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四十四話 ケーキの種類はどれにするか!?

 と、いうわけで。実験的にウェディングケーキを作ってみることになった。


 一部、お見苦しい場面があったことをここでお詫びします。


 ごめんなさい。


 ましか全部見られていたなんてね。気づかなかったわ。うふふっ。


「それで? どんな種類にするんですか? いちご? チーズ? それともチョコ? あるいはマカロンツリーやチョコフォンデュ的なものもあったりするかもしれませんが」


 ばあやさん、ゾーイが目を覚ましてからずーっと機嫌がわるいのが気になるところ。


 それはともかくとして。


「やっぱり、シンプルにいちごがいいですよね。あと、ホワイトチョコも捨てがたいですが」


 そう。今、ここにある材料となると、無難にいちごのケーキがいい。フルーツケーキとなるならば、色々なフルーツがあるけれど、魔王城で確保してくれたいちごはとてもおいしい。


 そのまま食べてもそこそこ甘酸っぱいけれど、やっぱりケーキにしたいんだ。


「あたし、いちごがいいです」

「そう言うと思ったわ」


 なぜかヒトミ様がくすりと笑う。イヤミではないのだけど、ほんのわずかのトゲを感じた。


「気にすることはないよ。ヒトミ様は、ギュル兄様にきちんとしたお式を挙げてなかったから、皮肉だと思うといいよ」


 え? そうなんですか!? 


 そして、ディール様のテンションが低いのは、おそらくこのままだと合同結婚になりそうな予感がするからだろうか。


 それはともかくとして。


「子供っぽいと思われてるんじゃねぇの? ノゾミのこと」


 耳元でポツリとゾーイに言われて、ああやっぱりそうだったのか、とがっかりしてしまう。


 女性にとって結婚式は一大イベント。自分がそれをしてないのに、場所を提供室するとなると、皮肉のひとつやふたつ、言いたくもなるよなぁ。


「そ、それでしたら。これから予行演習もかねて、ギュルディーノ様とノゾミ様のお式を挙げるのはどうでしょう?」

「これから?」


 目をぱちくりさせるヒトミ様が、いつもより幼く見えて、かわいらしい。


 わずかに蒸気した頬が、それをのぞんでいるのがわかる。


「ヒトミがよいと言うのならば、我はかまわんぞ?」


 ギュルディーノ様も、乗り気なご様子。


 鉱石ごと調理室に移動してきたチビたんたちも大はしゃぎ。


 実際のところ、スラたんサイズの水筒ならギュルディーノ様が作ることができるのだけれど、チビたんたちの分となると、数が多いし大きさも微妙すぎて難しいらしい。


 そんなわけで、ますます不機嫌になるばあやさんをよそに、ディール様は華麗に復活。


 本当にばあやさんはどうしちゃったんだろう?


「ぷんだ。わたくしだけお相手がいないというのに、みなさまは楽しそうでなによりですね」


 そうか。ヤキモチを焼いていたんだ。


 なら、どうしよう?


 スラたんの性別はわからないけど?


「お待ちください。ノゾミ様は、私とスライムを結婚させようとおっしゃるのですか!?」


 あはっ。


 やっぱりダメだよね。


 こうして、楽しいケーキ作りが始まったのだった。


 つづく

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