9-1 歌は世につれ、世は歌につれ。でもアニソンは不滅
物語に登場する通信カラオケ機。当時、キャバクラやスナックに入ってました。
ただ、2001年だと、まだデンモクじゃなかったと思うのです。間違っていたらごめんなさい。
『ピンクシャドウ』のVIPルームが元々カラオケルームだって話はしたよね? カラオケルームだったからカラオケは残っていたんだけど古い機種で、使い勝手が悪かったの。
でもね、とうとう通信カラオケが入ったの。しかも、最新型のサイバー〇ムよ! これは、すごい。ほぼ令和時代の感覚で使えちゃう。デンモクがないから曲選びがちょっと面倒くさいけどね。
でね、でね、でね! このカラオケ、ちょっと早く店に行けば使えるのよ。
そりゃ、早く行くじゃん。タダなら私も歌いたい。
というわけで今、ウチの店ではカラオケブームなんだよね〜。
♪ちゃららーん、ちゃららーん……
このイントロは絵里奈さんの十八番。
絵里奈さんは『バスストップ』(1972年)が大好きだ。何歳なんだろう、絵里奈さん?
「おおぅ、絵里奈は今日も絶好調だね! 私も歌うぞ~」
舞さんは『お嫁にもらおう』(1973年)。うん……こっちも古いね。
「おう、アオイ。私らが昔の曲を歌っているのは、客の世代に合わせているだけだぞ」
「そうそう、アオイが思ってるよりも若いからな、私らは」
「はぁ……」
(いや、若くはないと思う、若くは!)
心の声が漏れていたかな?
でも、その通りだね。カラオケで歌うのも仕事のうち。お客さんが喜ぶ曲を選ばなきゃ。
「アオイもアニメの歌ばかりじゃなくて、もっとアイドルの曲とか覚えろやな」
「えーっ……アイドル?」
お姉さま方は好き勝手言ってVIPルームを去っていった。う〜ん、アイドルねぇ……。私、アニソン以外の音楽はダンス系に偏ってたからなぁ〜。
「ねえ、アオイちゃん。ダンスが得意なんだから、アイドルの曲で踊ればいいんじゃない?」
「そだね……」
「どうせだったら、なんたら娘みたいな感じで、みんなで踊ってみない? 私、プロモ持っているよ!」
なんか、聖羅がプロモーションDVDを持っているらしい。聖羅ってドルオタなの?
まあ、かわいい女の子が女性アイドル好きっていうのは、時々あるもんね。
かなり強引に押しきられてしまったけど、もうこれはヤルしかない。
あっ、聖羅とヤるって意味じゃないからね!
ちょうどいいことにカラオケには、前の機材からの流用でDVDチェンジャーがつながっている。うちの店って、変なところに予算をかけてあるなぁ……。
というわけでDVDで映像を再生。何曲か見てみた。
「うん、そんなに難しくないね」
どの曲も踊りやすい。最初からファンの人にもマネして踊ってもらえるように、覚えやすいフリつけにしているんだと思う。なんというか……さすがプロの仕事だ。
「アオイさん、どの曲がいい?」
「ダンスで選ぶなら、年末に出たディスコスティックな曲かな?」
「杏奈さんは?」
「私は3人組のヤツがいいかな? ほら、私たち3人だし」
たしかに、3人だからパートわけもピッタリ。いいんじゃないかな? まあ、誰が誰のパートをやるかはモメると思うけど。
「そういう聖羅は、どの曲がいいの?」
「やっぱり、先月出た最新曲をやってみたい」
「じゃあ、3曲やろう。だいたい覚えたし」
「「えっ?」」
まあ……覚えたとか言いながら、かなり自分アレンジで踊りやすく変えちゃったけどね。
ちょいと練習してみたら、聖羅はフリの覚えも早かった。自分でDVDを持っているだけはある。
杏奈っちは……補習だね。
「というわけで、また明日やろう」
「アオイちゃんって、マジでダンス上手。プロじゃん!」
「教え方もうまいよね」
いやあ…… ほめられるようなものじゃないッス。なんかホメられると逆に肩身が狭い。
私、中学までスクールに行ってたけど、中学の時はリモートだったから実質的には小学校までなのよ。高校は授業でしかやってないから、全然ガチ勢じゃないんだよね〜。う~ん、せめてダンス部のある高校に行っとけばよかったかなぁ~。
◆◇◆
その日の夜。バキさんが若い社員を連れて来てくれた。こっちは絵里奈さんと聖羅がヘルプに付く。となれば、もうVIPでカラオケでしょ!
「ほう……新しいカラオケでござるか?」
「うん、最新機種なんですって。バキさんも歌います?」
「ならば1曲」
♪えどの〜……
うまい、うまい、うまーい…….でも、古い。杉〇太郎だもん。時代劇だよね? バキさんらしくて好きだけど、若い社員さんが置いて行かれているよ〜。
「素敵な歌ですね。私も一曲」
あ、なんか絵里奈さんがマイクを取った。
♪ひとを……
しまった、こっちも杉〇太郎だ。
(健全な意味での)アダルト歌謡祭になっている。さらに若手社員がおいてけぼりだよ、これはいかん!
「アオイ、いっきまーす!」
♪もえあが~れ
こういう時はロボットアニメ!
男の子は、こういうのが好きなんでしょ?
というか、私は大好きだーっ! 苦情は受け付けないよ。さあ、続け若人たち。
「Vガンいきまーす!」
若手くんが続いた。スタンダップなビクトリーだ。
「じゃあ、俺はGで」
完全に流れが来た。見よ東方は燃えている!
いいよこいよ!
このあと滅茶苦茶……ガン〇ムメドレーで盛り上がったよ。
アイドルの曲もいいけど、やっぱりアニソンは最高だね!
バキさんは1971年3月生まれです。絵里奈さんの年齢は15ー5で判明します。まあ、歌のセレクトから察しはつくと思いますが……。
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