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三十三話目








私達はさっき終わった紅白代表者リレーの代表選手が退場門から出ていくのを見ている。


「当分私達って出番ないよね?」

「高等部の私達は全員リレーまでないですね。今は紅白代表者リレーが終わったところですから、後は中等部の団体種目2つした後ですね」

「私の学年からですね。プログラムでいうなら、14番の高等部1年生の全員リレーですね」


水雫ちゃんが私達に配られた、プログラムが書かれたプリントを見ながら言う。


「1年から2年、昼休憩を挟んで3年の全員リレーだよね?確か」

「その通りだよ、癒音ちゃん。だから当分待機なんだけど・・・」


詩雨先輩が何か言いたそうに私のことを見てくる。私は不思議に思って方を傾げながら見つめ返す。


「どうかしましたか?詩雨先輩」

「いや、なんでもないよ!」

「?そうですか・・・」


私は不思議に思いつつも考えないようにする。


「そういえば癒音ちゃんはまた撮るの?妹さんのこと」

「うん。親から言われてるのもあるけどやっぱり大事だからね」

「・・・そっか」


私はそう言って優しい目付きでカメラを触わっている癒音ちゃんのことを見て考える。考えたくないけど、思いたくないけど、思う。


(知奈がいたら私もそんな顔を・・・そんな思い出を作ることができたのかな・・・)


私は両親と一緒で、もうこの世にはいないたった1人の妹のことを思い出しながら思う。


(今、知奈が生きていたら癒音ちゃんの妹さんと同じ年齢か・・・。私は・・・1人だから。居たら・・・どうだったんだろう・・・。知奈も楽しくやれてたのかな・・・・・・)


私が少し暗くなったことに気づいたのか千波弥が手を叩く。そして、私のことに気づいているか知らないけど雰囲気を飛ばすように言う。


「ところで皆はちゃんと昼食を持ってきたのかしら?」


私は静かに目を伏せる。周りはちゃんと持ってきているのかな?


「私はありますよ」

「私もあるね。逆に持ってきてない人いるの?」

「同じくありますね」

「私はどこかで買ってこようと思ってたら親に持たされたね」

「私は妹と一緒に作ってきたよ。千波弥ちゃんは?」

「もちろんあるわ。・・・・・・ところで、今のところ反応が一切無い優月はどうなのかしら?」


私は千波弥から言われてゆっくりと目を開ける。そして、千波弥から目線を逸らしながら言う。


「あ、あるにはあるよ・・・?」

「本当に?」

「う、うん」


私は千波弥から聞かれて答える。うん、あれなら大丈夫なはず・・・。


「ちなみになんなの?」

「こ、コンビニで買ってきたパンだけど・・・」

「・・・ならいいわ」


どうやら千波弥はこれ以上聞くことはやめるみたい。千波弥は私から目線を離す。


(う、うん。一応あるにはあるから大丈夫・・・なはず。そ、それにあれならいつもの私よりかはちゃんと食べるからね。うん)


なんて勝手に1人で考え込んでは、1人で納得する。千波弥はひとりで頷いている私のことを怪訝な目で見ながらグラウンドに視線を落とす。


「あ、この際だから聞きたいんだけど皆、全員リレーの勝算の程はどれくらい?」

「私達のクラスは2位になれたらいいかなと考えてます。私達のクラスって差が激しかったので」

「亜未ちゃん達のクラスは微妙・・・ね。癒音ちゃん達のクラスは?」

「まぁ、特に問題なければ上位争いができると思いますよ」

「なるほどね〜」


詩雨先輩は頷きながら楽しみそうに顔を綻ばせた。その横から水雫ちゃんも入ってきて言う。


「はいはーい!私のところは1位になれると思います!リハの時もそうだったんですけど私のクラスに早い人が固まってたので」

「なるほど。水雫ちゃんところの学年は水雫ちゃん達のクラスが1位候補と」

「そう聞くとどうなるかまだまだ分かりませんね〜」


亜未ちゃんが今までのことを聞いてそう答える。亜未ちゃんと同じで私も全員リレーは楽しみにしている。何かが起きてリハと全く違う展開になったりするのが面白いからね。


「・・・・・・にしても綱引きって見てる方も暇だよね」

「まぁ・・・ね?特に何も無く引っ張り合うだけだし・・・」


私達は目の前のグラウンドで行われている中等部1年生の綱引きを見ながら言う。


グラウンド内では男の子達だと思うんだけど・・・・・・その子達が声を張り上げて引っ張りあっている。とはいえ、あまり動かないからズリズリという音だけが聞こえるけど。


「この後が中等部3年生が大玉送りでしょ?身長が低い子は厳しいわよね・・・」

「その分璃空・・・私の妹は女子にしては身長が高いからまだ救いなんだよね」

「あと、見つけやすいからお姉ちゃんからしたら楽だよね」

「そうそう・・・って私のことは揶揄わなくていいから!」


私がふざけて癒音ちゃんにお姉ちゃんというと、私の方に向いてガーッと突っかかってきた。対して、私は笑いながらのらりくらりと濁す。


「まぁまぁ癒音も優月もそれくらいでね。綱引きももう終わるしね」


そう言って亜未ちゃんが私達のことを止めてくる。癒音ちゃんはそれを聞いて入場門のほうに目を向ける。入場門には中等部3年生が既に並んでいた。癒音ちゃんの妹さんは身長が少し高かったからすぐに見つかった。


「見つけやすいね、癒音ちゃん」

「うん。分かりやすいから私も撮りやすくて楽だよ」


癒音ちゃんはビデオカメラを起動しつつ言う。私はそんな癒音ちゃんのことを見つめながら少し物思いにふけた。







本日も数あるWeb小説の中から私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも週2投稿を掲げて頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします!




よろしければ是非、下の評価マークを☆☆☆☆☆➞★★★★★にしてください!




では次回の話しでお会いしましょう!

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