四十八話目
私達は結果が発表された後、男子と位置を入れ替わる。前にいた男子と後ろにいた私達女子はそれぞれ立ち上がって前後を変わる。
次は私達女子の1回目だからそれに合わせて移動する必要があった。1回戦目は私と由理子ちゃんが相手の妨害をすることになっている。
女子の妨害するものは男子と一緒。だけど、女子の方が一回り二回り程小さい。男子と違って女子は入りにくいって思われてるのかもしれないけど配慮はありがたい。多分、各クラス男子よりも多く入るんじゃないかな?
篭の下には役員の人達が既に戻ってきて配置されている。
───ピッ!
笛が鳴った。私達は立ち上がる。笛を鳴らした学生が各クラスの女子、全員が立ち上がったのを確認してから再度笛を鳴らした。
───ピーッ!
長い音が鳴った。それと同時に旗を振り下ろす。私達はそれを見てそれぞれ走り出す。私と由理子ちゃんは篭の下を通って相手の篭の近くに向かう。
けど、ほとんどグラウンドの端と端だから距離があってその間に入れられる。私と由理子ちゃんは同時に千波弥達のクラスの篭の下にたどり着く。
私達は妨害用の道具を縦にして玉を入れられないように邪魔をする。私は顔を上にあげて飛んでくる玉の前に持っていっては妨害の道具に当てる。
「流石にあの言葉の通りにするわけないよね」
「癒音ちゃん?」
私が上を見て妨害していると声をかけられた。横は見れないけど聞き覚えのある声だったから、その声で思い当たった人物の名前を出した。私は左右に妨害の道具を動かす。
「流石にそんなことできないからね」
「まぁ流石にそっか。で、あまり防げてないけど大丈夫そう?」
「男子と比べて小さいんだから仕方ないよね!?」
私は防ぎながら癒音ちゃんの嫌味に答える。癒音ちゃんの顔を見る余裕はないけど多分ニヤけていると思う。
「それとスピード遅くなってない?気のせい?」
「うるさいよ!?思った以上にこれ重いの!回していたら疲れるのは当たり前!」
癒音ちゃんがいるところからも玉が飛んできているのでそれを防ぐように動かす。けど、1番最初の時と比べてスピードが落ちている。
癒音ちゃんに答えた通り、この道具が見た目以上に重くて疲れてきている。だから癒音ちゃんが言ったように見て取れるほどスピードが遅くなっている。腕が痛い・・・。
「ほらほら、このままじゃもっと入っちゃうよ?」
「それくらい分かってるよ!!」
癒音ちゃんは私がセッセと動かしている間、ずっと邪魔するように声をかけてくる。私は少しイラつきながら癒音ちゃんに答える。
癒音ちゃんが煽ってくるけど、事実だから否定できない。それに加えて疲れもあって少しイラついているから語気が強くなってる。
「ほらほら〜」
「も〜!!」
私は妨害の道具を動かし続ける。なんとか防いではいるけど入っていくのも結構ある。そして、ようやく笛が鳴った。
私と由理子ちゃんは妨害用の道具を横に持って自分達の列に走って戻って行く。亜未ちゃんが端にいたから私達はその横に並ぶ。並んでから直ぐに腰を下ろしてグラウンドに座る。それと同時に妨害用の道具を地面につける。それを確認したら後ろにいた零夜達から声をかけられた。
「どうだった?妨害は」
「思った以上に重かった・・・。由理子ちゃんはどう?」
「私も優月ちゃんと同じですわ。見た目以上に重くて驚きましたわ」
藤宮くんが私達に聞いてくる。私達は妨害用の道具を指さしながら答えた。由理子ちゃんも同じように思ってたみたい。
「意外だな」
「そう?でも男子の方が重いでしょ。2回りほど大きそうなんだし」
「確かにそうだ」
橋本くんが私の言葉に頷いていると数え終わったようで今の結果の放送がされた。私達のクラスは3位。1位は千波弥達のクラス。とはいえ差は5球ほどだったから大きな差があるわけじゃなかった。
私達は結果を発表されてからまた、男子たちと位置を変わった。そして笛がすぐになって男子達は立ち上がる。再度笛が鳴り男子達が1回目と同じように篭の元に向かって行った。
私と由理子ちゃんはこの間に妨害用の道具を次の妨害する人に渡しに行く。由理子ちゃんは少し離れている人の方に向かって行った。私は隣の亜未ちゃんに手渡す。
「・・・・・・確かに重いね、これは」
「そうでしょ?思った以上に疲れるから気をつけてね」
「分かった」
私が亜未ちゃんに手渡した後、亜未ちゃんは少し持ち上げた。亜未はそれで私達が言ってたことが分かったみたい。亜未ちゃんは重さを感じてから地面に下ろした。
「男子より少し小さいのかな?これ」
「多分ね。じゃないと男子より多く入らないでしょ」
「確かに」
「とはいえできるだけ防いでくださいよ?」
私が亜未ちゃんと話していると、横から座りながら由理子ちゃんが話に入ってきた。私達は篭に玉が入っていく様子を見ながら話す。
「妨害によって勝つか負けるか分かれるからね」
「そうですわね。男子とは違って私達のほうは小さいですからそこが大事になってきますわ」
「・・・それは責任重大だね」
亜未ちゃんが考えながら重たく言った。私達はそれに対して頷き返す。
「まぁ、とはいっても気楽にやったほうがいいよ。そこまで思い詰めなくても誰も責めないし」
「それもそうですわ。ですので気を抜いていいと思いますよ、亜未ちゃん」
「・・・うん。そうする」
私達が緊張を解すように亜未ちゃんに言う。亜未ちゃんは私達の言葉によって気を抜いたのか肩がおりた。
私達が話しているうちに話している間に男子達は終わったようでこっちに何人か戻ってきては座り始めている。こっちに零夜達も戻ってきたけど特に話すことはない。
私達は結果が出るのを待つ。男子2回戦目の結果は私達のクラスは2位、千波弥達のクラスは4位だった。次は私達、女子の2回戦目。これで私達は最後の競技になる。
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では次回の話しでお会いしましょう!




