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二十話目






夜。私達は私服の上に上着を羽織って外に出てきている。これから私達は今日のプラネタリウムを踏まえた状態で星を見る。


今日のプラネタリウムはそのための前座。前知識として知るために見に行った。だから、多分皆まだ知識は残っているはず。


その状態でやるからこそ、星座がどこにあるか分かるようになり、より楽しめると思うから。これも今までの伝統として引き継がれている。


「みんなー、いるー?」


私は暗い中皆に問いかける。この場所はコテージの明かり以外は基本的にない。しかも開けているから絶好の観測場所なんだけど見えないのが難点。とはいえ、それはどこに行っても同じことが言えるんだけど・・・・・・。


私が問いかけると皆から返事が返ってくる。目を細めて見てみるとなんとなくみんなが居るのは分かる。これも夜目が利き始めたおかげかな。


「一応言っておきます!中等部は全員いまーす!」

「ありがと〜!高等部もいる?」

「ちゃんと全員いますわ」


中等部の纏め役の子と由理子ちゃんが確認して教えてくれる。伶奈先生は私の隣にいるから問題ないね。


「それじゃあ、伶奈先生。どうぞ」

「ここで私に投げるかぁ・・・。正直優月ちゃんもいい性格してるよね。二代前の雄也くんを思い出すよ・・・」

「それはそうだよ。優月はあの代だと雄也部長と特に親しかったんだから」

「だけどさぁ・・・」

「いいから、伶奈先生。説明」

「人使い・・・先生使いが荒い部長だなぁ、もう!」


私は伶奈先生と亜未ちゃんの言葉を無視(スルー)して、伶奈先生に説明するように促す。伶奈先生は文句を言いつつも説明を始める。


(全部が全部私がする必要はないんだから別にいいじゃん。伶奈先生だっていいって言ったんだし)


私がそんなことを考えている間に伶奈先生が学校から借りて持ち出してきた星座早見盤をみんなに配っていく。


「みんなに届いたかな?それじゃあ、それぞれスマホのライトか何か見えるように照らして」


伶奈先生がそう言うとみんながスマホか明かりとなる懐中電灯を取り出して(ライト)をつける。


「その星座早見盤の使い方は習ったし、教えてるから分かってる前提で話すよ。早速だけど星座早見盤を今日の日付に合わせてね。合わせたら各自好きなようにしてくれたらいいよ」

「これはレポートとかを書いて提出とかはしなくていいからね。ただただ星を見て楽しんでくれたらいいからね」

「ですが。時々私達、部長達がちゃんと見ているか確認に回るのでスマホでゲームをするとかはやめてくださいね?」

「それじゃあ・・・・・・解散!集まる時はまた呼びかけるからね!」


私が皆に向かって言うと、(ライト)で照らした星座早見盤を持って散らばって行った。


私はスマホのライト機能と懐中電灯を使って軽く周りを確認する。皆が散った方向を少しでも確認しておかないと、万が一があったらいけないから。


「・・・・・・由理子ちゃん・・・流石にそれは橋本くんが・・・」


皆が散っていく方向を確認していると、ふと由理子ちゃん達が目に入る。橋本くんの手を強引に引っ張って連れていくように移動している。流石に橋本くんが可哀想だよ・・・。


「それじゃあ、私は中等部の方に行くからね、部長さん」

「あ、は〜い。高等部は私が、ですよね。先生」

「うん。それじゃあ任せたよ?」

「はーい」


伶奈先生は私にそう伝えてから中等部の子達が進んで行った方に向かっていく。私はその背中を見届けて、一応確認する。


「優月」

「ひゃっ!?」


後ろから声をかけられて驚き、変な声が出る。後ろを振り返ってみると、居たのは幼馴染の千波弥。


「き、急に声をかけないで!」

「・・・変わらず怖がりは健在なのね」

「わ、悪い!?だからやめてっていつも言ってるよね!?」


私は開き直って千波弥に懇願する。けど、やめてくれない。


「やめるわけないでしょ。恨むなら可愛い反応をする自分を恨みなさい」

「それは酷くない!?」

「酷くない酷くない。ほら、行くよ」

「えっ!?ちょ、ちょっと!?」


私は千波弥に腕を掴まれて引っ張られる。私が千波弥に抵抗できる訳もなく連れていかれる。私は千波弥に連れられてきて、寝転がされる。


「な、なに!?本当になんなの、千波弥ちゃん!?」

「こうしないと優月、見ないでしょ」

「うっ・・・・・・ち、ちゃんと見るよ・・・?」


私は顔を逸らしながら千波弥が言った確信の言葉を否定する。


「顔を逸らしてる時点でダメ」

「うっ・・・」


千波弥は私の頬を両手で挟んで、千波弥の方に向けられる。私は強制的に千波弥のことを見ることになる。


「で、実際はどうする気だったの?」

「み、見回りをしようかと思ってました・・・」

「はぁ・・・やっぱり。・・・・・・優月。貴方、星、好きなんでしょう?」

「そ、そうだけど・・・・・・?」


私は不思議そうに千波弥ちゃんのことを見る。千波弥ちゃんは私の頬から手を離して肩に置く。千波弥はそして、顔を俯かせる。


「だったら、偽っててもいいからせめてここでは・・・ちゃんと星を見て」

「ッ・・・!」

「優月が見たいのなら、私が代わりに見回りに行くから。今すぐじゃないでしょう?本来の見回りは」

「う、うん・・・」


千波弥は顔を上げて私のことを真剣に見ながら言ってくる。私はそれに気圧されながらも答える。


(確かに千波弥の言う通り本来の時間には・・・・・・まだある。けど・・・)


「好きでしょう。星が。色々となくした中でもこれだけは」

「そ、それは・・・」

「だったら今日だけは・・・今日だけでいいから・・・ちゃんと見て」

「千波弥ちゃん・・・・・・」


私は、私のことを思って言ってくれる千波弥のことを見る。千波弥は真剣な表情の中、少し悲しげに私のことを見ていた。


「・・・・・・それじゃあ・・・お願いしてもいい?」

「任せて・・・!」


私は千波弥の根気に負けて、千波弥に頼むと千波弥は心強い言葉で返してくれた。


私が頼むと同時に千波弥は肩から手を離す。私は寝転がされているので、そのまま上にある星を見る。


黒い空間に数多の星の光が輝いている。


「銀河に散りばめた・・・ね」

「また何かの歌詞?」

「さてね〜。ところで・・・いいの?ここに居て」

「いいの。私が優月と居たいからここにいるんだから」

「・・・そっか」


私は千波弥に呆れのような、嬉しいような、そんな声で答えた。千波弥は私の隣に転がって夜空を見ている。




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