぐに引いて隣の机にある椅子を引いてすわる。反対側には藤宮くん達が席取りのために置いていたであろう荷物があるため、藤宮くん達は一度席をたってその荷物を回収する。私の対面側の席に癒音ちゃん、璃空ちゃん、水雫ちゃんが座った。私の方には幼馴染の千波弥と零夜がいる。そして、対面には癒音ちゃんがいる。
「それでわざわざ待っててくれたんだよね?ありがとう」
「別にお礼を言われるまでもないですわ。それに、私達がたまたま先に来ただけですからね」
「だな。だから礼を言われるとこっちもむず痒いんだ。だから言わなくていい」
「そっか。分かった。そっちは何買うか決めてるの?」
「決めてるよ。あとはそっちがどうかなって感じ」
「どうする?私は決めてるけど・・・」
「私も決めてるわ」
「俺も」
「水雫ちゃん達は?」
水雫ちゃん達に問いかける。水雫ちゃん達も決めていたようで、決まっていると返してきた。
「それじゃあそれぞれ買いに行こうか」
私達は席を立ち上がる。とはいえ、全員で行く訳にも行かず何人かが残って、何人かが買いに行くといった感じだけどね。先に私達何人かが買いに行く。
私達が買いに行って、戻ってきたら残りの皆も買いに行く。ただ、昼時だったからできるまで少し時間がかかるようで、できたら反応するものを渡された。
私達はそれが鳴ってからそれぞれ取りに行く。その間に買いに行ったメンバーも戻ってきてすれ違うようにして取りに行く。
先に持ってきた人から食べ始めていく。何人かは麺類だったりするため、伸びないように早く食べていく。みんなが食べ終えて、それぞれが返却場所に返して戻ってきた頃には、フードコートに人はほとんどいなくなっていた。そんな中、私は話を切り込んでいく。
「みんな、移動する前に少しいい?」
「どうかしましたか、優月先輩」
水雫ちゃんが立ち上がろうとしたところで座り直す。事情を知っている皆は本当に言うんだと驚きや、諦めた様子で私のことを見る。分かってないのは水雫ちゃんと男子二人。
私は誰も移動しないことを確認してから話し始める。癒音ちゃんの会社の行きしと、会社で説明したのと全く同じことを。流石にこんな大衆の前でアレを出すことはできなかったからそれを除いてだけど。話し終えたとき、男子二人は驚きつつも理解しようとしてくれている。私は水雫ちゃんのことを見る。
「水雫ちゃん?」
「・・・どうして、黙ってたんですか・・・」
「・・・信用に足るかどうか見極めていたから。それにあまりいい広めることでもないと思ってたからだよ」
「それはそうですけど・・・」
「信用できるって、皆なら言わないだろうっていう信用があるから言った。今度の合宿で部員の皆には言うけど、先に三人には伝えておくべきと思ったから伝えた」
「・・・つまり、その言い方的に他の、琴吹妹も含めて知っていたってことか?零夜達は幼馴染だから当たり前だろうけど」
「・・・うん。不可抗力でバレたからその時に。そして、その後どうするか判断して・・・言うことにした」
「そうか・・・」
亜未ちゃん達に伝えた時のように雰囲気が重くなる。すると、水雫ちゃんが顔を上げた。
「つまりそれだけ信用されたってことですよね!」
「すごいポジティブね・・・。流石にこの反応は予想できないわ・・・」
「だな。ある意味鷲峯らしいとも言えるけどな」
「それそうですけど・・・ここまでポジティブに捉えれますか?普通」
「無理でしょ。でもまぁ、水雫だし」
「うん、水雫ちゃんだからね」
なんとも言い難い表情で男二人は私達のことを見ている。癒音ちゃんや千波弥達は何事もなく終われそうでホッとしたような顔をしていた。
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では次回の話しでお会いしましょう!




