7-3 VIPルームのエロエロな使い方
キャバクラなどのVIPルームには広さ16.5㎡(約10畳)以上という規定がありますが、裏技で和室だと9.5㎡(約6畳)以上でOKなんだそうです。
時々、魔改造をされた元・和室のVIPルームがあるのは、そのせいかもしれませんね。
『ピンクシャドウ』にはVIPルームがある。セクシーパブに改装前、キャバクラだった時はカラオケルームとして使っていたらしい。
カラオケルームだったから防音完備。外に音が漏れにくい。
つまり、VIPルームの中でエロエロ過激なことをしても、外からはわからないってこと。
なんか、怖いね~。
「アオイさん、杏奈さん、VIP2番にヘルプ。おしぼりを大量に持ってって。ストック含めて多めにお願い 」
「「は~い」」
杏奈さんは私より3歳上。仲良くしてくれている先輩だ。
私と同じくらいの身長だけど、おっぱいサイズは3〜4倍ある。
絶対に肩こりしてるよ、間違いない。
VIP2番は元和室を無理やり改装した部屋で、わりと狭い。5〜6人で満席になってしまう。
コンコンと、ノックをしてドアを開ける。
「「失礼しま~す」」
うわぁ……。これは、ひどい。
両手に抱えたおしぼりを落としそうになった。完全に「事後」だ。
3人の男がソファーにひっくり返って、ぐったりしている。
「あ、おしぼりありがとう。さすがに3人なんで、おしぼり足りなくなっちゃった」
ノックアウト状態の男たちの中央で、にっこり笑顔の舞さん。なんちゃって着物を片肌脱ぎで、おっぱいドーンだよ。
誰か、この状況を説明してよ、ほわっとあーゆーどぅーいんぐ?
舞さんは笑顔のまま男の股間に顔を寄せると、指でファスナーをゆっくりとおろした。
ズボンの中に手を入れてゴソゴソ。おちん様をポロリと引き出した。
「あー、なるほどーっ!」
「うん?」
なんか、私の横で杏奈さんが納得している。どういうことなの、教えて杏奈さん!
「ほら、よく見てアオイちゃん。付けてるでしょ?」
「あぁぁ……そういうことですかぁ~」
安心してください、付けてましたよ!
アレよアレ。大人のエチケット的なアレ。
う〜ん……たしかに、予め装着していれば替えのパンツは不要だけど……。
「はい、きれいにしますね……」
舞さんは慣れた手つきで半透明の薄いゴムを外し、口を結んで脇に置く。そして私たちが持ってきた温かいおしぼりで、丁寧に拭き上げた。
う〜ん。これがOKで『ZUNDA』がダメって、ちょっと不公平な気もする。
やっているのは同じようなことなのになぁ……。
なんだか釈然としない。
お客さんたちを見送ってバックヤードに戻ったら、舞さんに話しかけられた。
「そこの棚に業務用のゴクアツがあるから、必要なら使って」
「えっ……ゴクアツ?」
「ゴムよ、ゴム。舞さんが使ってたヤツ」
私が「?」を浮かべていたら、杏奈さんが小声で横から教えてくれた。
あれ、ゴクアツって言うんだ。覚えておこう。
「アオイ、あんたの噂は聞いているわよ。仙台の一番搾りって呼ばれてたんだってね!
「へっ?」
「まだ若いのに腕が立つんだってね。いくつだっけ、あんた?」
「19です」
「み、未成年で!? なんてこと……自信なくすワぁ」
舞さんが、ふらふらと座り込んでしまった。
ちょっと、待って、私になんか変な噂が立ってません? 『仙台の一番搾り』って、ナンだと思われてるの、私?
私、男性経験まだ一人よ。全然「清純派アイドル枠」でイケるじゃん?
あ、でも、ゴクアツは何枚かもらっておこう〜。
◆◇◆
【朗報】清純派をアピールしていたら、私にもVIPの指名が入ったよ!
再び小さいほうのVIPルームへGO〜!
おおっ、すごい! 大量のおしぼりも、半透明のゴムも跡形なく片付いている。
匂いは……しないと思う。
消臭剤バンザイだね!
「本日は、ご指名ありがとうございます」
「待っていたよ、マイハニー。さあ、僕の隣に」
【悲報】残念な美形・まっくんだったよ。
黙っていたら本当に王子様なんだけどね。
「あの~、一人ですか?」
「一人だよ」
VIPルームに二人きり。かなり気まずい……あれ?
VIPルームの料金って、人数にかかわらず「一部屋いくら」で決まっているハズ。
1セット2万円か3万円だったかな?
さっきのお客さんは3人だったからともかく、まっくんは一人だよ。
まっくんって、私と同じくらいの年齢だと思うんだけど……お金持ちなの?
「高かったでしょ、VIPルーム? 」
「そうでもないよ。ほかの客の目を気にせずアオイと抱き合えるんだ。安いもんさ」
「あ、ありがとう、まっくん……」
まっくんは私を抱きながら、愛の詩や古典のフレーズを語る。
これが、なかなかキモい。
地味に身体をまさぐられながら、まっくんの愛の詩を聞かされる。どんな拷問よ!
ただ、ゲーテやツルゲーネフを諳んじているのは純粋に尊敬する。
詩なんて私は「短歌行」くらいしか諳んじられない。
『酒に対して当に歌ふべし 人生幾何ぞ たとえば朝露の如し』
なんとか拷問タイムを乗り切った。ありがとう三国志。マンガ喫茶で読み直しておくね。
エレベーターまで見送りして解散だ。
「ありがとうございました」
「また来るよ、アオイ……夢の中で会おう 」
(会いたくねーっ!)
まっくんを送って店内に戻ったら、杏奈さんが駆けよってきた。
「アオイちゃん! 今の美少年って芸能人!? めっちゃカッコいい~」
「あぁ……あの、残念なイケメンね」
「イケメン……。ああっ、アオイちゃんは、あんなイケメンとVIPルームで二人きり。イケメン汁を絞りとっているのね。うらやましーいぃ!」
いや、うらやましいなら代わってほしい。まっくんだったら、いつでも譲るよ。
というか、私のイメージが、どんどんおかしな方向に行ってない?
絞ってないし、ナニも!
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