異世界のタバコ商人と出会って、無職の身でも一攫千金を果たそう!11
生まれて初めて口にする、冷たくて甘い不思議な食べ物、ソフトクリーム。
その味はすっかりシャルローネを魅了したようだ。
始めのうちはお上品に、舌先でペロペロと舐めていたが、俺が唇で吸い付くように食べ始めると、シャルローネも冷たいソフトクリームに熱烈な口づけを始めた。
「チュッ……チュッ……あ、はしたないですね、私……」
熱いキスを連想したのか、頬を染めるシャルローネだが、俺としては「ごっつぁんでした!」と礼をいいたいところだ。
本っ当にイイもの見してもらいました! というところである。
小振りだけれど、ちょっとだけ肉厚な、柔らかそうな唇。
思わず見とれてしまうほど、艷やかな動きであった。
「……あの……ケースケさん?」
どうしたんだろう?
シャルローネが俺を見つめている。
「そんなに見られると……恥ずかしいです……」
いつの間にか、俺の方が熱い視線を送っていたようだ。
恥ずかしそうにしているシャルローネから、慌てて目を逸らす。
それ以降は、シャルローネの熱烈なキスは見られなくなってしまった。
小さく舌を出して、チロリチロリとソフトクリームを舐めるだけ。
それはそれで大変に可愛らしいので、ヨシとすることにしよう。
さて、煙草商人のシャルローネだけど、今回は塩を購入。
他に商いはしないのか、と訊いてみる。
「他の商いですか?」
「そう、例えばお酒とか」
「私が直接商いすることはありませんが、酒商人にオススメすることは頭にあります」
「オススメ? 売りつけたりはしないの?」
「えぇ、そこはお金よりも価値のある情報とか、クラブへの加入の口利きとか。そうしたものが欲しいときにだけ、都合してみようかと」
「興味があるなぁ、シャルローネの世界の酒」
「今度お持ちしますね、お世話になってますから♪」
「悪いなぁ、催促したみたいで」
「ただし、お口に合うかどうかは保証の限りではありませんよ?」
「異世界の酒だからね、どんなものが飲めるのやら」
ソフトクリームを食べ終わると、デート気分ももうおしまい。
我が居城たるオンボロアパートに到着してしまった。
玄関で靴を脱いで、正面の階段を上がる。
このアパートの住人は夜の民が多いので、みんなまだ眠りから覚めていないようだ。
シャルローネの帰還は俺の部屋からのようだ。
彼女によるとこの部屋の座標を登録してあるので、その方が簡単で安全なのだそうだ。
「それではケースケさん、急に無理を言って申し訳ありませんでした」
「いや、気にしないで。いつでも歓迎だよ」
「ですがケースケさんにも都合があるでしょうから、このネックレスを……」
シャルローネはネックレスを外すと、正面から俺にかけてくれた。
顔が近い、顔が近い!
だけど決して顔を逸らさない、俺のスケベ心。
「これからケースケさんのお部屋にお邪魔するときは、事前にこのネックレスでお知らせしますね?」
「はぁ、なるほど。便利なものもあるんだね」
「それではケースケさん、また明日にでも♪」
爽やかな笑顔とともに、シャルローネはボワンという煙に包まれて姿を消した。
……うむ、今回もシャルローネは可愛らしかった。
ということで俺は頭の中であの唇の動き、そして迫ってくる顔を思い出し、記憶に刷り込んだ。
よし、インストール完了!
ならば次にするべきことは……。
俺は左手にボックスティッシュを握り締める。
邪な願望に頭脳をフル回転させていると、ネックレスが警報を発した。
「すみません、ケースケさん! またお邪魔します!」
シャルローネの声が聞こえてきた。
と思ったら、またもやボワン!
シャルローネが帰ってきた。
何故かはわからないが、顔が真っ赤だ。
「どうしたんだい、シャルローネ?」
「申し訳ありません、ケースケさん。ブーツを忘れてしまいました……」
シャルローネの世界では靴を履いてないのは全裸と同じなのだろうか?
それくらいの勢いで、彼女はブーツをとりに玄関へと走って行った。
明日の更新、またまたお休みさせていただきます。なかなかシンドイですわ。




