四十九話目
私達は再度、男子達と場所を入れ替わる。私達が前に行き、男子達が後ろへ。各クラスが入れ替わったところで笛が鳴り、私達はその場に立ち上がる。私達が立ち上がったところで笛の音が長く鳴るのと同時に旗が振り下ろされた。私達はそれを見て篭の元に向かって行く。私達はさっき妨害側をしたから次は玉を入れる側になる。
私と由理子ちゃんは一緒に行動している。私達は篭の元につくと地面に落ちている玉を拾い上げては篭に向かって投げ入れ始める。千波弥達のクラスの妨害者に当たっている人が来るまでに多く入れないといけない。
私はまだこっちに来ていないことを確認してから篭に向かって一球一球投げている。投げた玉はそもそも届かずに篭の下を通って落ちていく。他にも篭と同じ高さまで上がってもそのまま重力に従って落ちてきたりしている。そうしてようやく私の投げた玉が1つ篭の中に入った。
すると、ちょうど入ったところで相手の、千波弥達のクラスの妨害者がやってきた。それと同時に篭に向かって行くボールが妨害の道具に当たり何球も地面に落とされる。私は地面に落ちている玉を拾いながら妨害者のことを見る。妨害者のことを見て私はとても驚いた。
「千波弥ちゃん!?妨害側やるの!?」
「その声は優月ね。えぇ。この機会だからやってもいいかと思ってね」
「・・・・・・千波弥ちゃんがやるのは意外」
私達はお互いに玉を入れるために投げたり、入らないように妨害しながら会話する。お互いが篭の方を見ているから私達は顔を見合わせない。ただ、やっぱり私達の時も思ったけど男子よりも妨害の道具が小さいから比較的入っている。
「そう?私、小学だったときからこうだった気がするけど」
「・・・・・・あぁ~、言われてみればそうだったね・・・」
「だから私が惹かれたらやるのは当たり前だったでしょう?」
「確かに・・・」
私は千波弥に言われて思い返してみたら確かに納得する部分があった。言われたとおり千波弥は小学生の時は興味がわいたものや彼女自身が惹かれたものには積極的に参加していた。
「あ、それと妨害者のもう1人は癒音だから」
「えっ!?」
「癒音が自ら言ったわね。にしても・・・これ想像以上に重いわね・・・」
「あ、アハハ」
私は千波弥の言葉に苦笑い。私も思ったけど、この妨害用の道具って見た目以上に重くて最初は驚いたな・・・。さっきも後半になるにつれて体力がなくなっていってスピードが落ちたし。
「さっきこれを優月も振り回してたのよね・・・。・・・体力や筋力を落としたのによく持てたわね??」
「それをここで言わないで!?だれが聞いてるのか分からないんだから!!」
「・・・・・・悪かったわ」
「思ってないよね!?その間的に!?」
「思ってるわよ」
私は少し怪しみながら篭に向かって投げ入れる。投げた玉は妨害用の道具を抜けて篭の中に吸い込まれていった。その玉が篭の中に入ったタイミングで種目の終わりを伝える笛が鳴った。私達は笛の音を聞いて手に持っていた玉を地面に落としてから自分たちの列に戻る。私と由理子ちゃんは一緒に戻って端に座る。前からは相手の妨害をしていた亜未ちゃん達が戻ってきている。亜未ちゃん達が戻ってきたところで私達女子は腰を下ろして結果を待つ。
「入れる側はどうだった?部長さん」
「男子と違ってたくさん入ったよ。それと、茶化しで部長って呼ばないで、藤宮くん」
「悪い悪い。勝てそうか?」
「さぁ?他を見れなかったからなんとも」
「さぁって・・・。それでいいのか・・・?」
「いいのではないですか?それが私達ですしね」
「・・・・・・それもそうだな」
私達は結果が発表されるまで後ろにいた零夜達と話す。グラウンドの方では数え終わった役員の学生が放送者がいるテントのところにいる。私達のクラスを担当した人も既にそこにいる。最後のクラスの役員の学生がそっちに行ったことを確認したから私達は姿勢を正す。
『ただいまの結果を発表します。一位三組、二位四組、三位一組、四位二組でした』
結果が発表されたら、私達のクラスから歓声が上がった。私達のクラスが一位をとれたから。私達は結果が発表されて、余韻に浸る間もなく退場するように促された。私達は対縄文に向かって行く。私達が退場門からでると零夜と千波弥が声をかけてきた。
「「優月」」
「?2人ともどうしたの」
「この後はもう出番ないだろ?結果発表まで」
「あ~うん。ないけど・・・それがどうかしたの?」
「私の家族と零夜の家族とで昼食をとるんだけど親達から優月も一緒にどうかって」
「えっ・・・」
私は少し驚いたあと少しその場から下がった。それを見た千波弥が目を細めて睨むような目で私のことを見る。私は逃げようと周りに視線を巡らす。
「どこを見ているのかしら?それとも・・・逃げる気?」
「ッ!」
「図星のようね。零夜、拉致るわよ」
「へーへー。行っとくけど逃げようとしたお前が悪いからな」
私は顔を一瞬だけ歪ませた。私の幼馴染がそれを見逃す訳もなく、千波弥はすぐに零夜に指示を出した。私はあっという間に零夜に腕を捕まれてから逃げられないようにさせられた。私はどうにか捕まれてる腕を放そうとするけど零夜の方が力が強いため離せない。そんな私のことを見た千波弥が零夜に追加で指示を出した。
「零夜、いつもの」
「はいはい。どんまい、優月」
「そう思うならしないでよ」
「断る」
千波弥が言ういつもっていうのは私の持ち方のこと。零夜は私のお腹に右手を回して私を持ち上げる。私は米俵を持つような形で零夜に持たれた。私はこうなるとどうもできないので抵抗するのを諦めた・・・。




