十二話目
「部長、中等部は全員揃いました」
「うん、ありがとう。こっちも揃ってるから乗り込もうか」
「分かりました。中等部から先に乗りますか?」
「そうだね。こっちも先生に伝えてくるからお願いね」
「はい」
中等部を纏めてくれている・・・実質中等部の部長的存在になっている子に頼む。彼女は中等部の子達が固まっている方に向かっていく。私はそれを見て、マイクロバスの近くにいる伶奈先生の元に向かう。
「伶奈先生、全員揃ったよ。中等部の子達から先に乗るからね〜」
「そうなんだね!分かったよ。それじゃあ〜、中等部のみんな〜!乗っていいよ〜!」
伶奈先生が中等部の子達が固まっている方に行きながら言う。私は伶奈先生達の方から背いて高等部の皆の方へ駆けていく。
「と、いうことで!」
「いや、どういうことだよ」
私がダンッ!という感じでみんなの前に戻ってきて言うと、零夜にツッコまれた。
「中等部の子達が乗り終えたら私達も乗るからね!」
「だったら最初からそう言え・・・」
「まぁまぁ。優月ちゃんは元よりそういう感じでしたでしょう?」
「だがなぁ・・・」
橋本くんが肩を竦め、飽きれた声で私に言ってくる。そんな橋本くんのことを恋人である、百理子ちゃんが宥めている。
「ほら、そんなこと言ってる間に中等部の子達ももう乗り終わるよ?こっちも乗らないとね、皆」
元部長、先代の部長である詩雨先輩が私達へと言ってくる。私達はそれに対して返事を返す。流石、元部長。私達の扱い方をしっかり分かってる。
私達は詩雨先輩に言われた通り中等部の子達が乗り終えたのを確認して、役所持ち以外が先に乗り込む。その後、私達役職持ちも乗り込んでいく。生徒の最後に詩雨先輩が乗って伶奈先生が運転席に乗り込む。
私と詩雨先輩は一緒に、運転席から1番近いところに座った。窓側に詩雨先輩、通路側に私が座った。私達の後ろの席には千波弥と零夜が一緒に座っている。ちなみに、千波弥が窓側、零夜が通路側だね。通路を挟んだ私達の列の向かい側には癒音ちゃんが座っている。
「あ、そうそう。優月ちゃん。それと、前にいるから詩雨ちゃんにも言っておくね。例年通り向こうに着いたら歓迎会兼BBQだからね」
「分かりました。今まで通り零夜に火を起こしてもらって、他の男子達にバスに載せている食材を持って下ろす」
「料理が得意な女子には持ってきた食材を切ればいいんですね」
「そうそう。それでもやっぱり人数が余ると思うから。だから今回も串を持ってきているからそれに刺してもらってほしいの」
「向こうに行ったらそう指示しますね〜」
「お願いね、新部長さん」
私達が伶奈先生から指示を受けて、伝えることを覚える。伶奈先生から言われたすることをメモ用紙にメモをし、終えたタイミングで後ろの千波弥達から声をかけられる。
「伶奈先生は何を?」
「例年通りBBQするから向こう着いたら準備してって」
「なるほどな。俺は変わらず火の番か?」
「うん。火を起こしてそのまま調整してて欲しいんだ」
「うっす」
零夜は詩雨先輩の頼みに軽い感じで答える。こっちから表情とかは見えないからなにか言える訳じゃないけどね。
「なら私と天音、あとは鷲峯は食材を切ればいいね。優月は・・・今回はどうするの?」
「今回は何処にも入らずに全体を見ながら指示を出そうかなって」
「まぁ、部長だからその方がいいだろね〜」
詩雨先輩がコロコロと笑いながら私に向かって言ってくる。私は「ですよね〜」と詩雨先輩と同じように笑いながら返す。
「零夜くん、席、倒していい?」
「問題無い。が、寝るのか?」
「うん。ココ最近疲れが溜まっていて・・・」
「・・・まぁ、気をつけろよ」
「うん。ありがと」
私は零夜に許可を取って椅子を後ろに倒す。私は目を瞑ると、今日の学校の分や今までの分の疲れが集ってすぐに眠気がやってきた。私はそれに抵抗せずに身を任せて意識を落とした。
side癒音
「ん?」
私はバスに揺られていると急に周りが静かになったことに違和感を覚えた。それで、私は後ろの方を確認する。
すると、そこには膝の上でパソコンを叩いている蒼乃くんとその隣の千波弥ちゃん以外は寝ていた。私はこの際だと思って、思い切って2人に聞いてみる。
「ねぇ、2人共少しいい?」
「なんだ?」
「どうかしたの?」
蒼乃くんはパソコンを叩くのをやめて、閉じてから私に聞いてくる。千波弥ちゃんも顔は見えないけど私に返事してくれる。だからこそ私は踏み込んだ話をする。
「優月ちゃ・・・・・・じゃないや。優月くんの幼馴染の2人に聞きたいんだけど・・・」
私がそう言うと蒼乃くんの、千波弥ちゃんの雰囲気が変わった。まるでその話はやめろと言わんばかりの圧。けど、これくらいなら私は慣れている。だから、だから分かっていても踏み込む。
「優月くんの過去・・・何があったの?」
2人は黙る。けど、通路側にいる蒼乃くんは私の事を鋭く睨みつけながら。私はそれに怖気ずに彼の目を、2人に話を通すためにしっかりと見る。
「・・・・どうやら引く気はないようだな」
「うん。私も・・・家の力を使って調べさせてもらったのは悪いけど、そこまでしか知らないから。だから聞くの。優月くんに何があったの?なんで、この・・・・・・本当の姿じゃないの?」
「零夜・・・。どうしようかな?」
「・・・・スゥー・・・・・・はぁ。流石にバスの中では言えない。向こう・・・合宿先に着いてからだ。俺達から言える範囲でしか教えないがな」
「それでいい。だから・・・・優月くんには悪いけど・・・教えて」
私の思いに負けたのか蒼乃くんはため息をついたあと両目を閉じてそう言った。一瞬見えた千波弥ちゃんは少しオロオロしているように感じた。
「あとでどのタイミングで教えるかはチャットで伝える」
「・・・分かった」
「・・・・・・さてと、3人ともその話はもう大丈夫?もうすぐ着くから用意だけしておいてね。皆を起こすのは着いてからでいいからね」
私達、起きている3人は先生に返事を返して残りの時間をバスに揺られて目的地に向かっていく。
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では次回の話しでお会いしましょう!




