九十一話目
私達は零夜達が戻ってくるまで、休憩所として設置されているソファーに座る。とはいっても、7人だから一つの場所に全員が座れるわけもないので、近くのソファーにも座っている。
「買えたみたいだな」
私達が話しながら時間を潰していると、横から声をかけられた。私は顔をあげる。顔を上げた先に居たのは零夜。右手にはコーヒーらしきものを持っている。
「そっちは何買ってきたの?」
「飲み物。朝から何も飲んでねぇからな」
「よくそれでいれたね?」
「今更だし、たまたまだ。今日は忘れただけだ」
「ふーん」
私はどうでもいいように返す。私達は荷物を持って立ち上がる。
「それで?次はどうするつもりだ」
「私、私服買いに行きたい。他のみんなはどう?何かしたいことある?」
「優月先輩と一緒で私も服欲しいー」
「私は優月の目つき役でついていくわ」
「ちょっと〜?千波弥ちゃん?そんなに私って信用ない?」
「服に関しては全く。センスないじゃない」
「確かにな」
「零夜まで!?」
幼馴染の二人が背中から狙い撃ちされた。私は二人に突っかかる。二人はそんな私のことを無視して、他のみんなに問いかけた。
「他は?」
「私は服はいいですね。そこまで必要になってませんから。亜未ちゃんは?」
「私も服はパス。そちらの姉妹は?」
「私はどっちでもかなぁ。璃空が行くのなら行くけど」
「・・・少し気になってるのがあるので行きたい」
「みたいだから私達は服の方に行くよ。男子達は?」
「どうするか・・・」
三人はどうするかと話し合っている。流石に入りづらいか。女子の中には。・・・まぁ、私は女子の格好をしているだけだけど。
「あ、真は私と来てください」
「へいへい。というわけで先に抜ける。二人は?」
「俺も一応優月の監視に回るわ。こいつの服センスは信用できんし」
「そんなに!?」
「「そんなに」」
「それなら光樹。私と来なよ」
「ならそうするか」
「・・・決まったみたいだな。昼まで自由でいいか?」
零夜の言葉に私も含めて、みんなが頷いた。私達は頷いて、それぞれ別れる。お昼までそれぞれのしたいことをする。
私達は別れて、それぞれが行きたいところに向かう。私達は服屋に向かう。ただ、後ろから零夜と千波弥のことをジト目で見ながら。その視線に気づいたのか二人は振り返って私のことを見る。
「お前一人で任せたらどうなるか分からん」
「そうよ。それほどまで壊滅的なのよ」
「そんなに・・・?」
「本当に酷いのよ。水雫ちゃんはまだ分かるんじゃない?」
「あ、あー・・・。そうですね・・・本当に酷いです物ね・・・。零夜先輩や千波弥先輩が居ないと本当にダメじゃないですか・・・。私服に関しては」
「水雫ちゃんまで!?」
「ごめんなさい。でも、今までのことみたらそう思います・・・。零夜先輩達の言うこと聞くべきですよ・・・」
「どれだけ酷い・・・」
璃空ちゃんの小さな呟きが私に刺さる。
そんなに酷かったかな・・・?
私自身は普通だと思ってるけどみんなから見たら違うみたい。
私達は服屋にやってきた。
「で、何が欲しいんだ?」
「言ったじゃん。私服だって」
「・・・どんなのだ」
「ワンピース。前のが着れなくなったから」
「ならさっさと行ってこい・・・。千波弥、頼んだ・・・」
「えぇ」
千波弥が私の手を掴んで引っ張って連れていかれる。
「他には何が欲しいのよ?」
「上の服。私の服の傾向は知ってるでしょ?普段のような感じ」
「ダボッとした服装ね・・・」
「うん」
私達はワンピースを見ながらそんな会話をする。私はワンピースを見ていると、気になった色のワンピースを手に取って千波弥に見せる。
「珍しい・・・。まともなの選んだのね・・・」
「酷くない!?」
「事実よ。とりあえず着てきたら?私が上の服の方を探しておくから。半袖でいいのよね?」
「うーん、どちらかといえば夏でも着れる上着みたいなやつかな」
「分かったわよ」
私と千波弥は別れて、それぞれの目的に沿って行くべき場所に向かう。私は試着室に向かう。
私は試着室に入って今の服を脱いでワンピースを着てみる。
「久しぶりに来たけど案外行けるね。それに・・・私の好きな色だしいいかな。これなら色々できそう」
私は鏡に写った自分を見ながら、一人で呟いた。すると、外から声をかけられた。千波弥だ。
「持ってきたわよ。渡すついでに服装を見せて」
私はカーテンを開ける。カーテンを開けて千波弥のことを見ると、少し驚いていた。
「普通ね。それとはいこれ」
「ん。こういう色じゃん。私が好きなのは。青とかそう感じの。あとは白もか」
「女子で言うのなら清楚系ね。とりあえず着て確かめなさい」
「うん」
私は千波弥から受け取って、カーテンを閉める。カーテンを閉めてから今のワンピースを脱いで掛け直す。かけ直したあと、さっきまで来ていた服をきて、その上から羽織る。
ダボッとした服は私を隠す。下も中々に長くて、今履いている半ズボンがほとんど隠れるくらい。
これで帽子を被ったらいいかな。
そんなことを思いながら私は服を脱ぐ。それをハンガーにかけ直して、試着室から出る。
「どうするの?」
「両方とも買う」
「それなら先に出ておくから。零夜を待たせるのも忍びないし」
「おけ」
私と千波弥は別れた。私は会計に、千波弥は外に向かう。私は千波弥のことを見送ってから会計に向かっていった。




