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四十五話目






残された私達は立ち上がって、保護者と学生の間を通ってグラウンドから少し離れたところに行く。保護者も、学生もあまり来ないグラウンドの外にあるサッカーゴールのところに。


ここは日差しがそのまま当たるからあまり人がこない。とは言っても日陰が全くないというわけでもないので私達二人が入る分くらいはあるんだけどね。


「にしてもまさかお父さん達が人違いをおこすとはね〜」

「中々ないの?」

「立場的にあまりないね。それが特技って言うくらいだし」

「それなら・・・確かにそういう反応になるね」


癒音ちゃんは腕を上に伸ばして、体も伸ばしながら答える。私は背中をゴールポールに預けて癒音ちゃんと話している。グラウンドでは中等部の騎馬戦を行っている。


「ところで、優月ちゃんはこの場所に居ていいの?」

「・・・・嫌味?嫌味で言ってるなら私も出るとこ出るんだけど?」

「そうじゃないよ!?ただ、幼馴染である蒼乃くんや千波弥ちゃんのところに行かないのかなって」

「・・・・・・少なくとも騎馬戦が終わるまでは一緒にいるよ。私がいなくなったら癒音ちゃん1人でしょ?」

「やっさし〜!」

「茶化さないで」


私は癒音ちゃんに頬を指でツンツンとつつかれる。


「やめてよ・・・」

「このこの〜!そう言って嬉しいくせに〜。顔は素直だよ〜?」


癒音ちゃんが私の表情を見ながら言ってくる。私はどうやら、満更でも無い顔をしているようだ。癒音ちゃんはそんな私のことを見てより私のことを弄ってくる。


「ほら、そろそろ璃空ちゃんの女子の番だから・・・」

「逃げるつもり?まぁ、私も見たいからやめるけど」

「た、助かった・・・」


私がグラウンドの方を指さして言うと、癒音ちゃんは弄るのをやめてグラウンドの方を見る。その際に一言告げられたけど私は聞こえなかったフリをして逃げる。私はやめてくれたことに一安心して安堵の息をついたあと呟いた。


「あ、また別日に弄るから」

「ちょっと!?」

「アハハ〜、冗談だよ〜」


私は驚いて焦って声をかける。そしたら、癒音ちゃんは笑いながら告げてきた。私は頬をふくらませて癒音ちゃんを睨む。


「それしても可愛いだけだよ?」

「あー!もう〜!!」


癒音ちゃんに手玉に取られているのが嫌でも理解させられる。癒音ちゃんは私の今の様子を見てより笑みを深めた。


「何がしたいの!?そんなに私をいじって楽しい!?」

「え?うん、楽しいよ!」

「いい笑顔で言うな〜!!!」


癒音ちゃんは私にサムズアップして笑顔で告げてきた。そんな癒音ちゃんに対して私はポカポカと叩く。癒音ちゃんは叩かれているのに澄ました顔で笑っている。


「そういえば優月ちゃん。玉入れってどっちなの?妨害なのか、2回とも入れる方なのか」

「私はそっちの邪魔をしに行くよ。癒音ちゃんは?」

「私はどっちも入れるだけだね」

「そうなんだ・・・。じゃあ、徹底的にマークしよっかな〜?」

「そうしたら他の子が入れるよ?」

「分かってるよ〜。と言っても妨害者って2人でしょ。だったらマークしてもいいと思ってるんだけど」


私がそう言うと癒音ちゃんは呆れたようにため息をついた。私は不思議に思って頭を傾げる。


「誰がもう1人かは知らないけど・・・流石にそれはないと思うよ?」

「ま、流石に私もしないよ。・・・・・・多分」


私は言い切ったあとにボソッと小さく呟いた。癒音ちゃんにもそれは聞こえていたようで少し慌てて私に詰めてくる。


「多分!?流石に相方の子が可哀想だよ!?」

「それは分かってるからしない・・・と思いたいね」

「自分のことだよね!?まるで第三者の力が働くかのように言うね!?」

「まぁまぁ。癒音ちゃん、どうどう」

「私は動物じゃないよ!?」


さっきまでとは打って変わって私達のやり取りが逆転する。私は癒音ちゃんのことを見て愉悦に浸る。


「人間は動物だよ?」

「急に真顔になって言わないで!?確かに否定はできないけどね!?」


私がスンと落ち着くと癒音ちゃんはそこにもツッコミを入れてくれる。私が始めたことだけど今の癒音ちゃんを宥めてグラウンドを見るように促す。癒音ちゃんはグラウンドの方に顔を向ける。


「終わりかけ!?私達が話している間に!?」

「それでも璃空ちゃんはこれからのようだし良かったでしょ?」

「それはそうだけどそうじゃない!」

「文句が多いな〜」

「誰のせい!?」


私達が言い合ってる間に璃空ちゃんと相手の騎馬が戦い始めた。騎馬戦も最終局面の一対一(タイマン)状況。これが終わったら次は中等部1年から全員リレー。


「あ、璃空ちゃん勝った」


璃空ちゃんはアッサリと相手の騎手のハチマキを取って勝った。


「癒音ちゃんはそろそろ戻る必要があるんじゃない?」

「あるけどね!?なんだか、手玉に取られた気がして気がならないな、もう!それじゃあ、また後でね、優月ちゃん!!」


癒音ちゃんは私にそう告げて走って退場門の方に向かっていった。私はそれを見届けてから体をしっかりと起こして歩き始める。










本日も数あるWeb小説の中から私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも週2投稿を掲げて頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします!




よろしければ是非、下の評価マークを☆☆☆☆☆➞★★★★★にしてください!




では次回の話しでお会いしましょう!

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