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二話目




私はスマホのアラームの音で目が覚める。

どうやら、私はあの後寝落ちしたみたい。私は気怠いけど、体を動かして立ち上がる。


(そういえば寝落ちしたのなら風呂入ってない・・・)


私はまだ重い体を動かして洗面所に行く。鏡の前に立って自分のことを見てみるけど、髪はボサボサだし、顔も涙跡が分かるくらいになっている。


「やっぱり・・・・・・軽く・・・浴びないと・・・」


私は服を脱いで洗濯機の中に入れる。私は風呂に入ってシャワーを浴び、跡とかを落とす。


私はシャワーを浴び終えて、風呂から出る。洗面所で水を拭きあげ、下着を履いて制服を着る。洗面所にいるから、そのまま化粧道具を取って鏡を見ながら整える。


最後に口元のリップを塗って、道具を片付ける。片付けたあと、私は洗面所の隣にあるキッチンに行く。いつもなら軽く朝食を作るけど、今日は時間が無いから買ってあるパンで済ます。


「いただきます・・・」


私はテレビを付けてニュースを見ながら天気などの情報を得る。とはいえども、私達の街は東京とかの都会と違ってそこまで発展していない田舎町だからこれといって目ぼしいニュースはしていない。


(今日は午後から降水確率80%ね・・・。私は自転車通学だからカッパが必要ね)


私は珈琲を飲みながら、今日の天気を見てそんなことを考える。私は飲み終えたカップをソーサーに置く。


「ごちそうさまでした・・・」


私は椅子から立ち上がってパンを置いていた皿とソーサーとカップを持って洗い場に持っていく。


私は洗い場に置いてある水を溜めてる桶の中にそれらを入れて自室に戻る。自室に戻って制服のポケットにハンカチを変えて入れる。そして、今日の授業で使う教科書と今入っている教科書を入れ替える。


入れ替えたあと、壁に掛けている自転車の鍵と家の鍵。ヘルメットを取って、カバンを肩にかけて玄関に向かう。


私は玄関に来て、学校に行くときにいつも履く運動靴を履く。玄関に置いているカッパを入れた袋を持って扉を開ける。


「・・・・・・行ってきます」


私はそういうけど、声は返ってこない。私は肩を竦めて扉を閉めて鍵をかける。ちゃんと鍵がかかったことを確認してから自転車を置いているとこに向かう。


私は自転車の鍵を刺しながらヘルメットを被る。私はスタンドロックを外して、自転車を押して出た。私は自転車に乗り、足を回して自転車を走らせる。






自転車に乗って約30分ほどかけて学校に着く。学校に着いたら自転車を駐輪場に停めてスタンドロックをかける。その後、ヘルメットを外しながら前に入れたカバンを取り替えるようにしてヘルメットを前のカゴに入れる。忘れないように自転車の鍵も抜き、ポケットに入れて靴箱に向かう。


靴箱に向かう途中で、中等部の後輩達ともすれ違うから挨拶も忘れずに。もちろん、高等部の皆ともすれ違うからこちらも忘れずに行う。


私は靴箱に靴を置いて、上履きに履き替えてから足早に教室に向かう。


「おはよー!」


私は扉を開けながら言う。男子のほとんどは『またか』みたいな感じで見てきたけど、気にしない。


「優月、おはよう」

「優月ちゃん、おはようございます。今日はいつもより遅いですね?」

「うん、朝少しバタバタしててね〜」


私が席に着くと話しかけてきたのは、中等部の頃から親しい友達の亜美(あみ)ちゃんと由理子(ゆりこ)ちゃん。亜未ちゃんは笑顔で、由理子ちゃんは教室にある時計の時間を見ながら私に聞いてきた。


私はカバンを机の隣に置いて、2人に断りを入れてから小学校からの親友のもとに行く。


零夜(れいや)くん、ちょっといい?」


私が零夜のもとに行くと、零夜達と話していた2人の男子は私が話せるようにズレてくれた。


優月(ゆづき)・・・。お前らあの話は後でいいか?」

「問題ないぜ。お前らの仲は知ってるからな。それに・・・音坂はなにか伝えてぇようだし俺達の話は急ぐわけじゃない」

「だな。だから零夜。行ってやれよ」

(しん)・・・光樹(こうき)・・・。悪い、恩に着るわ」

「ありがとう、橋本(はしもと)くん、藤宮(ふじみや)くん。それじゃあ零夜くんのこと借りるね」


私は2人にお礼を言って零夜のことを廊下に連れ出して付いてくるように言う。零夜は頷いて私の後に付いてきてくれる。私は人が来ることが滅多にない屋上へ続く階段を登る。そして、屋上に続く扉の手前の階段に腰を下ろす。


