二十四話目
「全員リレーどうなると思う?」
「いつも通り委員長達で決めてるんじゃないかな?」
「まぁ、そうなっているとは思いますね。それこそ、その方が私達は考える必要がないので楽ですよ」
「それはそうなんだよね〜。私も部活の方のこと考えれるし」
私達は話し合いが始まるまで3人で話し合っている。話題はこの前、50m走のタイムを測ったからそれを元にした全員リレーの出走順。例年通りならば、委員長と副委員長。そして体育委員が適当に決めて練習で調整だから。
短距離走の順番は前日までのお楽しみとなっている。その日まで他クラスの出走順番どころか、自分の出走順番まで分からないからね。だから、運動部と当たることもあれば文化部の子とあたったりと多様。
だからこそ、皆が優勝を目指して真剣に取り組みつつも楽しんでいるんだけどね。
「はーい、ちゅーもくー!」
すると、ようやく委員長が教壇の上に立って声をあげる。私達3人もその声を聞いて話すのをやめて委員長の方を見る。
「それじゃあこれからプリント配っていくからそのプリントを後ろの人に回していけ」
「今から渡すプリントに全員リレーの出走順が書かれてあるからちゃんと見ておいてよ!」
副委員長がプリントの束をヒラヒラさせながら私達に告げてくる。それを言い終えると各列の先頭の人にプリントを渡していく。私達は後ろの席だから来るまでに少し時間がかかる。
「皆に渡ったか?そしたら、それは後で確認しておいてくれ。次は団体戦の話をするぞ」
「とは言っても多くは言わないから安心してね」
「改めて言うが、俺達の団体戦は2種目。1つは玉入れ。もう1つが棒倒しだ」
「玉入れは男女で分かれて行う種目だよ。けど、棒倒しは男女混合でやるからね。だから棒倒しで女子は十分に注意してね」
委員長が改めて競技名を言って、副委員長が男女でどうなっているかを説明する。その際に、例年通り男女混合棒倒しだから怪我には注意してって伝えられる。
「中身というか内容は例年通りだ。棒倒しはその名の通り棒を守りながら、相手の棒を倒すゲームだな」
「玉入れは普通の、中等部の時とは変わってるから気をつけてね。内容としては、普通の玉入れをすることに変わりはないよ。だけど、相手のチームから2名の妨害者がやってくるよ。もちろん私達の方からも2名ずつ出すからね」
「妨害の方法としては、1人は棒の先が手を開いた形になっている長い棒を使ってボールを入れさせないようにすること」
「それともう1人は落ちている玉を籠から離れたところに飛ばしたり、投げたところを落としたりと色々だよ」
次に競技の仕方について説明してくれる。もちろん、私達は見てきているから分かるけどどの年でも認識の違いがあったらいけないからこうやって説明される。
「ここまで全員着いてこれてるよな?着いてこれてないやつは手上げろ」
委員長が問いかけてくる。その言葉、その問いに対して誰も手をあげない。
「それじゃあ続けるぞ。ここからが今日の本題だ。さっき説明した玉入れと棒倒しだが・・・まずは玉入れについてだな。男女ともに2クールに分けられて行う。その際に相手の妨害をする4名を男女ともに決めたいんだが・・・誰かやりたいやつはいるか?」
「あ、今から少し時間とるから周りの人と話し合ってどうするか決めてね!」
私達に向かって委員長は聞いてくるけどそんなすぐに手を上げる人はいるわけもなく。それで慌てて副委員長が周りと話し合う時間を設けてくれた。
「2人はどうする気ですか?」
「私は別にどっちでもかなぁ。誰もいなかったらやるし、2人のどっちかがやりたいなら譲るよ?」
「私は1回目か2回目どっちかでやってみようかなぁって。そういう由理子ちゃんはどうなの?」
「私・・・ですか?」
「そうそう」
由理子ちゃんは少し考える仕草をとる。それから数十秒してから彼女は答えた。
「優月ちゃんがやるのならば私も一緒にしますわ」
「それじゃあ私は2クールとも玉入れの方にしておこーっと」
私達の中でどうするかを話し終えたところで、タイミング良く副委員長から合図が入る。
「それじゃあそろそろいいかな?」
「んじゃ、改めて聞くぞ。男女ともに妨害者になってもいいってヤツ、手を上げろー」
委員長が少し緩い感じで呼びかける。私と由理子ちゃんは手を上げる。手を挙げあと、周りのことを見てみると男子の方はちゃんと4人手を挙げていた。女子の方は・・・・1人だけ足りてない状態。
「ふむ・・・男子の方はこの4人で確定だが・・・」
「女子の方だね。誰かあと一人、やってくれる人いないー?」
副委員長が手を挙げていない女子に聞く。けれどもやっぱりと思うべきなのか、誰1人手を挙げずに、挙句の果てには副委員長から目線を逸らす始末だ。
私は亜美ちゃんの方に寄って聞いてみる。
「亜美ちゃん、誰もあげないんだったらやったら?亜美ちゃん皆と仲良いし」
亜美ちゃんは私が寄った時に私の方に体を寄せて聞き取りやすいように耳も私の口元に寄せてくれた。それで私は小声で聞いてみた。すると、亜美ちゃんは周りを見てから私の方へと向く。
「確かに私はやっていいよ。誰もやりそうにないからね。ただ、これだけは言わせて。皆と仲がいいのはそう見えてるだけだから」
「へ?」
「・・・・・・純粋な優月には分からないよね。ごめん、今言ったことは忘れて」
亜美ちゃんはそう言って私の方に寄せていた体を戻して手を挙げて告げる。
「誰もいないみたいだし私がやるよー!」
「それじゃあ、女子の方も決定だな。今あげた8人は誰がどのタイミングで妨害するか話し合っておけよ。それじゃあ棒倒しの方も聞くぞ」
「今のところ私達の方では男子の3分の1が守って、残りの男子は攻める。女子は基本的に守りだけど攻める側に参加したい子はいる?いるなら今のうちに手を挙げてね」
私はそれを聞いて攻め側をやるつもりだったから手を上げる。多分私以外で女子はいないと思っているから。
(まぁ、正確には私は女子じゃなくて男子だけど。みんな気づいてないから女子の方に回されるし)
私はそんなことを考えながら周りを見てみる。でも、やっぱり女子で攻め側になる子はいないみたい。
「それじゃあ音坂ちゃんだけ男子と一緒に攻めてね。他のみんなは大丈夫そう?」
副委員長が改めて聞くけど、誰も手を上げずに頷くだけ。それを見た委員長が口を開く。
「それじゃあ音坂は棒倒しの作戦会議の時は男子に混じって話し合ってくれ。それじゃあ今日も放課後、残ってくれてありがとう。各々部活等に遅れないように。解散」
委員長が手を叩いて終わらせる。私達はそれを見て立ち上がって荷物を持つ。
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では次回の話しでお会いしましょう!




