百十一話目
私達は外に出て歩いていると、また別のお店が私の目に入った。見た感じ、アクセサリーショップみたい。私は前を歩いている二人を呼び止める。二人は同時に振り返って、私の視線の先のお店を見る。千波弥よりも先に癒音ちゃんが私の言いたいことに気づいた。
「そういえば私、アクセサリーみたいって言ってた・・・。だから私達を呼び止めたの?」
「うん。たまたま目に入ったし、癒音ちゃんも見たいって言ってたから。どうせなら私達の目当ての物は終わったし見てもいいんじゃないかって」
「優月ちゃん・・・!ありがとう!」
「千波弥もこれくらいいいでしょ?私達のところを回ってくれて、なおかつ服とか靴とか一緒に探してくれたんだしね」
「そんなふうに言わないでもちゃんと行くわよ。その言い方だと私が悪いみたいじゃない」
「そんなことないよ」
「そうだよ!千波弥ちゃんは優しいよ!」
「お世辞はいいからはやく入るわよ」
千波弥がアクセサリーショップの中に入っていったから、私達も慌ててあとを追って中に入る。中に入ると、ショーケースにたくさんのアクセサリーが置いてある。指輪やイヤリング、ネックレスなどあまり気にしたことないものがたくさんある。まだ入っただけなのに気疲れしてきた。
「やっぱりアクセサリーショップは高いね」
「あ、そこの金銭感覚は普通なんだ」
「優月ちゃん!?私のことをなんだと思ってるの!?」
「世界展開している日本の大企業のご令嬢」
「・・・ちゃんと事実だから言い返せない・・・・・・」
「だってお嬢様だもんね~。庶民とは金銭感覚が違うと思うのは仕方ないんじゃないかな~?特に私は一度底についたことがあるから余計にね」
「反論しにくいことを交ぜて言わないでくれるかな!?こっちも反応に困るから」
「え、あ~・・・ごめん」
「普通に謝れられると調子狂うな・・・。千波弥ちゃん、ヘルプ」
「諦めなさい」
「見捨てられた!?切り捨てるまでが早いよ!?」
千波弥は答えながらペンダントとかのコーナーを見ていた。私も軽く見ているけど到底買えるとは思えない金額ばっかり。癒音ちゃんなら買えそうだけど、私や千波弥みたいな一般的な高校生が買えるような代物じゃない。
「癒音ちゃん、どうしてここにきたかったの?」
「三人で来たんだし何かおそろいの物を買いたくて。形に残るような物でね。確かに全体的にアクセサリーショップって高いけどちゃんと私達のような高校生でも買える物はあったりするよ」
「いやいやそんなわけ・・・」
「ありますよ?」
「ひゃっ!?」
私達が離していると急に後ろから声をかけられて、可愛い声がでた。咄嗟に後ろを振り返る。私の後ろから話しかけてきたのはここの店員さんみたい。ちゃんと服を着こなしていてきれいな人。
「すみません、つい話が聞こえたので」
「い、いえ・・・大丈夫です」
「それで・・・ここでも高校生が買えるアクセサリーがあるって・・・」
いつの間にか戻ってきていた千波弥が店員さんに聞く。店員さんは頷いてから、私達に聞いてくる。
「案内しましょうか?」
「えっと・・・お願いします・・・」
「分かりました」
店員さんはショーケースの間を通っていって、他と一回り大きいショーケースのところに連れて来られた。そこのアクセサリーを見ると、どれも一万もいかない程度の金額のものが置かれてあった。
「こちらが高校生でも買える金額で扱わせてもらってる場所となります。一通りのアクセサリーはありますので好きなように見てください」
「本当にあった・・・」
「だからいったでしょ?」
「なんで癒音は知ってたのよ。普通こういうところに来てないと分からないでしょうに・・・。来たことあるの?」
「ないよ。でも・・・うちの傘下の一つだからね」
「傘下・・・?」
「傘下って・・・だから知ってたわけ?」
「うん。宮葉さんに傘下の会社と提携している会社の内容はあらかたたたき込まれたからね」
「さすが天下の琴吹ホールディングス・・・」
「・・・え?」
店員さんの呆けた声が聞こえた。
それもそうだよね。普通、こんな感じで友達とお買い物しにきた相手が企業の娘さん。それも親会社の娘さんだとは思うわけないもんね。
「それもあって知ってたの。ここの会社の理念は全年代、だれもが手を取りやすい金額で、高品質なものをお客様に届けることだからね」
「よく覚えてるね・・・。それでどれか買う?私はあっちだろうとこっちだろうと使えるネックレスにするつもりだけど・・・」
「それなら私達も統一しましょう。癒音もそれでいいわよね」
「もちろん!基本は一緒で先端はそれぞれ好きな物でいいかな?」
「そうじゃない?それぞれ好きなやつを選べばいいでしょ。ちなみに私は決まったわ。二人は?」
「私も決めてるよ。ていうか千波弥は私が何を選ぶか分かるんじゃないの?」
「一応ね。癒音は?」
「決めたよ」
私達はまだ少し驚いている店員さんに声をかけて中からそれぞれ選んだ物を取り出してもらう。二人とも私がネックレスにするって言ったからネックレスにしてくれた。
私は青色の宝石のような物がついたやつ。
千波弥は四つ葉のクローバーのような形をしたもの。
癒音ちゃんは星を囲ったようなものを。
それを持って会計に向かう。
会計に来ると癒音ちゃんが声を上げた。
「あ、私が出すよ。お父さん達からそれようでお金もらってきたし」
「え、でも・・・」
「これくらい出させてよ。それに二人ともさっき服買ったでしょ?それもあるけど、私が出したいの。わがままでおそろいにしてもらった感じだしね」
「だ、だけど・・・」
私が言い淀んでいると、千波弥が私の肩に手を置いてきた。アイコンタクトでここは花を持たせてあげてと言ってきた。私は納得できないけど、癒音ちゃんは折れないと思ってお願いする。
「・・・分かった」
「それじゃあ払うね」
癒音ちゃんは理音さん達から渡されたであろうクレカを出してそれで支払った。それから外に出て、私達にそれぞれ買ったものを渡してくる。私達はお礼を言いながら取り出して、買ったばかりのネックレスを首からかけた。
それぞれのネックレスが太陽に照らされて輝いているように見えた。
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では次回の話しでお会いしましょう!




