五十四話目
あれからほとんどの種目が終わって今は中等部3年のダンスの1つ前。運動部の代表リレーをグラウンドで行っている。私は詩雨先輩を捕まえて一緒にいるように言い込めた。そのため私は今、詩雨先輩と一緒にグラウンドで行われているリレーを見ている。
「なんというか順当な結果、進行になってますね」
「そうだね。相変わらず陸上部は早いし、室外と室内のときは案の定、室外の方が勝ってるしね」
「そこは何かハプニングが起きない限りキツくないですか?」
「それはそうなんだけどね~。・・・見たくない?勝つところ」
私も詩雨先輩が言うように見たいとは思うけど基本ないと思ってる。それに私達は見ているだけだからこうやって言い合えるけど、自分達が走っていたら何も言えないから。それに昨日の文化部の代表リレーの時は少し不安だったからね。連覇がかかってたから余計に不安になってたから。正直、これを見ていて思うけど見ている方は気楽で居られる。
「でもこの五年間純粋な勝負の中だとなかったじゃないですか」
急に第三者の声が私達の会話に入ってきた。その声は後ろから聞こえたから私と詩雨先輩は後ろを振り返る。振り返ったところにいたのは癒音ちゃん。それと妹の璃空ちゃんも癒音ちゃんの隣に居た。私は癒音ちゃん達に声をかける。
「確かに見たことはないけど・・・詩雨先輩はあるんですか?」
「皆が入ってくる前に一度だけあったね」
「それなら確かにもう一度見たいってなるんですかね・・・?」
「そうそう。見れるなら見たかったんだけどねぇ・・・」
「なかなか起きませんからね」
私達は癒音ちゃんを交えて話を続ける。璃空ちゃんは詩雨先輩がいるからか中々会話に入ってこない。私はそんな璃空ちゃんのことを見て、詩雨先輩にアイコンタクトを送る。私のアイコンタクトの意図を読み取ったのか詩雨先輩は璃空ちゃんの方に歩みよって話しかける。私はその間癒音ちゃんと話す。
「癒音ちゃん達はどうしてここに?」
「このあと中等部3年のダンスでしょ?」
「そうだね。あ~、璃空ちゃんのパートナーってこと?」
「そうそう。中等部3年も同性でもいいし、先輩後輩でも良いってなってるからね」
「そういうことね。だから璃空ちゃんのパートナーとしてこっちにきたわけね」
私は癒音ちゃんの言葉に理解する。私も詩雨先輩と似たような感じだからすぐに理解できた。多分癒音ちゃん達の場合だと簡単に付き合ったりすることができないからかな。
「お父さん達から言われたって言うのもあるけどね」
「それってあまり誰かと付き合ったりしたときにパートナーになれなく無い?」
「あ~そこは大丈夫。そこは家の親って寛容だから」
「えっ・・・意外・・・・・・」
「まぁ、家の両親って婚約者とかの結婚じゃなく学生恋愛からの結婚だったからね。だからなのかそっち方面ではあんまり言ってこないね」
「へぇ~・・・そうなんだね」
私は癒音ちゃんから教えられる。私は癒音ちゃんから聞いて驚いた。個人的な感情としてはこんなことを聞いていていいのかと思ってしまう。私達が話しているとグラウンドでは、代表リレーが終わって退場門から出て行ってる。癒音ちゃんはそれを見て璃空ちゃんに声をかけにいった。癒音ちゃんは璃空ちゃんと一緒に入場門のほうに向かって行った。私と詩雨先輩はまた話し始める。
「もう少ししたら私達も行きますか?」
「そうだね。一曲分しかないからもう向かっておこっか」
「分かりました」
私達は入場門の方に向かって歩き始める。保護者の後ろを通ったり迷惑にならないように歩いて行ってたから私達がついたときにはもうすぐ始まる時間になっていた。私達は入場門の近くにいておく。グラウンドではちょうど終わったようで自由にグラウンドの外に出て行ってる。
その後、グラウンドから出たことを確認してからプログラムを告げられた。私と詩雨先輩はグラウンドに出て行く。
「先輩、踊りは例年通りのですか?同性でやる場合の」
「うん。もし何か入れたかったらしても良いよ?」
「それは興が乗ったらで」
「分かったよ」
私達はグラウンドに出て行きながら会話する。私達は適当な場所について音楽が流れるのを待機する。そして曲の前奏が流れ始める。私達は軽く、毎年学ばされる同性同士の関わりのときの踊りをしながら話し合う。
「そうそう優月ちゃん」
「何ですか?」
「優月ちゃんってこれからどうしていくの?」
「それはどういった意味ですか?」
「学校でのことだよ」
「学校での・・・ですか?」
私は不思議に思いながら聞く。詩雨先輩は踊りながら頷いて答えてくれる。
「そう。この学校の仕組みを覚えてる?生徒ができることの」
「一応は。生徒会があってその下に風紀委員。また、今回の体育大会や文化祭の実行委員が別々に存在してる。そしてそれらは基本的に生徒の自主性に任せているから有志の学生が取り仕切っている・・・でしたよね?」
「うん、そうだよ。優月ちゃん、そういう有志でボランティアでやるの好きだったでしょ?だからやったり、立候補したりしないのかなって」
「あぁ~、そういうことですか・・・・・・」
私は少し考える。確かにやってていいと思っているけど部長という立ち位置的に少し悩んでいる。やれるならやりたいと考えているけどやれない気がしているから。そんな私の心情にに気づいているのか詩雨先輩は声をかけてきた。
「少しは皆のことを頼ったり相談してみたら?今の優月ちゃんは全部自分でやらないといけないみたいな感じに見えるよ。1人でやれていることはすごいとは思うけどもう少し周りを頼りなよ?じゃないといつか限界がくるからね」
「・・・・・・まるでそんな人を見てきたかのような言い方ですね」
「・・・そうだよ。それで助けられなかったのが私達だから。だから優月ちゃんにはそんなことになってほしくないから」
「・・・分かりました。少し考えてみます」
「善処じゃないだけマシかな?」
詩雨先輩はそんなことを言ってくる。そんなことを話している間に曲も終わりかけで私は1つ詩雨先輩に仕掛けることにした。曲の最後の後奏に入って私は詩雨先輩に向かって飛び彼女の首に手を回す。
「今まで色々とありがとうございました!」
私は満面の笑みで詩雨先輩に向かって言った。
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では次回の話しでお会いしましょう!




