8-4 昼はスロット、夜はセクシーパブという二毛作?
コピー打法については当時、1回しかフラグをコピーできないと思っていた人も多いようです。
作中でも葵と沙希が試行錯誤していますが、レバーを引いたままにする手法で連続してフラグをコピーすることができました。
5月はゴールデンウイークで売り上げが落ち込んで、どうなるかと思った。
でも、結果として前月より20万円ほど多く借金を返済できたよ。
本当にスロット様様、沙希っぽ様様だ。
そして、気が付けば6月。
ぼちぼち、この時代にやってきて1年になる。
早いもんだなぁ……。
「お疲れ様、お先にー」
「お先に失礼します」
深夜1時過ぎ。『ピンクシャドウ』の営業時間が終わった。
着替えたキャストがバックヤードを出ていく。
「どうしたの葵ちゃん? ボーっとして」
美由ちゃんに心配された。
着替えもせずに突っ立っていれば、心配しちゃうよね。
「あ~、美由ちゃん。ちょっと考え事をしちゃっててさ……」
「あら? 珍しいわね、考え事なんて」
私、そんなに考えなしに見えるかな?
見えるかー。アホっぽいもんなぁ〜。
「なんかさー、借金が減らないんだよね~」
「いくら残っているのかしら?」
「次の返済で1700万円くらいになる感じ」
次の返済で11回目。2000万円の借金が1700万円ちょい。300万円しか減っていない。
毎月50万円を返済にまわして……3年10カ月。計算合ってる?
「私、23歳まで借金生活の計算だよ……」
「あら、葵ちゃんのほうが先に完済しそうね。私は残り3550万円。今のペースだと完済できるのは25歳の誕生日ごろかしら?」
わぁ……上には上がいたよ。
「美由ちゃん……」
「葵ちゃん……」
「「がんばろうねぇ~」」
抱き合って泣いちゃった。
現代の女工哀史、ああ野麦峠。
インターナショナ~ルぅ、聞け万国の労働者ぁ~♪
それにしても、このままじゃ埒が明かない。
もうちょっとスロットで稼げないかな?
店は夜7時から。
ヘアメイクや準備があるから……、5時くらいまでなら打てるかな?
よし、明日から朝イチで行ってみよう!
◆◇◆
「沙希っぽ、おっはー」
西武新宿の駅前。パチンコ店の入り口前に沙希が並んでいた。
「あぁ、アオイっち、おはよう。どうしたの朝からヤル気だして?」
「私も少し気合入れて稼ごうと思ってさぁ……」
「じゃあ、ちょっとおもしろい台があるから、打ってみる?」
「おもしろい台って、なーに?」
「えーと、詳しいことは台を確保してから話すよ。設置台数が少ないから」
開店時間になった。ゾロゾロと人が入っていく。
私も早足で沙希についていった。
「よっしゃ、取れた! アオイっちは隣を押さえて」
言われるがまま、隣の台に座った。
沙希が設置が少ないと言った通り、3台しかない。
「これよ、『ハ〇ド〇イルド』だど!」
噛んだ? 沙希っぽ噛んだ?
あ、でも、トリオザパンチの可能性もある……って、それは古い、古すぎる。
ここは、あえてスルー!
「で、沙希っぽ、この台はどうやって打つの?」
「ボーナスまではフリー打ちでOKだよ」
「りょーかい」
さっそく打ち始めたけど、当たらない。
10枚目の千円札投入。ようやく来た。
「あ、こっち来たよ、ボーナス確定」
ひょい、ひょい、ひょい……と、777がそろった。
「とりあえずボーナスを消化して」
「ほ~い」
サクサクとボーナスを消化した。うん、なんか私もこなれてきたね。
「さーて、このあと! 50%でATに突入するので、液晶画面に注目してね」
液晶画面ではルーレット演出が始まった。
あたり、はずれ、あたり、はずれ……ぐるぐる〜。
あたり。
「当たった!」
「これで150ゲームのATね。このAT中にボーナスを引くことが重要よ! AT中に引いたボーナスは一旦ストックされてAT終了後に放出される。はい、これリーチ目の表ね」
リール図柄が書かれたコピーを渡された。
「このリーチ目が出たら、あの打法を使うのよ」
「どういうこと?」
「BIGボーナスをコピーできちゃうんだよ」
「はあ? なに、そのチート」
「ヤバいって言ったでしょ、だから」
とはいっても簡単にボーナスなんて引けるハズが……って、AT20ゲームで来たよ!
「沙希っぽ、これリーチ目?」
「うん、間違いない。落ち着いてね……」
慎重にレバーを引いて……ゆっくり上に。
リールが回る。
「できたよ、またリーチ目!」
「やったね! そのまま、もう1回やってみて」
「うん……」
慎重にレバーを引いて……。
「あ、ダメだ……。失敗」
「う~ん……連続コピーのやり方は、もう少し検証が必要かな? でも、これでハイパーBIG2回で1200枚。AT完走すれば200枚にはなるから、1400枚は超えるハズよ」
1400枚。1枚20円だから2万8000円になる。1万円突っ込んだけど、全然プラスだ。
「あ、こっちもBIGきたよー」
当たりが来てなかった沙希もハイパーBIGを引いた。ルーレットも当選してAT突入だ。
私のほうはATがそろそろ終わり……と、思ったら来たよ。
「またリーチ目だよ、沙希っぽ~」
「ヒキが強いよアオイっち、慎重にね!」
「あいよー」
慎重にレバーを引いて……ゆっくり上に。
リールが回る。リーチ目で止まった。
まずは成功。問題は次だ。
レバーは引きっぱなしになっている。そのまま慎重に、ちょっとだけ動かしてみた。
リールが回る……。
「来たっ……リーチ目で止まったよ!」
「アオイっちぃぃぃ!」
「落ちついて、沙希っぽ。もう1回やってみるから……」
レバーは引きっぱなし。そのまま慎重に少しだけレバーを動かした。
リールが回って……リーチ目がそろう。
「……できた」
三度目も慎重に……リーチ目が、アレ? 失敗した。
「ちょっと加減が難しいなぁ……。沙希っぽも試してみて?」
私がやったことを沙希に説明した。
「ふ〜ん、なるほど。引いたレバーを戻さずに引きっぱなしにしておくのね」
ちょうど沙希もリーチ目を引いた。
「やってみるね。レバーを慎重に引いて、ゆっくり上に。そのまま引きっぱなしにする……できたかな?」
リールが回って……リーチ目がそろう。さらに、もう1回。リーチ目がそろった。
「できたじゃん!」
「オッケー、次も……」
リールが回って……今度はリーチ目にならなかった。
「う〜ん……失敗。ちょっとだけ動かす? 加減が難しいわね。でも、すごいよアオイっちぃ。大手柄だよ!」
またワタシ何かやっちゃいました?
まあ、それはともかく、大手柄だよ、大手柄!
これで勝つる!
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