第15話『訓練内容は過酷にこそなれ楽にはならない』
航空機といっても、本物を飛ばしている訳ではない。
すべて立体映像だ。
それでも五十三機、乙姫と桜姫ですべて撃ち落とすことができた。
まったくレーダーさまさまであり、一秒間に一発撃てる五基の主砲のおかげである。
「親分は三機で一編隊の理由を考えろって言ってたけどさ」
ライゾーからの通信だ。
「マミヤ兄ちゃん、なんか分かった?」
「正解かどうかどうかはわからないけど」と前置きして。
「例えば三角形の編隊で爆弾を落としたとしようか。先頭の真ん中の飛行機はズバリ潜水艦を狙う、後の二機は潜水艦の左右に爆弾を落とすことになる」
「ふむふむ」
「そうすると潜水艦は左右どちらに舵を切って逃げようとしても、どれかひとつ爆弾が命中する可能性が高くなる。こんな回答じゃダメかな?」
「そうすると魚雷抱えた飛行機もそんな考えなんだな? 先頭の動きを見てれば、どこを狙ってくるかわかりやすい」
「そんなに簡単でもないけどね」
「そうでもないよ。オイラたちは小さな潜水艦。ズバリ狙ってくるなら、一編隊ずつしか襲ってこない」
その発想は無かったな。
小さな標的を狙って爆弾を落とすなら、ニ編隊三編隊が同時に襲ってくることはない。
お互いに衝突する危険があるからだ。
ライゾーの言うことが正しければ、爆撃機などは引きつけてから撃ち落とすのも手である。
「艦長、電探に感あり! またもや航空機です!」
「また飛行機かよ。好きだなぁ、ジョー司令官も……つーか立体映像で電探に感あるとは、どういうこと?」
僕の疑問など取り合われない。
今度は航空機だけではないからだ。
軽巡、駆逐艦に護衛された輸送船ニ十隻も一緒である。
「なかなかいい成績だったな、二人とも! だけど今度のお題は難解だぜ! しっかり輸送船を沈めてみな!」
いや、本っ当に難解ですから、司令官。
とはいえ、泣き言などホザいている場合ではない。
「砲雷長、乙姫単独でいけるかい!」
「やらいでか!」
「ライゾー、航空機と駆逐艦は乙姫で受け持つ。キミは待ち伏せの位置で補給艦をしとめてくれ」
「わかったよ、マミヤ兄ちゃん。でも歯ごたえの無い狩りだなぁ……」
小僧、よくホザいた。
もし次に航空機が群れで飛んできたら、駆逐艦ともどもお前に任せるからな。
今度の飛行機は数が少ない。
戦闘機三、爆撃機三、雷撃機三の少数護衛だ。
ならば輸送船団をはさんで、ライゾーと桜姫の反対側に……。
「マミヤ兄ちゃん、乙姫のポジションは飛行機よりも上がいいよ」
そうだ。
宇宙空間では上も下も無い。
よって、艦隊の上方に陣取ることもできるのだ。
僕たちは補給艦→航空機→僕たち乙姫というポジションをとった。
真っ直ぐ撃てばそのまま当たるというポジションだ。




