百四話目
私達はプラネタリウムを見終えたあとホテルにやってきた。近くにはアウトレットやショッピングモールもある。多分明日はそこで時間を使ってきたらいいってことなんだと思う。
「それじゃあ俺は一足先に風呂に入ってくるからな」
「行ってらー。長風呂ですかー?」
「珍しくサウナとか露天があったからな。整ってくる」
「そういえばあったわね・・・。ホントに零夜って長風呂よね。男子にしては珍しく」
「否定しないが親を見ろ、親を」
私達は零夜の両親を思い浮かべる。片方は私達の学校の理事長。片やもう1人は方向音痴。でも、あの2人って確か長風呂だったからなぁ。2人ともサウナ好きだからそこらがあって進んだって話だし。
「まぁ、サウナ好きの両親の元に生まれたんだから子供がサウナ好きになるのも必然か・・・」
「そこまでいうか」
「でも事実じゃないかしら?」
「まぁな・・・。ともかく入ってくる。一応男子の方は全員これで入ることになったがどうなるかは分からないからな」
「ん。わざわざありがと、零夜」
「礼は真達にでも言っておけ」
「分かった。明日とか会えたら言うね」
「あぁ。それじゃあ、改めて行ってくる」
私達は零夜を見送っていく。零夜が居なくなったところで私は襖の奥。千波弥が座っている対面の椅子に腰を下ろす。
「それで千波弥は明日どうするの?」
「近くなのだからアウトレットには行きたいわよね。何か買うかどうかは別としてね」
「・・・そういえば癒音ちゃん達は行ったことあるのかな?アウトレットとか」
「さ、流石にあるんじゃないかしら?あの人達も流石に行かせたことないとはならないでしょう」
「仮にそうだったとして・・・璃空ちゃんは元気に回りそうだね」
「まぁ、あの子はほらね?なんていうか元気ハツラツというか自由奔放というか好奇心旺盛というかそんな感じじゃない?だから仕方ない部分もあるんじゃないかしら?」
「確かにね」
私達が話していると、部屋の扉が三回。ノックされた。私達は不思議に思い首を傾げる。私が立ち上がって扉に向かい、扉を開ける。そこに居たのはちょうど話題にしていた癒音ちゃん姉妹。
「あれ?癒音ちゃんに璃空ちゃん。どうしたの?」
「何してるのかなって思ってきたの。それと璃空が・・・」
「璃空ちゃんがどうかしたの?まぁ、ともかく中に入ってよ」
「ありがとう」
「・・・ありがとうございます」
私は癒音ちゃんと璃空ちゃんを中に入れる。癒音ちゃん達を中に入れて座るように促す。璃空ちゃんは座ってからもどこか落ち着かない様子だ。千波弥もこっちにやってくる。
「二人だったのね。それでどうかしたの?」
「私はそっちの明日の予定が気になって。璃空は私にも教えてくれなかったから分からないけど」
「璃空ちゃんはどうしてきたの?」
「・・・それは」
「もしかして零夜のことでなにか?」
「!?」
「どうやら正解みたいね」
千波弥が璃空ちゃんに言うと、璃空ちゃんは驚いた顔をした。それを見て私も図星だと分かった。
でも、癒音ちゃん達の話だと無自覚だって・・・。
「そうですよ・・・。いないみたいですけど」
「でもどうして?零夜なのかしら?」
「分かんない。けど、なんでかそう言われてる気がした」
「誰に?」
「分かんないです。でも、なにかそうしないといけない気がしたから・・・」
「そう・・・。零夜は今、風呂に行ってるわ。男子のみんなを誘ってね」
「そこに一人男子がいるけどね?」
「私のこと言ってるなら流石にねぇ・・・。皆が入らないような夜中に入りに行くつもりだよ。中等部の子達は知らないし」
「それなら高等部だけで入れば・・・」
「誰が好きであの傷を見るわけ?流石に迷惑でしょ」
私がそう言うと癒音ちゃんは目を逸らした。私の傷跡を見たことがあるからそうやって目を逸らす。私が言ってることも理解している。
「だから夜かな。それで璃空ちゃんに関しては戻ってくるまでここにいたらいいんじゃない?」
「そうね。璃空に関してはそうね。それで癒音だけど・・・。私達は近くのアウトレットに行こうという話をしているわ」
「あぁ、そこのね」
「そっちはどうなの?何かあるの?」
「特に何もないからどーしよっかなって聞きに来たの。いいのならついて行ってもいい?」
「千波弥、どう?私は別に何も言わないけど」
「私も別にいいわよ。中等部の子じゃなければ貴方も比較的楽でしょう?」
「まぁね」
私は千波弥の言葉に頷きながら返す。千波弥は私のそれを見て癒音ちゃんの方に向き直った。
「それなら一緒に行きましょう」
「いいの?ホントに?」
「うん。問題ないよ。だから一緒に行こ?」
「ありがとう」
癒音ちゃんは満面の笑みを私たちに向けてきた。




