三十八話目
その後、零夜と千波弥の手によって自宅に放り込まれた。放り込まれたあと、私はリビングのソファに横になってグデーと横になっている。
「とりあえず・・・・・・零夜」
「あぁ・・・。久しぶりに俺達で作るか」
「そうね。見た通り・・・・・・あまり作ってないみたいだし」
私は目を薄らと開けて零夜達のことを見る。零夜達は私の家のキッチンに居て、洗い場を見ながら言っている。
「そこに食器とかがないからな・・・。優月、お前またサプリだけで済ましてるのか?」
「・・・・・・ちゃんと栄養はとってるからいいでしょ」
「そういう問題じゃないでしょう。ちゃんと食べなさいよ。だから今日の昼だってコンビニパン1つで済ましたんでしょう?」
「・・・・・・悪い?」
私の返答に対して、冷蔵庫の中を確認していた零夜と私と話していた千波弥が同時にため息をついた。私はそれを聞いて顔をソファに置いてあるクッションに顔を埋める。
「悪いとは言わないわ。けどね、それとこれとは別じゃない?」
「・・・・・・何日間、間隔で作ってるからいいでしょ。何か問題ある?」
「だとしてもだろ。今のお前を見て知奈ちゃんやあの人達はどう思うだろうな」
「・・・亡くなった3人のことは関係ないでしょ」
零夜と千波弥はその言葉を聞いてまたため息をつく。それぞれ、優月の気持ちは大小あれど理解はできるから。だからこそ、2人はそれ以上踏み込まない。
幼馴染として助けてあげたい気持ちはあるが、それで、より壊れるくらいなら今の状態を維持すべきだと判断しているから。
「零夜、どう?何か作れそうだったりできそう?」
「・・・見た感じ生姜焼きやカレー程度ならってところだな」
「そう・・・・・・それじゃあ生姜焼きを作りましょう。食べるかどうかは別としてね」
「あい了解した」
千波弥はソファに横になっていた私の目線に合わせるようにしゃがんでいたけど、作るってことになって立ち上がった。
キッチンに方を見ると、キッチンに向かって歩いていく千波弥と、冷蔵庫から食材を取り出している零夜。零夜は取り出した食材や調味料を台所に手際よく置いていく。
私はソファにうつ伏せになって、クッションに埋めていた顔をあげる。そして仰向けになる。
逆さ状態で私はキッチンにいる千波弥と零夜のことを見る。2人は手際よく食材を切っては焼いている。
私の耳に何かを切っている音とお肉を焼いている音がする。私はキッチンにいる2人のことを見ながら、逃げるように目を瞑る。
「・・・て・・・。お・・・・・・!・・・・・・起きて!」
「千波弥のけ」
「零夜、それって・・・流石に・・・」
「知らん。起きないこいつが悪い」
目を瞑っていたら2人が何か言っている。私は目を開けようとする。けど、その前に何か冷たいものが首元に当てられた。
「ひゃっ!?な、なに!?」
私は飛び起きる。私は目の前にいる2人のことを見る。千波弥は気まずそうに目を逸らし、零夜は真顔で保冷剤を手に持っている。私はそんな零夜のことを睨む。
「お前がすぐに起きないのが悪い」
「だとしてもそれを当てないでよ!?」
「知らん。だったら寝るな。起きとけ。横になるなとは言わん」
「うっ・・・・・・」
私は零夜から言われて気まずくなり目を逸らす。
「少なくとも出来たから食べなさい。今日はサプリで済ますことは許さないから」
「えっ・・・」
「そんな絶望顔しても許さないから。そもそもサプリだけで済まそうとするのが悪いのよ」
「栄養はとってるよ」
「そういう問題じゃねぇから」
私は千波弥のことを恐る恐る見て言ったけどバッサリ切り捨てられた。私は不思議に思いながら栄養はしっかりととっていることを伝えた。けど、その言葉を否定するように零夜がキッチンの方へと向かって、作ったものをこっちに持ってきながら行ってくる。
そして私が座っているソファの前にあるテーブルの上にお盆ごとドンッと置く。
「せっかく作ったんだ。・・・・・・食えよ?」
零夜は顔は笑っているけど目は笑ってない。それが、私に圧をかけているように感じて、私は頷くしかできなかった。
「それと私達は貴方が食べ終わるまで帰らないから」
「えっ!?」
「お互い親から許可はとってる。だから・・・・・・食えよ?」
「そ、外堀りを埋められてる・・・!?」
だから私は渋々、本当に渋々だけど食べ始める。2人も私が食べ始めたのを見てそれぞれスマホを取り出して弄り始める。
零夜と千波弥は弄っていても時々私がちゃんと食べてるかどうか確認してくるから私は食べるしかない。
私が黙々と食べ進めて終えたところで2人が顔を上げた。そして零夜が立ち上がってお盆を持って洗い場に持っていく。零夜がそのまま洗い場で食器を洗ってくれている間、千波弥が私に聞いてくる。
「で・・・サプリはどれくらいの頻度で?」
「い、言わないとダメ?」
「言いなさい」
「うっ・・・・・・し、週に4日ほど・・・」
「・・・・・・多いな」
食器を洗いながら聞いていた零夜が呟いた。私は唸り声をあげる。
「やめる気は?」
「ないよ」
「「・・・はぁ」」
2人揃ってため息をついた。私はそんな2人をジト目で見る。2人はもう一度私のことを見ては再度ため息をついた。




