四十一話 これまでのおさらいと、対策
なんとあの鉱石には糖度が百五十パーセントも含まれていた。
そこにへばりついている金色のスライムは、鉱石からはがすと死んでしまう。
金色スライムが死ぬと、緑色に変わるわけだけど。
その生態はいまだ謎のままだ。
さらに、というわけで。
最初にクレープを食べに来た子のことはスラたんと命名した。
ほかの子にくらべると、少しだけ体が大きい分、鉱石から離れてもしばらくは死ななかったし、クレープを食べた後には五分ほどあたしたちの周りで踊って見せてくれたほど元気だった。
ならば、というわけで。
スライム専用の水筒の製作に取りかかることにした。
この水筒の中身はあまい砂糖水。これで、鉱石から離れても、苦しくなったら砂糖水を飲んでもらうことができる。
だけど。
どうすれば人間の体内に巣食った毒素を中和できるのか、それがまだわからない。
前魔王の気配を完全排除できたとしても、無事目覚めたのはヒトミ様ただひとり。
それもまた機密事項だし、疫病のことは本当に絶対にバレてはならない。
一般人を不用意に不安にさせないためだ。
今はただ、ヒトミ様の血液検査の結果に注目している。
凍結前と現在では、血糖値はほぼおなじ。
スライムの様子から、血糖値があがっているんじゃないかと思っていただけに、これは残念な結果だった。
次に凍結したままのゾーイに、砂糖水と同等の糖度を保つ点滴をしてみたものの、反応はなかった。
これは、カレンさんでも試してみたけれど、結局失敗におわった。
「弱ったな。これじゃ、どうすればいいのかわからないままだよ」
さすがのディール様もぼやき始める。
そりゃそうだ。
あたしがゾーイに片想いしていたのとほぼおなじくらいには、カレンさんに恋焦がれてきたディール様。
せっかく両想いになったというのに、これじゃどうすることもできない。
……うん?
頭の中に、ひとつの案が浮かんで消えた。
お城に来て、はじめて作ったのが巨大スライムの黒玉団子。あんみつもどきだったわけだけど。
あのスライムも、消し炭の状態しか知らないけど、とてもあまかった。
と、すれば!!
この金色スラたんたちの一部を分けてもらって、凍結解除後に食べてもらったら、もしかして毒素が抜けるのではないだろうか?
あたしの提案に、ギュルディーノ様がうむ、とひとつ返事をしてくれた。
「まだこの金色スライムを食していないが、このままの状態ならば、あるいは効果があるやもしれんな?」
おお~!!
あたし、はじめてギュルディーノ様に褒められたよ。
やったね。
ただひとり。
例にもれず、ディール様だけはものすごく嫌な顔をしたわけだけども。
こうなったら、試さない手はないじゃないかっ!!
どうよ!?
つづく




