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八十一話目



翌日の昼。私達は休憩室で集まってだべっている。といっても、私は聞き役に徹してるんだけどね。


「ところで、みんなのところはどう?大丈夫そう?」

「私は大丈夫ですけど・・・どうしてですか?やっぱり、この前のことが?」

「そうだね・・・。私か妹が継ぐってなるとどうしても聞いておきたいからね。それに、多分継ぐのは私になるだろうしね」

「どうして、そんな確実みたいに言えるのよ・・・」

「妹の学校での異名を考えてよ。天災だよ?もったいないって。多分別でなにかさせた方があの子にはあってるから。私も妹に劣ってるといえど会社を運営できないほどじゃないからね」

「そういえばそんな呼び名だったね・・・。なんでだっけ?他校から言われてそれが定着したんだっけ?」

「本人談ではそうみたい。妹も妹で『解せない』とは言ってたんだけどね〜」


癒音ちゃんは苦笑いをしながら答えた。私達の方もなんとも言えない顔をする。


「でも他校から言われるのは仕方ないでしょ。あの子、噂だと色んな部活に助っ人で出ては大会を総なめしてるんでしょう?対戦相手の学校からしたらそう言われるのも仕方ないわよ」

「私もそう言ったよ。逆ギレのような感じで返されたけど」

「・・・意外」

「えっ?」


私が呟いたことにより、みんなの視線が集まった。私は逃げるように、手元の缶コーヒーに視線を落とした。


「優月、逃げないの。缶コーヒーを開けて逃げようとしないの」


私は千波弥にそう言われてピシリと体を固まらせた。私は気にせずに蓋を開けて飲む。二口程飲んだあと机の上にコトンッと置いた。そして、しゃべらない。


「話しなさい?」

「・・・はい・・・」


無理だった。やっぱり千波弥に詰められると無理だった。恩があるし、無視することはできないし、圧が怖い。

女子というか、千波弥怖い・・・。


「千波弥、千波弥、圧抑えて。圧を」

「それはごめんなさい。でもまぁ、言質がとれたし抑えるけど・・・」

「で、優月・・・ちゃんはなにが意外だと思ったのですか?」

「・・・私は癒音ちゃんの妹のことを知ってるから思ったんだけど、あの様子からだとそんな風には見えなかったから。普通に仲睦まじい姉妹にしか思えなかったから。それに、あの子お姉ちゃんっ子じゃない?」

「珍しくこっちで饒舌ね・・・」

「うっさい。で、癒音ちゃん。どうなの?」


癒音ちゃんのことを見ると、彼女は驚いた顔をしている。私は首を傾げる。


「当たってるよ・・・。よくあの短い間で分かったね?」

「こう見えても人間観察とかは得意だからね。あまり大っぴらには言えないけど、イジメられてたせいで人の顔色を伺うのは得意だよ?それこそ、嘘ついたーとか、何か隠してるなーくらいは分かるようになったから」


私が軽く、学校でいるような態度で言うと雰囲気が重くなった。

やっぱりこの話はダメかー。というか、千波弥は言ってるから知ってるのになんでそこまでダメージを受けたフリをするわけ?意味分かんない。


「そんなんだからなんとなく分かったんだ。実際当たってて良かったけど」

「アハハ・・・。まぁ、確かに妹は私に懐いてるよ。うん、優月ちゃんの言う通りお姉ちゃんっ子になっちゃったんだ。基本私達って親がここで働いて家を空けることが多くて・・・」

「だから、自然と姉妹の交流が多くなった分、とても懐かれたと?」

「そうそう。正直、ありがたいのかありがたくないのかよく分からないんだけどね。ただやっぱり、他の人から見ても仲が良いとは思われてるみたい」

「まぁ、あれをみたらそう思うのは仕方ないよ。うん」


私は体育大会の時と、一人で部室にいたときに訪れた2人のことを思い出しながら話す。


「あったことあるんですね」

「うん。体育大会のときとまた別の時に。その時に初めてあって軽く挨拶だけしたよ」

「その時が初めて互いに顔合わせしたね」

「ちょーっとハプニングあったけどね?」

「それは本当にごめんなさい。ちゃんとあの後言っておいたから・・・」

「ならいいけど・・・」


私は言いかけた言葉を飲み込む。


「大分話逸れたから話戻すけど、千波弥ちゃんと亜未ちゃんはどうなの?優月ちゃんには聞きません」

「なんで!?」

「一緒の場所だし聞く必要ないでしょ。それにいつでも聞けるし。だから2人はどうなの?」

「私は楽しくやらせてもらってるよ!もともとそっち方面の何かにつきたかったからここのあの部署は渡りに船だったからね!」

「私は少し気になったから行ったけれど、よくしてもらってるわ。とても有意義な時間を過ごせてるわよ」

「良かった。そう言ってもらえると、来年以降ももしかしたら募集できるかもしれないからね。まぁ、各部署の人達の意見にもよるからなんとも言えないんだけどね」


癒音ちゃんは苦笑いしながら答えた。それに対して、私達も苦笑い。

そこら辺はどうしても会社の役員の人達が話し合うものだからね。悪い意見があれば募集しないし、良い意見があるのなら募集するだろうし、各部署の人達の判断だからね。それに、癒音ちゃんもそういうのには流石に関われないしね。


「ま、仮にやるとするのなら次は妹の代でしょ。様子見でやるかなぁという希望的観測だけどね」

「それは言わない方がいいんじゃないかな!?」

「亜未ちゃん、落ち着いて」

「誰のせい!?この御令嬢め!」

「御令嬢で悪かったですね〜」

「うっわ、言い方ムカつく〜!」

「・・・・・・そろそろ時間だよ」


私がそういうとそれぞれスマホなり時計なりで時間を確認した。私達は時間を確認した後に、互いに向かい合って頷いて立ち上がった。そして、それぞれの場所に行くためにその場で別れた。






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