十三話目
「・・・・・・ろ・・・・・・づき・・・きろ」
「ん、んんぅ・・・・・・なにぃ・・・?」
「優月。着いたから起きろ」
「あ、うん」
零夜が私の肩を揺さぶって起こす。私は目を擦りながら椅子を元の形に戻す。私はシートベルトを外して周りを見る。見ると、運転席にいた先生は既に外にいて、中では零夜と千波弥。癒音ちゃんが中等部、高等部関係なしに起こしている。
私は先に上に置いていた自分の荷物を持って最初に出る。起こすのは3人に任せて私は先生の元に行く。
「伶奈先生。先にコテージのチェックインをしてきたらどうですか?ここは私が見ておくので」
「それじゃあお願いするね。私はチェックインしてくるから優月ちゃんが指示出して動かしていてね」
「はーい」
私が先生と変わって荷物を置いているバスの後ろでみんなが降りてくるのを待機する。待っていると、やってきたのは中等部の纏め役の子。
「部長、どうします?それと先生は?」
「私がここで荷物の番をしてるんだ。先生はコテージのチェックインだね」
「なるほど。それじゃあ、コテージ移動の時、中等部は私が誘導しますね」
私達は2人揃ってみんなが出てくるのを待つ。とりあえず、今の空模様を見てここ2日間のことを考える。
「少なくとも雨が降りそうにない、快晴の天気で良かったですね」
「そうだね。私達天文部はどうしても天候に左右されやすい部活だからね。こればっかりは自然の摂理だから仕方ないんだけど」
「ですね。だからこそこの天気で良かったと思えますね」
「うん」
私達が話していると横から声をかけられる。横に振り向くと中等部、高等部関係無しに皆が荷物を持って降りてきていた。そのタイミングで伶奈先生も戻ってくる。
「チェックイン終わったんですか?」
「終わったよ。だから紙に記載した通りに皆動いてね」
皆は返事を返してコテージに向かっていく。私と零夜は残って準備を進めておく必要があるからコテージに行く千波弥達に渡して持って行ってもらう。
残った私と零夜は一緒にまずダンボールにまとめられている食材を外に出していく。今回は全員参加したため、18人程度の食材があるため多い。それをバスのエンジンを切るためにせっせと下ろしていく。
中から木炭とBBQができる道具を下ろしたら零夜がそれをコテージの近くに運んでいく。運び切ると零夜はそのまま火を付けて、火の番をするから戻ってこなくなる。
私は台車の上に食材を重ねていく。その途中でエンジンを切った伶奈先生も来たので、二人で乗せていく。私達は1部を載せた後、台車を押してコテージの近くに持っていく。
コテージの近くに行くと高等部の一部のメンバーが出ていたので私は指示を出す。
「コテージに荷物置いたなら運ぶの手伝ってー!」
私は固まっていたみんなに声をかける。すると、みんながこっちに来て台車の荷物を下ろしてくれる。
「由理子ちゃんと水雫ちゃんは食材を切っていて。亜未ちゃんは分かりやすいように仕分けしといてくれる?橋本くんと藤宮くんはバスの前にダンボールがあるから持ってきて」
私が指示を出すと、中身を確認して橋本くんと藤宮くんが今持ってきたダンボールを一度コテージに持っていく。その後に亜未ちゃん達もついて行く。
私はそれを確認して零夜の元に向かう。
「どう?火は問題なさそう?」
「あぁ。組み立ては終えたからこれから火を起こすところだ。まぁ、着火剤もあるし特に問題なく起こせるだろ」
零夜はそう言いながらガスバーナーを使って着火剤代わりの松ぼっくりに火をつける。火をつけたあとは、火バサミで木炭を通りやすいように配置していく。
焼く箇所を3つ作るから忙しいだろうけど、今までも零夜に任せていたから問題無いね。私は中等部の子達や千波弥達が来るのを待つ。その間は零夜のしていることを見ながら。
私が零夜がしていることを見ながら待っていると後ろから声をかけられる。
「部長。こっちも次の指示をください。中等部も全員荷物を置いたので」
「そう?それじゃあ男子はバスの方にダンボールがあるからそれを持ってきて。女子は由理子ちゃん達のコテージに向かってくれない?そこで食材を整理しておいてほしいんだ」
「分かりました。みんな、行くよ。部長に言われた通りにね〜」
中等部の纏め役の子が中等部の皆を動かして行く。私はそれを見届けてから次のことを考える。
(多分、すぐにダンボールを運ぶのは終えるから、折りたたみの椅子と机を持ってきてもらわないとね。持ってきたらそれを立てるように指示して・・・)
その後、私達は着々と準備を進めて日が落ちる前には準備を終えた。今はみんなで和気あいあいとしながらBBQを行っている。基本的に皆は、ソフトドリンクかお茶、またはお水だけど先生はお酒を飲んでいる。
元より伶奈先生はあまりお酒を飲むことはない。けれどこういうイベント事では嗜む程度には飲むらしい。私達もそれを理解してるから堂々と私達生徒の前でも飲む。
私は皆と少し離れたところで食べている。何かあったらいけないし全体を見ておけるようにしたいから。すると、詩雨先輩が私に声をかけてくる。
「楽しんでる?」
「詩雨先輩・・・。はい。部長になって忙しいですけどその分やり甲斐とかがありますしね。それにこの光景を見れるだけでも嬉しいので」
「そっかそっか。優月ちゃんに任せて良かったよ」
先輩はニコニコと笑顔で私に言ってくる。
「ところで先輩。受験する大学は決まったんですか?」
「んー、まぁ県外に行こうかなって。その分の学力は付けてきたからね」
「そうですか・・・。卒業してもたまには連絡くださいよ?」
「早くないかな?」
先輩は私が言った言葉に笑いながら返す。私はそれに苦笑いで返す。
「優月ちゃんはどうするか決めてるの?」
「まだですね。軽く見てはいますけどどれもしっくり来なくて」
「そっかぁ。見つかるといいね、合う場所が」
「はい」
私と詩雨先輩は焼いている場所の近くで和気あいあいとしている皆のことを見ながら残りの時間を気楽にまったりと楽しんだ。




