三話目
私は零夜のお母さん達と話して、理事長と職員室を後にして部室に向かっている。私が入っている部活は天文部。部員は私を含めて高等部が9人で、中等部の子が7人。合計16人で活動してて、一部の部員が他の部活と兼部している。
内訳は、高等部3年の先輩が1人。私たち高等部2年が7人で、高等部1年が1人。中等部3年が2人、2年が3人の1年が2人になっている。
そして、私が先輩から引き継いで部長をしてる。副部長に由理子ちゃんがついている。私たち天文部は基本的に自由活動で唯一火曜日が全員集合日となっている。今日は木曜日だから高等部の皆くらいしかいないと思う。
男子は兼部している部活の方が休みだから木曜日は大抵こっちに来るし、先輩も息抜きを兼ねてくる。
(高等部2年は揃ってるだろうけど、中等部の子はいるかな?)
私はそんなことを考えながら教室札に天文部とかかれた教室に着く。私は扉に手をかけて開ける。中にいたのは予想通り高等部の皆だけだった。
「優月ちゃん。終わったのですね」
「うん、ありがとう由理子ちゃん」
「優月〜!真が今年の文化祭のプラネタリウムの星座の候補を出しておきたいって」
「ちょっと待ってよ。荷物置いてからね」
私は部室にある机の1つにカバンを載せる。そして、私は自然と書記の役割についた幼馴染の千波弥にホワイトボードに枠を作るように頼む。
「千波弥ちゃん!ホワイトボードに文化祭用の枠を作っておいて!何の星座をプラネタリウムで映したいか書き出せるように」
「分かったよ、優月。あっ、それと詩雨先輩が伝えたいことがあるらしいよ」
「分かった。それじゃあお願いするね」
千波弥はまだ私に負い目を感じているのか、私の目をちゃんと見てくれない。いや、こういったら語弊かな。ちゃんと目を見てはくれるけど、その目には今の私は映ってない感じ。
まぁ、それはいいとして。千波弥は私の言葉に頷いて部室にあるホワイトボードに向かっていった。私はそれを確認して、千波弥に言われた通り部室にあるソファーに座って本を読んでいる詩雨先輩のもとに行く。
ちなみに、亜未ちゃんは橋本くんたちの方に言って今年の文化祭で何の星座を映すか話し合い始めてる。由理子ちゃんは私が中々話にいかない水雫ちゃんのことを抑えてくれている。
(ごめんね、由理子ちゃん。あとでちゃんと水雫ちゃんの方には行くから・・・)
「詩雨先輩。私に用があるって千波弥ちゃんから聞いたんですけど・・・」
「えっとね・・・私がここに来る前に顧問の伶奈先生に言われたんだけど今月末にいつもの所で交流会を兼ねた天体観測するんだって」
「あぁー、毎年恒例のですね」
「うん。申し訳ないんだけど優月ちゃん、今回ほとんどやってくれないかな?私も手伝いたかったんだけど受験の方に手一杯で・・・」
私が思い当たることを言うと先輩は肯定した。
(確かに私は手伝っていたからある程度の要領は分かるしね。やれるだけやってみようかな・・・・・・由理子達にも手伝ってもらえばいいしね)
私はそんなことを考えながら先輩との話を続ける。
「あーまぁ、受験生ですもんね。分かりました。出来る限りやりますよ!けど、分からなかったらチャット送りますからね」
「それくらいなら大丈夫だよ。ごめんね。詳しいことは伶奈先生に聞いてね」
「分かりました」
先輩は申し訳なさそうにしてた顔から一転。喜色の顔色になった。
「ちなみに先輩は参加するのですか?」
「最後くらいだししようかなって。運動部がインハイ終わるくらいまでは引退する気ないからね」
「分かりました。またマイクロバスですかね・・・」
「だろうね。酔いやすい人は薬が必須だね」
「そうですね。まぁ、進めておきます」
「うん、ありがとう」
先輩は笑顔で私にお礼を言ってくる。私はそれに対して「任せてください」と返して、由理子ちゃんが抑えてくれていた水雫ちゃんの方に行く。
「ごめんね、由理子ちゃん。水雫ちゃんのこも任せちゃって」
「大丈夫ですよ。確かに少し扱いづらいですけど扱えないわけじゃないですからね」
「・・・・・・先輩達はアタシのことなんだと思ってるんですか・・・」
「狂犬」「・・・番犬ですね」
「結局犬じゃないですか!!」
「だって・・・ねぇ・・・?」
