百一話目
私達は1階を一通り見終えたから、2階に続く階段にやってきた。階段のところにやってくると、ちょうど副顧問の夜鷹先生と出くわした。
「あ、お疲れ様でーす」
「おう。お疲れ。お前らも上に上がるのか?」
「そうなんですよ〜。夜鷹先生は?」
「俺も1階の見回りは一通り終えたからな。怜奈先生に1階を任せて俺は2階に行くことにしたんだ」
「そうなんだ・・・。夜鷹先生は副顧問ですしここにも何回か来たことが?」
「あぁ。あるな。基本は5年周期だ。今年の中等部一年生が引退する五年後にまたここにくる」
「あー、だから書類が分かりやすくまとまってるわけですね」
「部長としてはやりやすかっただろ?」
「ですね〜」
私達は夜鷹先生と話しながら階段をあがる。夜鷹先生もうちの学校では比較的話しやすい先生に入る。怜奈先生は殿堂入りだけど。
「来年の人事はどうしてるんだ?」
「とりあえず水雫ちゃんを部長に抑えて今の中等部三年生で固める感じですかね」
「まぁそれが妥当か・・・」
「どうしても人数がネックですからね。水雫ちゃんの代に人がいないっていうのが」
「だなぁ。まぁこればっかりはその年の運だから仕方ない部分もあるが・・・」
「確かに。やっぱり人手不足は世の常・・・?」
「学校の部活でさえこれなんだから社会はもっとだろうね。特に・・・教員は」
「俺の方を見ながら言ってくるな・・・」
私が夜鷹先生のことを見ながら言うと、肩を竦めながら返された。それでも私は間違ってないと思ってるからジト目で見つめる。
「・・・否定はせんがな。それでもまだ私立や国立はマシのはずだぞ。市立と県立が顕著な気がするけどな」
「そうなんですか?」
「あぁ。私立だと金入が比較的いいはずだったし、国立だったら国の雇われだから安定はしてるしな」
「色々とヤッカミがありそうですね」
「あるだろうな。でもそれが社会だってのは琴吹姉。この中だと一番、お前が知ってるだろ?」
「まぁ、あまり言えませんがその節はありますね」
「だろうな。んな事もあって教員ってのは人はつきにくいってんだ。それに夜遅くまで拘束されることもあるからな。残業代なんて出やしないし」
「あれ?私達の学校もなんですか?県立とか私立ならよく聞きますけど・・・」
「いや、うちはないさ。なんたって理事長がそういうのを嫌ってるからな」
「となると零夜がなってもそれは引き継がれそうですね」
私達はそんなことを話している間に2階に上がってきた。私達は夜鷹先生に一言告げて、その場で別れた。夜鷹先生はさっき言った通り見回りに行くみたい。
私達は左側の天体関連の方に向かっていく。向かって目を引いたのは太陽系の一覧。
「水金地火木土天海であってるはず・・・」
「合ってるよ、水雫ちゃん。私達が生まれる何年か前に冥王星が準惑星に落ちたからそうなってるよ」
「だからお父さん達やお祖父さん達の世代だと水金地火木土天海冥ってなるんだよ」
「そうなんですね・・・。ていうか、癒音先輩そこら辺の知識もあるんですね」
「この部活入ったこと伝えたら粗方叩き込まれたから・・・」
私はなんとなく宮葉さんなんだろうなぁと考える。癒音ちゃんや璃空ちゃんから聞く限り色々と教えてるのは執事である宮葉さんみたいだし。私達は反対側に行く。反対側には春夏秋冬の星座が書かれてあった。
「ちゃんと星を繋げて分かりやすくなってるね」
「そうですね。これなら一年生の子達も分かりやすい気がします」
「実際分かりやすいんじゃないかな?それこそ、すれ違った時に聞いてみたらいいだろうけど」
「それといえば2階ではあまり皆を見かけませんね」
「反対側とか柱の後ろとかにいて私達から見えないだけじゃないかな?」
「あ、その可能性もありますね」
「ともかくすれ違ったらここを見たかどうか聞いて、見てない一年生の子達にはここを勧めるってことでいいんじゃない?」
「そうですね。癒音先輩の言う通りそれでいきましょう。優月先輩もそれでいいですよね?」
「うん、それで大丈夫だよ」
私達はまた別のところに向かうために歩き始める。1階よりかは見るものは少ないけどそれでも充分多い。とはいえまだ少し時間はあるからゆっくり見ていくことができる。




