六十話目
私達はまた通路に出てから隣の部署に向かっている。宮葉さんの後をついて私達ははぐれないようにする。宮葉さんは隣の部署に来て先ほどと同じようにノックする。ノックした後すぐに開けて中に入って行く。私達も後に続く。中に入った瞬間怒号が飛び込んできた。
「それはそっちじゃない!」
「これ、どこよ!」
「誰だ、こんなところに置いたの!!」
中に入ってすぐに怒号を聞いたため私達は困惑する。癒音ちゃんと宮葉さん以外の私達が困惑していると後ろから声が聞こえた。
「少し落ち着きなさい!既に子供達が来ているわよ!」
私達の後ろから女の人の声が聞こえてさっきまで怒号が飛び交っていたこの部屋は静まりかえった。まさに鶴の一声。私達は後ろを振り返る。後ろに居たのは声の通り女性。さっきまで言い合っていた社員の人たちよりも少し若く見える。
「ごめんなさいね、宮葉さん。癒音さん。皆に今日から来ることは伝えていたんだけど案の定いつも通りになってしまいました」
「ここはいつもこうですから、仕方ないのでは?」
「そうだよ、間宮さん。そもそもお父さん達から言われてたのにしゃんとしてなかったこの人達が悪いんだから。いつも通りといえばそうだけど流石に困惑するから。・・・実際皆困惑してるしね」
「本当にごめんなさいね」
癒音ちゃんは私達のことを見てから彼女に伝えた。彼女は少し申し訳なさそうに私達のことを見た。私達はそれにも少し困惑しながら大丈夫ですと応えた。
「それでは間宮様、お願いします」
「分かったわ。それじゃあ、皆様初めまして間宮です。ここは電気や機械、危険物取扱者とかの国家資格保有者のみで作られた部署なんです。仕事内容としては主にこの建物の点検や依頼された家庭や建物などに伺っては整備、点検をしているわ。基本的に依頼が無い限りはここで依頼を待ってるんだけど、大概誰か一人居ないことが多いわね」
「それほどに依頼が来るんですか?」
「えぇ。各県に私達と同じ部署があるけれど各県に配置された人が対処できない場合は私達に依頼されるからね。それにここは四国地区の総統をしているから結構そういう依頼がくるの」
「夜のみじゃなかったでしたか?この部署で全員が揃うのは」
「宮葉さんの言うとおり夜、終業時刻の30分前くらいね」
彼女は床に落ちていた工具を拾いながら私達に説明してくれる。
「多分明日から自分の行きたい、してみたい部署に行くんでしょう?ウチには来ない方が良いよ。来てもきっとすることないだろうしね。何か話したいならば来ても良いとは思うけどね。あぁ、それと次ってあっち?」
「そうですね、あちらに連れて行くつもりです」
「そっかそっか・・・・・・それなら4人にアドバイス。きっと驚くから覚悟していた方が良いよ。癒音さんならどういう意味か分かるでしょ?」
「あぁ~、あの人か・・・・・・」
「どういうことなの?癒音ちゃん」
「え~と・・・あれは見た方が早いよ、うん」
「そうね。さてと宮葉さん、これ以上ここって必要あるかしら?ここにはあまり時間を割くつもりなんてないのでしょう?」
「言い方は悪いのですがそうですね」
「了解。もしあったらよろしくね。さぁ行った行った!」
間宮さんが出て行ったので私達も一礼してからこの部屋を出て行った。私達はその後、裏口から外に出た。そして、その目の前にさっきまで居た建物と同等の建物があり、宮葉さんはその中に入って行った。私達もついて行って扉を持ちながら中に入っていく。私が一番最後に入ったから亜未ちゃんから押さえるのを変わって扉を閉める。
「あれ宮葉さんじゃない。それに癒音ちゃんも。どうかしたの?癒音ちゃんに関してはまだ学校じゃ・・・」
「東野さん、伝えていた日です」
「あぁ~!今日だったわね!忘れてたわ!」
私達はその人を見て今までの比じゃないくらいに困惑した。それと同時に驚愕もした。姿はまさに屈強な体つきであるのに女性のようなしゃべり方をするのだから。
「あら?このしゃべり方に困惑と驚いているのかしら?それならごめんなさい。でも慣れてもらえるとありがたいわ」
「「は、はい・・・」」
「「・・・・・・はい」」
亜未ちゃんと由理子ちゃんが少し困惑気味に応え、私と千波弥はそこまでためらわずに応えた。それを見て不思議に思ったようで東野さんが私達を驚いた顔で見てくる。
「・・・2人は初めてでも驚かないのね。それとも近くにワタシのような人がいるのかしら?」
「ッ!?」
「その様子からして1人はあたりのようね。となると反応が薄い貴方は・・・・・・同類かしら?」
「同類?」「同類・・・ですか?」
亜未ちゃん達は不思議に彼?彼女?に聞き直した。さっき反応したのは千波弥。私の反応が薄かったから東野さんは私のことを見透かすような目で見てくる。
「・・・・・・何のことですか?」
「・・・まぁ良いわ」
彼女は私がしらばっくれたことに気づいたのか今は言及するのをやめてくれた。けど、彼女は私に近づいてきて耳元で私以外には聞こえないような小さい声で言った。
「後で聞かせてもらうわよ」
「・・・・・・はい・・・」
私は同じように小さな声で返した。私の返した言葉を聞いて彼女は離れた。
私は離れていく彼女のことを見つめる。初見で私のことを見抜いた彼女に少し恐怖と驚きの感情を抱きながら。でも私自身、反応が薄かったのは私も同類だと心の中で思って居たからではないのかと考えた。
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では次回の話しでお会いしましょう!




