表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
令和のオタク女子大生が西暦2000年に転生したら借金少女だったので歌舞伎町で働きます  作者: 昼夜兼行


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/57

6-5 和風セクシーパブは癒しでいやらしい

当時の歌舞伎町2丁目には、いろいろ不思議な店がありました。


 銭湯に来ているよ!

 お風呂だから、もちろん全裸、すっぽんぽん。そして隣には美由ちゃん。

 えっ、なんか同じような展開だって? 仕方ないじゃん、身体を洗いたかったんだもん。


 『ダーティ・エンジェル』はとにかく疲れた。

 口をすすぐ時間もない。

 客がペロペロなめたのに、おっぱいを拭き取る時間もない。

 もう店を出て銭湯までダッシュしたよ。12時で閉まっちゃうからね、銭湯!


「いやあ、まさか同じ銭湯に1日2回も来るとは思わなかったなぁ~」

「ごめんね、葵ちゃん。私が気になるなんて言ったばかりに……」

「気にしなくていいよ。私が行こうって決めたんだし」

「やっぱり時給5000円以上、全額日払い補償なんてムシがよすぎたかしら……」

「まあ、稼げるのは間違いないと思うよ。指名のバックも高いし」

「でも、私、慌ただしいのは苦手」

「そうだね美由ちゃん。次は、まったりした店にしよう」


 今日も美由ちゃんとズブズブしたかったけど、やめておこう。あまり外泊が続くとママに怒られちゃうもんね。

 残念だけど、銭湯を出たところでチューして解散。大人しく電車で帰ったよ。


 ◆◇◆


 さて、さて、さて、次の体験入店先を見つけてきたよ。

 美由ちゃんの希望を容れた、まったり系の店だ。

 和風セクシーパブ『イクっのほそみち』!

 ホント、この業界ってダジャレが多いよね。



「おっかしいなぁ、このへんなんだけど?」


 電話で聞いた店の場所は新宿区歌舞伎町2丁目。

 歌舞伎町は花道通りを境に、靖国通り側が1丁目、職安通り側が2丁目になっている。

 私たちが働くような夜の店は、だいたい1丁目側。

 2丁目側はホストクラブやラブホテルが多かったりする。

 だから歌舞伎町で働いている私でも、2丁目のことはよくわからない。


 そうそう……、令和の時代で大久保公園の立ちんぼが問題になってたでしょ? あのへんも歌舞伎町2丁目なんだよ。

 まあ、そのくらいカオスなのが歌舞伎町2丁目ってこと!



「あ、葵ちゃん、あそこに看板」

 格子戸に暖簾。隠れ家然とした佇まい。セクシーなお店には見えないけど『イクっのほそみち』と書かれた看板がある。 


「ねえ美由ちゃん、ここ名前が変なだけで普通の店じゃないの?」

「和食というか、割烹かしら?」


 どうしたものかと思案していると、格子戸から店員さんが出てきた。ボーイさんとか黒服じゃなく「店員」さん。紺色の作務衣なんだもん。


「体験入店のお二人ですね。そろそろ来るかと、待っていたんですよ。どうぞどうぞ」

「「はい……」」


 作務衣の人は店員というか、店長さんだった。


 店内に入ると、さらに和食の店っぽさが増す。

 靴を脱いで上がる畳敷きの半個室が10くらい。

 なんか、こういう感じの店に家族で行ったことあるなぁ……。


「ここは割烹居酒屋だったのを、そのまま居抜きで使っているんです。ほぼ全席が小上がりだったんで、それもそのまま使っています」

「まだ厨房は生きてるんですか?」

「それがもう、機材は持ってかれた後で、何も残っていませんでした。だから、こんな見た目の店ですけど、フードは全部レンチンなんです、はっはっは……」

「そうですか、寂しいですね……」


 私たちが店長の説明を聞いていると、奥のほうから和風の「なんちゃって着物」の女性がやってきた。


「体験入店の連絡くれた方ね。私は紫乃。この店のチーママ?」

「あ、あの、私の妻です。女性陣の取りまとめをしています」

「まあ、そんな感じ、よろしくね」

「「よろしくお願いします」」


 紫乃さんの説明によると、この店は常時おさわりOKで、キスあり、下半身なし。基本的には寝そべってイチャイチャするスタイルらしい。

 