「ですねぇ・・・」
私たちは見合ってなんとも言えない顔になる。
「それに由理子先輩のは優月先輩のをオブラートに包んだだけじゃないですか!」
「違いますよ。狂犬は誰彼構わずに噛みつきますが、番犬は家族などを守りますからね」
「それただ単に言うことを聞くか聞かないかだけの違いじゃないですかー!!」
水雫ちゃんは膝をついて項垂れる。私はまぁまぁと思いながら彼女のことを撫でる。これである程度彼女は落ち着くのだから扱いやすい。
彼女のことを撫でていると藤宮くんが私たちのところにやってくる。
「音坂さん。零夜のやつと一緒に戻ってこなかったのか?」
「うん。まだ何かすることがあるみたいで私だけ先に行くように言われたの。まぁ、ここの理事長が零夜くんのお母さんだから仕方ないのかもしれないけどね」
「・・・・・・そういえばそうだったな。分からないならいい。悪い」
「ううん、大丈夫だよ!」
私がそう言うと藤宮くんは私にジェスチャーでもう一度謝りながら橋本くんたちの方に戻って行った。
「そういえば優月先輩と零夜先輩、呼び出されてましたね」
「うん。といっても何か問題を起こしたわけじゃないから大丈夫だよ」
「そうなんですか?」
「そうですわね。何か問題になるようなことは見たことがありませんしね。それに、優月ちゃんは中等部の頃から呼び出されることはありましたしね」
「そうそう。いつものだから問題ないよ」
「・・・・・・分かりました・・・」
水雫ちゃんは渋々といった様子で引き下がった。
(由理子ちゃんたちにも申し訳ないけどあまり言えることじゃないからね。この呼び出しの意味を知ってそうなのは、この学校では私と零夜。それに千波弥や先生たち。万が一で癒音ちゃんかな)
私たちがそんな感じで各々好きなように部室で過ごしていると扉がノックされる。すると、部室内が困惑した雰囲気に包まれる。顧問の伶奈先生や零夜なら普通に扉を開けてくるし、他の先生がここにくることはない。そのため私たちは全員が困惑する。
私は困惑しつつも部長なので入ってもいい許可を出す。
「ど、どうぞ・・・?」
私は不思議に思いながら言ったので、言い方が疑問っぽく答えた。私が答えたらすぐに「失礼します」と声が聞こえ扉が開かれる。
私は声を聞いてから冷や汗が出始めた。
(嘘・・・でしょ・・・・・・?昨日の今日だよ・・・?)
私がそんなことを考えている間に扉は開かれる。廊下にいたのは白色の髪で腰まである学校のマドンナ。昨日、私のことを見抜いてきた人物・・・・・・琴吹癒音・・・。
「癒音さん・・・?どうして・・・?」
千波弥が彼女のことを見てそう呟くが、彼女はそんなことはお構い無しに私の方に歩いてくる。私の前に来た彼女は私に紙を見せつける。
「・・・私も天文部に入部します」
彼女がそう言うと少しザワついていた天文部が静かになる。そして、一拍おいて全員が驚きの声をあげる。
『ハァァァァ!?』
(えっ?えっ?なんで、どうして?ど、どうしたらいいの〜!?)
「・・・それで優月ちゃん。入っても?」
「え?あ、う、うん。ま、待っててサインするから・・・」
私は困惑しつつもこの部活のモットーである『来る者拒まず、去るもの追わず』により彼女の入部届けの部長のところにサインをする。
「あ、あとは顧問の伶奈先生に渡してくれたらいいよ」
「分かったわ」
彼女は入部届けの紙を持って部室から出ていった。私たちは彼女が去ってからもう一度驚きの声をあげた。
「えっと・・・・・・はい、学校のマドンナとして有名な琴吹癒音ちゃんが天文部に所属することになりました・・・・・・」
私も呆然としながら今起きたことの事実を陳列してみんなに伝えた。
「ま、まぁ、優月ちゃん?彼女をグループチャットに入れる前にみんなに伝えておいて・・・」
「は、はい」
私は今だに困惑してる中で、この部活のグループチャットに彼女が入部することになったことを伝えた。
私が伝えると、彼女は中等部でも有名なようで驚きのチャットで溢れかえった。私はそれを見て現実逃避するように遠くを見つめた。
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では次回の話しでお会いしましょう!




