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令和のオタク女子大生が西暦2000年に転生したら借金少女だったので歌舞伎町で働きます  作者: 昼夜兼行


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8-5 ハッスルタイムは突然終わる。コピー打法の終焉

パチスロの話は今回で終わり。


『稼げなくなったら、ウチの店紹介するよ〜』

一応、伏線です。

「なんだい佐藤さん、やけに今回は額が多いね」


 西新宿の喫茶店。

 借金取りの田中さんが驚いていた。

 田中さんは毎月上旬にやってくる。今は7月。私の6月分の稼ぎから返済というわけだ。


「120万円。ずいぶん稼いだね」

「がんばりましたから……」


 70万円はパチスロの勝ち分だ。


 私が見つけた方法は是空のメンバーによって検証された。

 ゆっくりレバーを引いたまま、戻さずに少し動かす。この方法で成功率は6割くらい。これ以上の検証は進まなかった。


 それでも勝率は、ほぼ100%。

 6月は70万円も勝ってしまった。今月も10万円ちょっと勝っている。


「これで、残りは1661万5315円だ。このペースでがんばってくれ……と言いたいが、あんまり無理するなよ。だいぶ顔色がわるいぞ?」

「たしかに少し寝不足ですかね~」


 夜中まで店に出ていて、朝からパチンコ店に並ぶ。そりゃあ寝不足になるよね。

 不健康なのは百も承知。でも、借金返済のためには仕方がないよ。


「借金取りに体を心配されるのもどうかと思うが、無茶はするなよ」


 現金を確認して、田中さんは席を立った。

 私も行こう。まだ午前中だ。少しでもパチスロで稼がなくちゃ……。


 ◆◇◆


 西武新宿駅前のパチンコ店に入った。

 スロットコーナーに人だかりができている。


「立ち入り禁止!?」

 

 『獣〇』のシマが封鎖されていた。

 工事現場にあるような黄色い看板で通路を封鎖。

 立ち入り禁止と書かれたテープが貼られている。


 『ハード〇イルド』も『ネ〇de小判』も電源が落ちていた。「遊戯禁止」と張り紙されている。


 大急ぎで別のパチンコ店に走った。


「あ、沙希っぽ!」


 『獣〇』のシマの前に沙希がいた。


「アオイっちか……」

「駅前のエ〇〇スに寄ってきたんだけど、アッチも封鎖されてる」

「えっ、そっちも!?」


 パチンコ店を出ると、『是空』で一番かわいい男の子が息を切らして駆けてきた。


「あっ、いたいた……居た! 大変だよ、わかったんだ」

「何かわかったの、翔太?」


 あ、この子、翔太っていうんだ。覚えとこ。


「急に『獣〇』が封鎖された理由だよ。昨日の夜、ネット記事に出たらしいんだ。俺たちの打法が」

「まさか、私から秘密がもれた?」

「いや、アオイっちじゃないと思う。私らが見つけられるくらいだよ? 日本中で何人も見つけていると思う」

「そう……よね」

「それにしても、ネット記事とは……」


 がっくりだ。

 とぼとぼ……と、寮まで帰ったよ。

 なんともいえない脱力感。イケると思ったんだけどなぁ……。


 あ〜あ、そうだった。

 ハッスルタイムって終わるんだよね……。



「顔色が悪いわよ、葵ちゃん。どうしたのかしら?」

「ちょっとね……」


 それだけ言って、寮の玄関先で座り込んでしまった。


 あれ? なんか……めまいがする。

 ダメかな、これ?


「葵ちゃん、大丈夫?

「ダメ。歩けない」


 ベッドまで美由ちゃんの肩を借りる。急に眠くなってきた。


 ◆◇◆


 いい匂い……。

 食べ物の匂いで目が覚めた。

 眠ってしまっていたようだ。


「あっ、葵ちゃん目が覚めたね。ちょうどよかった、お粥作ったの」


 美由ちゃんが中華粥を作ってくれていた。


「よいしょ……っと」


 ベッドから起き上がる。立てるくらいには回復したみたい。なんとか歩いて食卓にたどり着けた。


「葵ちゃん、今日は仕事を休みなさいね。無理して身体を壊したら、元も子もないわよ」

「うん……」


 お粥が染みる。サムゲタンじゃ、こうはいかないね。


「私は店に行くね。葵ちゃんが休むって店長に私から言っておくから」

「ありがとう、美由ちゃん」

「いいから、ゆっくり休むのよ。じゃあ、行ってきます」


 この仕事を始めて約1年。

 体調不良で店を休むのは初めてだ。

 葵ちゃんボディの無限力を過信しちゃいけないね。


 いや、無限力はエロ要素限定か。


 なんか私って健康優良児だったから、学校休んだことないんだよね。葵ちゃんは、どうだったんだろう? やっぱり丈夫な子だったのかな?

 今度、ママに聞いてみよう。



 ピィピィ……

 

 携帯を見たら、沙希っぽからメールが届いていた。

 なになに……『新宿以外も全滅』。

 これは、もうスロットで荒稼ぎはできないね。

 本業に専念しろ……という天の啓示だと思うことにしよう。 


 沙希っぽには悪いけど、私には本業がある。

 裸一貫で出直そう。葉っぱ一枚あれば…….いや、葉っぱじゃダメよー。

 とにかーく、このスーパーデラックスなBカップで稼ぐのりゃあ!



 あっ……、そうだ。

 沙希っぽにメールしとこう。『稼げなくなったら、ウチの店紹介するよ〜』。

筆者からの、お願い


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