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令和のオタク女子大生が西暦2000年に転生したら借金少女だったので歌舞伎町で働きます  作者: 昼夜兼行


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11-6 クリスマスに発情する男女とクリスマスに発送する男女

クリスマスの話です。

 きっと誰も来ないよ、一人だけのクリスマスイブ。

 あ~、さいでんなー、ほーでんなー


 今年(2001年)は23日の天皇誕生日が日曜日、ということで翌月曜日が振替休日。ウチの店も連休になった。


「葵ちゃん、今夜は帰らないからね」

 

 美由ちゃんはウッキウキで出かけていった。社長にもらったホテルの宿泊券を使うらしい。今夜どころじゃなくて、美由ちゃんは2泊3日。帰ってくるのは明後日だ。

 1年前は、美由ちゃんに愛の告白をしてラブラブカップルになったのにさぁ〜。美由ちゃん、やっぱり男が好きなのね。あ〜あ、広石さんと合体しまくるんだろうなぁ……。


 アレ? いつもベッドの上に置いてあるL字型がない。美由ちゃん愛用のL字型。私をヒイヒイ言わせるときに使う秘密道具が見当たらないとは面妖な? いや、ミユちゃん男役だけどさぁ、あれは私だから入るんだよ。男の人相手に使う場所なんて……って、広石さんの処女が危ない! 広石さんがアーッ!されちゃうよ〜。


 まあ、いいや。ミユちゃんと広石さんは、疑似BLだと思うことにしよう。そっちのほうが、いろいろ捗るしね。BLだと思って割り切って楽しむよ、妄想で……。


 それにしてもヒマだ。ママにでもメールしてみよう。『ヒマ?』送信〜。

 

 ♪ビーー、ビーー、ビーー、ビブベー


 メールが返ってきた。『シンちゃんとホテルだよ〜V』。写メ送ってきたよ、ママ。

 こいつら交尾したんだーっ!! しかも現在進行形、INGだよ。裸で抱き合ってるじゃん。ママって人に見せたい系?

 あっ……私が全裸に抵抗ないのってママの遺伝だ、絶対! うわあ、おっぱい遺伝しないのに変質者だけ遺伝しているよ。ほんと、世の中は不公平だ!

 

 とりあえず返事しよう。『まだ学生なんだから、ちゃんと避妊しなよね!』送信〜。 

 そのへんは節度を持ってね、パパとママ。私が生まれるのって、もっともっと先の未来だもん。え〜と……リプロダクティブ・ヘルス/ライツ? ちょっと何言ってるかわからない。やっぱり日本語、日本語でOK。明るい家族計画。家族の未来は明るくなくっちゃ!


 ◆◇◆


「で……アオイくんは、ヒマだから来たと?」

「はい」

「だったら、見てないで発送を手伝ってほしいね」


 寮の近所の雑貨屋の2階。社長室という名の倉庫に来たら、社長が発送作業に追われていた。プリントされた注文票と宅配便の伝票を見ながら、雑貨を箱に詰めている。


 ウチの会社はセクシーパブ『ピンクシャドウ』をやっているけど、本業は輸入雑貨とか古着の販売だ。というのは表向き。売り上げ的には『ピンクシャドウ』が断トツ。ほとんどオンブにダッコだったのね。セクシーパブだけに。

 でもね……アメリカの古着とか雑貨とかオシャレなのよ。売らなきゃ、もったいないじゃん。

 だから先月末に社長とバキさんにネット通販サイトを提案したんだけど、バキさんって仕事が早い。既存システムの流用なんだろうけど、わずか2週間よ。まだ試験運用中で商品は雑貨メインなんだけど、それでも注文が届いている。


「アオイくんの意見で始めたんだ、ちょっとくらい責任を感じてほしいね」

「私、今日は休みですよ? あ、休みなんだからウチの店長を呼んで手伝ってもらったらいいじゃないですか〜。社長の身内でしょう?」

「いや……あいつは家族サービスなんだよ。クリスマスだろ?」

「私だってクリスマスですよ」


 まあ、やることないけどね。


「……わかった、臨時手当を出すから手伝ってくれ。火曜日に発送できれば年内に届くんだよ」

「いいっすよ〜。回らない寿司で手を打ちます」


 まあ、どうせヒマだからね。手伝ってあげようじゃないの。

 伝票の束を半分受け取った。


「えーと、この番号の品物をあっちの段ボールから探してきて詰めればいいんですね」

「すまんな、助かる。こんなに注文が来るなんて予想外だったよ」


 文句を言いつつ注文票を捌く。夕方には箱詰めと宅配便の伝票貼りが終わった。


「うわ、作業している間に注文が2件来ていた」

「人を増やさないとダメですよ。iモ〇ドの公式に通ったら、こんなレベルじゃないと思いますよ……」

「ああ、急ぎで求人を出すよ」


 とりあえず2件分の箱詰めをした。新規の注文がないことを確認して作業は終了。うーん…….寿司くらいじゃ割に合わなかったね。社長には貸しにしておこう。


 社長室を出て数分。西新宿の高そうな寿司店に入った。回らない寿司、久しぶりだね。絵里奈さんに連れてってもらって以来だよ。


「すまんアオイくん、明日も手伝ってくれないか?」

 カウンターに座ったら、いきなり社長が頭を下げてきた。


「……高くつきますよ」

「よろしく頼む」


 クリスマスイブイブに続いて、クリスマスイブも発送作業が決まった。二日続けて社長と二人っきりなのよ、私。

 まったくウレしくねーっ!


「えーと社長、お寿司は何を頼んでもいいですよね~?」

「……うん」


 このあと、めちゃくちゃ寿司を食べた。

 氷見の寒ブリ、黒ソイ、ぼたんエビ……食べまくったよ、マジで!


 明日は肉にしよう。シェフが目の前で焼いてくれるステーキ? 黒毛和牛しゃぶしゃぶ? クリスマスが草食女子だったのよ。せめて肉食女子に、私はなる! あ、食事的な意味でねっ……。

次回は年越しの話です。


筆者からの、お願い

みなさんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどが力になります。続きを書くためにも、どうか評価をよろしくお願いします。

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