「んで、わざわざここまで連れてきてなんのようなんだ?」

「端的に言うと・・・・・・何故かは分からないけど癒音ちゃん・・・琴吹にバレた」

「は・・・・・・?それってお前が女装してるってことがか・・・?」

「そう・・・」


私が零夜に言うと零夜は驚いた顔をして聞き返してきた。私は少し青ざめて答えた。すると、零夜は一人でブツブツと何か言うと、意を決したように私の方を向いた。


「優月。放課後、先生達に一応伝えておこう。何かあってからは遅いからな」

「零夜・・・。だけど、それって・・・・・・」

「大丈夫だ。理事長には・・・・・・母さんには俺がかけおっておくから」

「零夜・・・。ありがとう」

「ここにお前を薦めたのは俺なんだ。これくらいは力にならせてくれ」

「・・・・・・分かった。お願い」

「あぁ」


零夜は私の言葉に頷いてくれた。私はあとのことは零夜に任せるように言って私たちは教室に戻る。教室に戻って、改めて橋本くんと藤宮くんに礼を言って、私は席に戻る。席に戻ると亜未ちゃんと由理子ちゃんが声をかけてくる。


「優月〜、蒼乃と何話してきたの?」

「亜未ちゃん、それを聞いたらダメですよ?隠したいことかもしれませんしね」

「ごめんね、亜未ちゃん。由理子ちゃんの言う通り内緒にしたいことなんだ」

「そっかぁ・・・なら仕方ないね。ちなみに付き合うとかじゃ・・・」

「ない。それは絶対ないから」

「そんな真顔で言わなくても・・・」


由理子ちゃんは苦笑いしながら私たちの会話を聞いている。そんな会話をしているとちょうどタイミングよくチャイムが鳴った。2人はその音で自分たちの席に戻って行った。


私はそのあとは普段通り、休み時間や昼休みは亜未ちゃんたちと過ごした。そのままなにか起こる訳でもなく、放課後になった。


「優月〜!私たちと部室行こー!」

「あ〜・・・・・・ごめんね、私このあと用事が・・・」


帰る前のSHR(ショートホームルーム)が終わったあとすぐに亜未ちゃんにそう言われる。私がどうやって断ろうかと言葉を紡いでいると放送のチャイム音が鳴った。


───ピンポンパンポーン♪


『高等部2年3組、蒼乃零夜(あおのれいや)さん。音坂優月(おとさかゆづき)さん。至急職員室へ来てください。理事長がお呼びです』


───ピンポンパンポーン♪


「みたいだから2人は先に行っておいてよ。多分、橋本くんや藤宮くんも行くと思うから」

「・・・・・・分かった」

「優月ちゃんは早く行ってください。部活の方は私に任せてください」

「うん、お願いするね」


私は2人にそう言って、職員室に向かう。もちろん、零夜も一緒に。私たちは職員室に来て、扉をノックし横にズラす。


「失礼します。高等部2年3組の音坂優月です」

「失礼します。同じく高等部2年3組の蒼乃零夜です」


私たちがそう言うと扉から1番近かった先生がその先は言わなくてもいいと言って職員室に入るように言われた。私たちは「失礼します」といって職員室に入る。


「それじゃあ2人とも隣の理事長室に向かえ。理事長が廊下からよりもこっちのほうがバレるリスクが少ないということで職員室にから入ることになっているからな」

「分かりました」

「ありがとうございます」


私たちは理事長室に繋がる扉の前に行ってノックをする。私たちが声を出す前に中から「どうぞ」と聞こえたため、私たちは顔を見合わせて開ける。


「「失礼します」」


私たちが入ると中には既に理事長と教頭先生。そして、私たちの学年主任がいた。私たちは理事長に促されてソファーに座る。


「零夜から聞いたけど、琴吹さんにバレたらしいわね」

「はい・・・。あ、ですけど私から言ったんじゃなくて向こうが独自で手に入れてから知られた感じです」

「琴吹さんの家庭は・・・・・・財閥でしたな・・・。多分、そこから情報でしょう」


理事長・・・もとい、零夜のお母さんが真剣な顔で私のことを見て聞いてくる。私は頷きながら答える。私の言葉を聞いた教頭先生と学年主任が手元にあった紙を見て、教頭先生が眉をひそめながら言った。


「優月・・・。厄介な相手に目をつけられたな」

「言わないでください。それは自分が1番分かってますから」

「・・・・・・なにか他に言われたことはあるの?優月くん」


私は学年主任に言われた言葉に即答して返す。そんな中、零夜のお母さんが私に聞いてくる。さっきから何も言わない零夜は何かの紙にさっきから書き込んでいる。


「私のことを見て・・・・・・彼女自身が悲しいと言われました。何故かは分かりませんが」

「悲しい・・・。これだけでは分かりかねますね・・・」

「優月、私達教師からして欲しいことは何かあるか?」

「なら・・・なら、一旦様子見でお願いします」

「分かった。私からそのことを他の教師に伝えておこう。過去のことは知ってるようだったか?」

「いえ、知らないようでした」

「そうなのね・・・」


私の言葉を聞いて学年主任は一度驚いた顔をしたがすぐに頷いてくれた。学年主任は私がこの学校に入った時に伝えた小学校での出来事のことを聞いてきた。けれど、私が知らないようだったことを伝えると安堵したような顔になった。


「それじゃあ、もう大丈夫よ。何かあったら誰でもいいから教師に伝えなさい。貴方のことは皆知ってるのだから」

「はい。では、失礼します」


私は零夜を置いて先に出る。零夜はまだ何か書いていたから多分、理事長から頼まれていたことなんだろう。だから、私は先に理事長室から出て皆が待っているであろう部室に向かう。






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