表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/22

1-2 私は誰? ここはどこ??

 結論から言おう。私は西暦2000年の東京に転生した。


 いや、生まれ変わりではなくて、別人の身体に憑依したから、厳密には転生じゃない。


 その転生だか憑依をしちゃった相手は「佐藤葵」(さとう あおい)。ママの親友。

 つまり、ウチの仏壇に飾られていた写真の女の子だ。鏡を見せてもらったけど、間違いない。

 異世界モノの定番だコレ。亡くなった人の代わりに転生するパターン。何度も読んだ、いや、読み飽きた。でも実際に自分が当事者になってみると不安要素しかない。


 救いは顔が可愛かったこと。鼻筋はスッとして小鼻もキュッ。 顎のラインは細いけど、ほっぺは適度にふっくらしている。ちょっとアカ抜けないというか田舎臭さはあるけど、透明感のある清純派って感じ。

 なんだか……イケそうな気がする〜。


 でも身長は不安! 158㎝のママよりも高いから、女の子としては小さくないけれど、ほら私、身長170㎝だったでしょ? 急に目線が低くなったから落ち着かないのよ。


 あと、せっかくだったらボインボインに転生したかった。

 この葵ちゃんボディって、私と同じ貧乳系じゃん。

 なんか「あおい」って名前は貧乳になる呪いでもあるの? 巨乳化を所望する。転生特典使わせてくりぃ〜!


 まあ、それはともかく、私は今……絶賛「記憶喪失」ってことになっている。


 正確にいうと記憶はあるのよ。令和のキラキラしたリア充の大学生「大工原碧唯」としての記憶がね。

 えっ、ただのモテないオタク女子だって? キオクニゴザイマセン……。


 でも、でも、でも「佐藤葵」としての人生は記憶にない。

 転生モノだとバーっと記憶が頭に流れ込んだりするでしょ?

 ないのよ、そういうのが。話が違うじゃん。


 おじいちゃん先生は、私の挙動不審っぷりを見て「あー、頭強く打ったからね、記憶が混乱しちゃったんだね。よくあるよくある」みたいなノリで納得しちゃってる。

 大丈夫か平成日本の医学?


 横で半泣きになってたママも、「あおい……大丈夫、アタシが全部教えてあげるから!」って、すっかり「記憶喪失の親友を支える私」モードに突入。

 おかげで怪しまれずに済んだのはいいんだけど、そこからママに教えられた「佐藤葵の現状」が悲サン。蒙古タンメンが土下座する激辛レベルだった。


 まず、葵ちゃん母子家庭なんだけど、この母親がガチのクズ。

 男作って失踪した挙句、あろうことか娘の名前でサラ金からエグい額の借金を作りやがってた。いや、実の親だよね? 毒親レベルが限界突破しているじゃん。

 

 家賃滞納でホームレスになった葵ちゃん。「とりあえず東京行けばなんとかなるっしょ!」って、東京で学生をやってるママを頼って仙台から上京、新宿で交通事故に遭い、今に至る。


 そこへ、追い打ちをかける病院の受付。


「マイ……なんですか? マイナ保険証? そんなものないわよ」

 保険証がありません。見つけにくいものですか、カバンの中も財布の中も、探したけれど見つからないんです〜。


 現状の持ち物を整理してみた。携帯電話、ボストンバッグ。着替え数点。財布。原付の免許証。

 免許あるじゃん、免許。じゃあ、保険証もあるんじゃないの?


「すみません、この子、保険証がないんです。お母さんが持って逃げちゃったんだから」


 葵ちゃんのオカン、あかん人や。マジでクズ母! 

 ママが事情を説明したら、受付の事務員さんが完全に哀れな人を見る目になった。で、すごく申し訳なさそうに差し出してきた請求書、そこには……「50,000円」の文字。


 え、ただのコブに5万!?  ボッタクリ!?  えっ……、無保険だからってこと? 無理、無理、無理無理、払えません。1000円札しかありませーん!


 結局、診察代はママが立て替えてくれたよ。持つべきものはマトモな親だね。あっ、今は親じゃなくて友達だけど。

 なんか聞いたら、ママと葵ちゃんはご近所さんで、仲良しガールズだったらしい。えーと、ママの実家は仙台だから葵ちゃんも仙台出身になるのね。


 ママの話を総合するに、葵ちゃんママは近所でも有名なクズ親で、苦労していた葵ちゃんを、ママのお父さん&お母さんが援助してくれていたみたい。

 葵が欠食児童にならなかったのはママ一家のおかげなんだって。仙台のおじいちゃん&おばあちゃんに感謝、感謝だね! 

 無事に未来に戻れたら祖父母孝行しますんで、もっと私を助けて、ヘルプ!


 それはさておき、今の私はホームレス。ホームレス大学生よ……って、葵ちゃんは大学生じゃないからホームレス無職。すなわち、ただのホームレスだ。

 それにしてもハードすぎる。住所不定、無職、多額の借金持ち。

 どんな無理ゲーだっちゅ〜の。そこの運営、難易度設定ミスってますよー!


「葵、大丈夫? とりあえずアタシの部屋に泊まればいいから。一緒に仕事探そうよ」


 不安そうな私の顔を覗き込んでくるママ、いや唯依様とお呼びせねばっ! ああ……もうママ、あなたは神です、ああっあん〜女神さまーっ〜。


筆者からの、お願い


みなさんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどが力になります。

続きを書くためにも、どうか評価をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