百話目
怜奈先生が来てから中に入る。中に入ったら水雫ちゃんを連れて、怜奈先生と一緒に受付の方に向かう。みんなは邪魔にならないところに待機させておく。受付付近には多分、館長である男の人がいた。
「お久しぶりです。今年もよろしくお願いします」
「お久しぶりですね、怜奈先生。後ろの二人は?」
「今年度の部長です。それと、次の部長になる予定の子です。なので少し見てもらおうかと思って連れてきました。迷惑でしたか?」
「いえいえ。後任育成。大事ですよね。私もやってますけど中々育ちませんから・・・」
「そ、そうですか。それでは、本日はよろしくお願いします」
「えぇ。よろしくお願いします」
私達は一礼する。それから怜奈先生にお金の入った封筒を渡して、怜奈先生から館長に渡す。私達は一歩引いたところからその様子を見ている。話が終えたところで怜奈先生が礼をし始めたので私達も連なって礼をしてからみんなの元に戻る。
「それじゃあ時間になるまで自由行動ね。私達教員は回りながら皆のことを見たり、時間が近づいてきたら入口付近にいるから何かあったら聞いてきて。それじゃあ解散!」
怜奈先生の合図を皮切りに各々が好きなように動き始めた。零夜は璃空ちゃんに捕まえられて、連れていかれている。私はそれを苦笑いで見届ける。千波弥も千波弥で亜未ちゃんに捕まえられて連れていかれている。私はどうしよっかと悩んでいると隣にいた水雫ちゃんと近くにいた癒音ちゃんに同時に声をかけられた。
「「優月先輩」」
「二人ともどうかしたの?」
癒音ちゃんが水雫ちゃんに先に言うように促した。水雫ちゃんは少し頭を下げて私の方へと向き直る。
「時間になるまで一緒に行動しませんか?」
「私はいいけど・・・癒音ちゃんもそういうことなの?」
「そうだよ。私も水雫ちゃんと一緒で回らないかなって誘おうと思ってね。璃空は蒼乃くんを引っ張っていったから手持ち無沙汰なんだよね」
「私はいいけど・・・二人は大丈夫なの?そうなると三人で回ることになるけど」
「別に私はいいですよ」
「私もいいよ」
癒音ちゃんと水雫ちゃんは何故か睨み合うようにして見ている。なんとなく火花が見える気がする。
「それじゃあ行くけど・・・。本当に大丈夫?」
「大丈夫だよ。ね?」
「はい。大丈夫ですよ、優月先輩」
「それならいいんだけど・・・」
私達は中に入る。中に入ってすぐに目に入ったものの場所に行く。2階分はありそうな大きな機械。隣にある説明を見る。
「先輩方、この名前知ってます?蒸気機関ってのは分かりますけどこの名前の人。私、記憶にないんですけど」
「私は忘れたね。歴史に関して、家ではあまりやってないし」
「私も覚えてないかな。歴史はその時その時しか覚えてないから基本、テストを終えたら忘れるから・・・」
「それじゃあ誰も分からないということで」
私達はゆっくり周りのものを見る。すると、水雫ちゃんが少し驚いた様子であるところの方に向かっていった。
「ボルタ電池あるんだ・・・」
「あ、そっか。一年生はこれくらいの時期だっけ?ボルタ電池をしたの」
「ですです。少なくとも分かるやつがあって良かったです。まぁ・・・その隣のインパクトが強いのもありますが」
「あー、このロケットのエンジンね・・・」
「です。流石にインパクトというか、主張が強いじゃないですか。さすがに蒸気機関には負けますけども」
「そうだね・・・。それに私達は見ることないからね」
「そうですそうです。それもあって余計にです」
私達は苦笑い。私達は他のものを見たり触れたりしながら進んでいく。進んでいくと唐突に車が現れた。近くにあった説明とかが書かれているのを見てみると、車を持ち上げようと。
「水雫ちゃん、やってみなよ」
「私がですか!?いや、まぁこの中なら私が一番力ないとは思いますけど・・・。あまり期待しないでくださいよ?」
とは言いつつも水雫ちゃんもやってくれる。水雫ちゃんが紐を持って引っ張った。すると、少しだけ車の前の方が持ち上がった。けど、やっぱり重かったみたいで水雫ちゃんはすぐに下ろした。
「お、重い・・・」
「てこの原理なのかな?これは」
「そうだと思うよ・・・。そうじゃないとあがらない気が・・・」
「そういえば関係ないですけど、この反対側の壁にもなにかありましたよ。なんか見覚えのあるやつでした」
「壁に見覚えのあるやつ?」
「はい。どっかのバラエティ番組がやってそうな感じのものが」
「なにそれ・・・」
私と癒音ちゃんは水雫ちゃんのあとについてそれを見に行く。そこには壁に埋められている感じで設置されていて、どこかのバラエティ番組で見た事あるようなやつがあった。
「あれだね、電気じゃないだけマシなやつかな?多分磁石・・・磁力でその棒がつきやすくなってるんでしょ。その上下の壁に。で、壁に当たったら最初っからみたいな」
「本当にどこかで見たことあるやつだね・・・」
「・・・やりたいですけど私じゃ身長届かないんですよね。先輩二人、やってみたらどうですか?」
「私はやろっかな。優月ちゃんは?」
「パス。多分、すぐにイラつく。だからやめておく」
「そっか。それじゃやるね」
癒音ちゃんは早速とばかりに始めた。怖がることなくどんどん進んでいく。ただ、勢いよく進んだから・・・。
「あ、やらかした」
その言葉と共にカーブのところの壁に棒が当たった。ブザーが鳴って終了の合図が出た。思った以上に音が大きくてビックリした。さっきから時々聞こえていたのはこれだったわけだ。
「流石に無理だったね〜。次行こ〜」
「あれ?もういいの?」
「それよりも私は全部周り切りたいからね。仮にやるとしても回りきってからだね」
「そっか。それじゃあ水雫ちゃん、私達も動くよ」
「は〜い」
私達は次の場所に向かって話しながらゆっくりと歩き始める。




