7-4 新社会人たちにセクシーの洗礼を!
『ピンクシャドウ』で働き始めて一月半。
気が付けば新年度になっていた。
最近お姉さんたちの機嫌がいい。
原因は私と美由ちゃんが連れてきた若いお客さんたちにあるそうだ。
「どうせ乳もまれるなら、若い子のほうがいいじゃん」
そうのたまったのは絵里奈さん。お姉さんたちの中でも重鎮だ。
バブル時代を経験している大ベテランだけど、年齢は29歳。永遠の29歳らしい。
『ピンクシャドウ』はセクシーパブとしては高級店。お客さんの年齢層も高かったそうだ。
「アオイとミユの客はさぁ、なんか男前ばっかりだよね。えーと、イケメンだっけ? アンタたち顔で客を選んでない?」
「そんなことありませんよ。私もアオイちゃんも借金持ちです。お客さんを選ぶ余裕なんて、とてもとても……。ねえ、アオイちゃん?」
「そだねー」
ちょっと聞いた〜? 私たちのお客さんはイケメンが多いんだって!
意識して集めたワケじゃないんだけどね。
これが人徳? 人徳ってやつ?
「まあ、いいや。でもさぁ、若いイケメンだったら私も全然ヘルプで入るから。呼んでちょうだい。チューとか、舌ベロベロ入れちゃうよ!」
「はぁ……」
なんだろう、この店の女性陣って、こんな人ばっかじゃーん!
入る店を間違えちゃったかな?
「アオイさん、予約の株式会社BAKIA様10名のご到着です」
「はーい。アオイいっきまーす!」
ふふふっ……。10人よ、10人! 新入社員を連れてくるって言ってたけど、10人よ! バキさん……いや、バキ大明神様!
あ〜りが〜たや、ありがたや~。感謝の踊りで向かっちゃうね!
「ちょっと待ったーっ! アオイ、この私をヘルプに連れていきなさい」
「あ~絵里奈さん、抜け駆けはずるいですよ、私もっ!」
「アタイも!」
「私も連れてってヨ」
もう~、この店の女性陣ってーっ!?
VIPルームのドアを開けると男祭りだった。
バキさん以外の9人は新入社員。顔で採用したのかってくらい、見た目がいい。
バキさんって美男子好き? BLだったの?
「ひゃあぁああああッ! なにこれ、フレッシュなボーイが……9人! ご褒美よ、こんなのぉ ! 」
うわぁ……すでに絵里奈さんのテンションがおかしい。もう、この人は放っておこう。
よし、気を取り直して、社長のバキさんをヨイショしとこう。
「本日は、ようこそいらっしゃいませ。みなさん初めまして、アオイです。いつも社長さんには、いっぱい……い~っぱい、かわいがっていただいてます」
ピトっと腕をとって、バキさんにしな垂れかかる。
ざわざわ……ざわざわ。
新入社員の視線が、私とバキさんを行ったり来たりしている。
今日の私はセーラー服。やすっちいコスプレ用じゃなくて、気合の入った本格仕様だ。
高校卒業から1年。清純派ルックスの葵ちゃんなら、まだまだ現役女子高生で押し通せる。
そりゃ「この社長、女子高生とナニしてんのかーっ!?」となるよね?
「みなさんも今夜は遠慮なんかしないで、おもいっきりエッチに楽しんでいってくださいね」
ざわざわ……ざわざわ……むらむら……むらむら。
よし、大成功。鎖を断ち切った。若い獣たちよ、存分に暴れなさい!
てことー……で、私はバキさんの左斜め45度の定位置へ。
「先ほどの言葉でござるが……、あれでは拙者がアオイ殿と日頃から淫らな行為に勤しんでいると、誤解されるでござる」
「いいじゃないですか誤解させておけば。新入社員さんたちだって、そっちのほうが気楽におっぱいモミモミできるから」
バキさんって変なところで生真面目じゃん。こういう時はエラい人が率先してエロい人にならないと下っ端はヤリにくいのよ。
私はいつでもオッケーウェルかめ、ゴチになります的な感じだけどね!
「なるほど……アオイ殿の言う通りかもしれませんな。しかし……」
「しかし、なんでしょう?」
「あの女性たちは激しすぎませんかな?」
「あ……」
うちの肉食系お姉さまたちが……襲っていた。
貪るようにキスをしまくる絵里奈さん。ほぼ野獣だ!
舞さんはFカップ爆乳で新入社員の顔を挟んでスリスリしていた。
希美さん、蘭さん……杏奈っちまで! ダメだ、完全にゾーンに入っている。
もう、みんなナニをしてんのよ!
「じつは……」
かくかくしかじか……。
「そうでござったか! これからは若い子も連れて来ることにしますかな」
「ありがとう、バキさん。ウチのお姉さま連中が野獣先輩で申し訳ない」
「ハハハッ……『野獣先輩』とは言い得て妙でござる。まさに肉食獣でござる」
アッー! ひょっとして、まだ野獣先輩って存在してない? そうだよ(便乗)。今後は気を付ける方向でオナシャス!
◆◇◆
「「「「本日はありがとうございました」」」」
野獣ねえさんたちがエレベーターまで、お見送り。なんというか……新入社員たちが、ぐったりしている。
これは精気をヌキヌキする妖怪のしわざに違いない。うん、妖怪「野獣おねえさん」だ。違うかぁ〜。
「次も何人か若いのを連れてくるでござるよ」
「「「「「「社長ぉぉ……」」」」」」
これも試練だ。がんばれ新入社員!
私と野獣おねえさんたちは、エレベーターの扉が閉まるまで丁寧にお辞儀をし続けた。
「アオイ、次も頼むわよ」
「若い子まわしてよね」
「次はもっとペロペロしたいわ~」
怖い……怖い、怖いぃ! 野獣おねえさん怖スギィ〜ッ!
筆者からの、お願い
みなさんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどが力になります。続きを書くためにも、どうか評価をよろしくお願いします。




