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百十話目


「千波弥はどんな服が欲しいの?」

「ワンピース・・・は流石に合わないと思っているからロングスカートね」

「あれ?持ってなかったっけ?小さくなった?」

「何年前の話しをしてるのよ・・・。あれもう3年前よ?流石に小さくて着れないわ」

「そんなに前だっけ?忘れてた」

「それはともかく!・・・ロングスカートを探したらいいんだね!それだけ?」

「あとは羽織れるものが一着欲しいわね。夏用のは一着もなくて困ってるの」

「それじゃあロングスカートと夏用の上着だね」

「えぇ。優月、あなたは選ばないようにね」

「散々言われたから分かってるよ・・・。感想だけでしょ」

「分かってるならいいわ」


私は呆れたように声を出す。毎回毎回そうだからいい加減言われなくてもするつもりがなくなっている。自分の服装ならまだしも、誰かの服装を選ぶ時に私のセンスは以ての外だからね。

私達はそれぞれ別れて、夏用の上着とロングスカートを探しに行く。千波弥はロングスカートを、癒音ちゃんは夏用の上着を探しに。

私は千波弥をおいて癒音ちゃんの方に行く。一応幼馴染だしどんな服を着てるかは覚えているから、それを頼りに癒音ちゃんに探してもらう。


「優月くん?どうかしたの?」

「千波弥は自分の選ぶだけだしいいかなって。私は一応千波弥が何を着ているかとか覚えているからそれを参考にしてもらおうと思って」

「そうなんだね。それで私の方に来たんだね」

「うん。それと、癒音ちゃん。ここでくん付けはやめて。他の人に聞かれたら困るんだけど・・・」

「大丈夫でしょ。そう呼ぶんだって思われるだけだと思うから。特に優月ちゃんは今の服装だとボーイッシュに見えるから違和感はないよ」

「それでもだよ。だから今みたいにちゃん付けにしておいて」

「しょうがないな〜」


私は癒音ちゃんに感謝を伝える。いくら周りにいるのは会わないと思う人達といえど、何かあったら困るしね。それに私のポリシーに反するし。


「それで忘れそうになってたけど千波弥ちゃんが着ている服の色は?何が多いの?」

「水色とかの全体的に色が普通より薄い系。ベージュとか水色、グレーもたまに見るね」

「つまりライト系の色ってこと?白は?」

「あまり見た事ないね。持ってるのは見た事あるけど会う時に着てたのは見た事ない」

「それならライト系の色で探したらいいね。あるかな・・・」


癒音ちゃんは夏用の上着が置いてあるゾーンで私が出した色をメインで探し始める。私はそれを見ながら他にどんな服があるのか見る。といっても私がたまに選ぶような色の服はなく、誰もが着るような色しかない。

なのにどうして私が選ぶのはいつも変なのばっかなんだろうね?

癒音ちゃんは選び終えたようで何着か手に持っている。


「千波弥ちゃんのところ戻ろ!一応は選べたからね。色はグレーとベージュかな」

「みたいだね。それじゃあ戻ろ」


私達は千波弥のところへ戻る。千波弥に声をかけると、千波弥もちょうど候補を選び終えたようだったみたい。これから試着室に向かうって言われた。私達も一緒に試着室の前までついて行って、千波弥に選んだ上着を手渡す。

千波弥は受け取ってから中に入った。


「先にどっちを着るの?」

「上着よ。その方が今あってるかどうかも分かるでしょう?」

「ん、分かった。見て感想を言えばいいんだよね?」

「そうよ。優月はもちろんのこと、癒音も教えてくれると嬉しいわ」

「分かった」


まず先にグレー。薄いグレーだからか、爽快なイメージがある。千波弥の落ち着いている感じが少しマシた感じがする。

二着目のベージュはまず最初に柔らかいって思った。それと同時に大人の女性感がなんとなく増したような気がする。


「それでどっちの方がいいかしら?」

「私はベージュかな。なんていうか千波弥って大人っていうか年上のお姉さんみたいな感じがあるから・・・」

「私もベージュの方が好きかな。理由は右に同じ」

「そう?それなら買おうかしら・・・。ともかくありがとうね。次のロングスカートの方も見てもらってもいいかしら?」

「うん、大丈夫だよ。色はどうしたの?」

「こっちにもベージュと水色を選んだわ。先にベージュから見せるわね」

「分かったよ。それじゃあ着替えて見せて」


千波弥は癒音ちゃんに言われてカーテンを閉める。そして着替え始めた、布のこすれる音が聞こえる。癒音ちゃんが不安そうに私のことを見ていたので首を傾げる。


「気にならないの?この音とか」

「それを千波弥が中で着替えてるなかで聞ける癒音ちゃんすごいね・・・。まぁ、それは一旦置いておいて・・・気にならないかだっけ?正直あまり気にならないかな」

「え?でも異性だよ?」

「この話を外でするのもどうかとは思うけど・・・幼馴染だからね。何かと言えば姉弟としての側面が私は強いからあまり気になったことはないよ」

「そうなんだね・・・」


私達が話しているとカーテンが開いた。下を水色のロングスカートに変えた千波弥が出てきて私達のことをジト目で見ている。

水色のロングスカートを着た千波弥は落ち着いた雰囲気と大人びた雰囲気がある。


「私が着替えてる中よくそんな話ができるわね・・・?特に癒音?」


少し怒ってるようにも見える。千波弥はこめかみをピクピクさせている。癒音ちゃんはそんな千波弥を見て慌てて謝っている。千波弥もある程度気が済んだのか途中でやめさせて中に戻った。カーテンを閉めてまた着替え始めた。

次にカーテンを開けたときに着てたのはベージュのロングスカート。さっきと同じようで大人の女性感が増すのと同時に少し親しみやすい雰囲気もある。

ある程度見せたところで、千波弥はまたカーテンを閉めた。私達の感想を聞かずに。

少ししてもとの服装に着替えた千波弥が出てきた。手には四着の服を持っている。


「どっちを買うべきかしら?」

「「水色」」


私達は揃ってそう答えた。千波弥は驚いたものの、自身でもそう思っていたのかベージュの上着と水色のロングスカートを持って、残りは元にあった場所に戻しに行った。

それからお会計に行って、その二着を買ってきていた。

私達は買い終えたので外に出て、またお店を見ながら歩き始める。



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