 衣装は紫乃さんも着ている丈の短い「なんちゃって着物」。

 ちょっと胸元を開ければ、おっぱいポロリンってワケ。

 私は青、美由ちゃんはピンクの着物を選んだ。

 名札をつける。ひらがなで「あおい」と「みゆ」にした。


 接客シミュレーションをしているうちに、夜7時。

 オープン時間となり店内BGMが流れ出す。J-POPの琴アレンジ曲だった。

 完全に小料理屋だよ、ここ。


「あおいちゃん、三番。みゆちゃん、四番に入って」

「「は~い」」

 オープン後15分、最初のお座敷がかかった。


 30代くらいのサラリーマン二人連れだ。ヤセ型が私、ポチャが美由ちゃんに当たった。

 

「あおいでございます」

 三つ指ついてごあいさつ。別にここまでやらなくてもいいけど、こういうのはノリ! 気分って大事だもんね。  

 

 畳敷きの小あがりに、ちゃぶ台と座布団。ちゃぶ台を少し寄せれば横になり放題だ。

 あ、さっそく隣は横になっている。展開早いな!


「なんか食べる?」

「はい?」

「メニューを見たら、食べ物がいっぱいあるんだよ。夕飯まだだから、なんか食べようかと思ってさ。おススメある?」


 う〜ん、さっき全部レンチンだって言ってたしなぁ……。

 まあ、いいか。紫乃さんを呼ぼう。


「紫乃さ~ん、注文で~す!」


 ウッキウキで柴乃さんがやってきた。

 紫乃さん曰く、おススメは和風御膳弁当。もちろんレンチンなのは内緒だ。お値段4000円なり。

 たっかー、冷食なのに。


 そして朗報! ヤセ型ニキが私のぶんも頼んでくれた。場内指名まで入れてくれた。

 まだ私、なにもしてないよ。食事メニューを注文しただけ。

 なんて、いい人! ありがたや、ありがたやー、お客様は神様です。


「おまたせしました」

 作務衣の店長が注文した和風御膳弁当を持ってきた。


 それっぽい配膳盆の上に松花堂弁当みたいな六仕切りの箱。それぞれ料理が盛りつけられている。ゴマをふったご飯、お吸い物。

 なんか4000円に見えるよ!

 ヤセ型ニキは「うまいなー」って食べている。

 レンチンだって聞いてなかったら騙されちゃうね。


 私が和風御膳弁当を食べている間に、隣は選手交代。美由ちゃんがジト目で見ながら控えに戻っていったよ。お腹空いてるな、美由ちゃん。


「お弁当おいしかったよ」

「ごちそうさまでした。おいしゅうございました」


 食事のあとは休憩。弁当ニキと並んでごろ寝。太ももで小股をグリグリしといたよ。このくらいはサービス、サービスぅ~。

 弁当ニキは延長もしてくれて、9時半ごろ帰った。

 私が店の前まで送ったよ。サンキュー弁当ニキ! 


 で、控えに戻ろうとしたら、美由ちゃんがお客さんと焼うどんを食べてた。

 おねだりしたね、美由ちゃん。やっぱり、食欲モンスターなんじゃん?


 10時近くなって忙しくなってきた。

 女の子の人数が少ないんで、常にフル回転している感じだ。

 私と美由ちゃんが体験入店で増えてコレ。普段は大丈夫なんだろうか?


 1時の閉店まで、ほぼ休憩なしでの接客だった。

 まったり系のサービスなんで、そこまで疲れないけれど、忙しいことは忙しい。 

 

 

「いやあ、お疲れ様。二人とも大活躍でしたね!」

「よかったら正式にウチで働かない?」


「ありがとうございます。でも今は、まだ勉強して回っている途中ですので、お返事できません」

「そう……。でも、気が変わったら連絡してね」

「はい」


 なんとなく名残惜しげな店長夫婦をあとに、私と美由ちゃんは家路についた。


「ねえ、葵ちゃん」

「うん……?」

「冷凍食品、買って帰ろうか」

「だねぇ~」

筆者からの、お願い


みなさんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどが力になります。続きを書くためにも、どうか評価をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