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令和のオタク女子大生が西暦2000年に転生したら借金少女だったので歌舞伎町で働きます  作者: 昼夜兼行で働け


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26ー2 ダメ人間たちのゴールデンウイーク~前編~

「この水晶、金運が上がるのよ!」

「えっ、マジ、マジ、マジ?」


 『マジカルシャドウ』のバックヤード。沙希っぽに水晶のペンダントを見せている。開運グッズ好きの店長に買わされちゃったアレよ。


「水晶と金運とは関係が強いのよ。昔から、金持ちの王様なんかが、水晶を愛用していたでしょ? 水晶を持つと金運がアップして、お金に恵まれるんだって!」

「たしかに、そうだ~っ!?」

「沙希っぽだったら、このペンダントを友達価格で譲ってあげちゃう」

「よ~し、買った!」

「待て、待て、待て、待て……沙希! ちょっと、アオイさんも止めてくださいよ!」


 あと少しのところで、翔太くんに止められちゃった。


「翔太くんは、しっかりしているね。はい、これ、翔太くんにあげるから、翔太くんから沙希っぽにプレゼントしてあげて」

「えっ……いいんですか、アオイさん?」

「うん。最初から沙希っぽに、あげようと思っていたからね」


 水晶ペンダントを翔太くんに渡した。


「えっ、いいのかアオイっち?」

「まあ、元チームメイトだからね。え~と……DQNの」

「是空(ぜくう)だよ!」


 是空は新宿を拠点にしていたパチスロ攻略集団だ。沙希っぽと翔太くんは、その元メンバーだった。一時期は、けっこうブイブイ言わせていたんだけどね……。あっ、私も短い期間だけど準構成員だった。おかげで、けっこう稼がせてもらったよ。


「お~し、アオイっち、なんか運が良くなるみたいだから、久々に打ちに行っちゃう?」

「行きたい気持ちはあるんだけど、私は昼間も仕事だからね」

「でも、さすがにゴールデンウイークは昼間の仕事も休みっすよね?」

「たしかに……」


 そうだ、そうだ……社員も増えたし、今年のゴールデンウイークは休めるんだ。お店のほうのシフトが調整できれば打ちに行く時間くらいできるじゃん!


「よし! 店長に言ってシフトを調整してもらおう」

「そうこなくっちゃ!」

「沙希っぽ、翔太くん、私……、これでDQN再結成だー!」

「「是空!」」


 ◆◇◆


 ゴールデンウイークがやってきたーっ!

 といっても、今年(2003年)は大型連休っぽくない。30日、1日、2日が平日なので、前半と後半に分散する形になっている。まあ、長いところは4月26日から5月5日までの10連休なんだけどね……。


「よっしゃー打つぞーっ!」

「勝ちましょう」

「おーっ!」


 沙希っぽ、翔太くん、私。なんとかシフトを調整して休みを作った。今日は朝からスロットを打つ。でも、その前に作戦会議だ。


「一般的にですが、ゴールデンウィークのホールは回収モードです」

「普通に打ったら勝てないと思うじゃん? でも、チャンスがあるのよ……」

「連休の狭間の平日。ここで客寄せをするんです。今日のイベントは設定が入るという情報を掴んでいます」


 翔太くんと沙希っぽがニヤリと笑う。勝算があるらしい。この二人、勝負師だもんね。

 というわけで、二人に連れられてパチンコ店に来た。歌舞伎町の中堅店だ。開店前だけど50人くらい並んでいる。並んでいるってことは信頼度が高いイベントなんだろう。期待しちゃうね。ほんと、何年かぶりに開店前から並んだよ。


「何を打つの?」

「一応、ねらい台は絞っておきました。基本はキンパルと巨人で猪木を絡めて……」

「ここはストックを消すような店じゃないから、ストック機メインでイケるっしょ」


 ストック機はボーナスに当選しても、すぐにボーナス絵柄を揃えられない。一旦ストックしておいて、条件を満たした時に放出する。そういうゲーム性の機種だ。


「設定示唆の札が刺さっているので、それを見て考えましょう」

「設定示唆?」

「アンコウ、エビ、サメ、カメ、ハリセンボン、タコ……」

「それぞれ設定6、5、4、3、2、1……かもしれない」

「かもしれない?」

「はっきりとは言わないけど、察しろってことかな?」


 そんなことを話していたら、開店時間だ。続々と店内に入っていく。私の前に50人くらいいたけど、半分以上がパチンコに流れていった。地下のスロットに行くのは20人程度。地下フロアには150台近いスロットがある。これなら余裕で台が選べそうだ。

 階段を下りて、地下のスロットフロアへ。よく見るとスロット台の上、データカウンター脇の隙間にイラスト札が刺してある。


「あれ、アンコウ、エビ、サメ。おそらく設定4かな?」

「こっちはハリセンボン、サメ、アンコウ。良くて設定4、たぶん2だよね……」

 

 沙希っぽと翔太くんは、札を見ながら台を物色している。私も打つ台を決めよう。


 あっ……これは!

 見つけてしまった。『アン〇〇〇〇〇という名のパチスロ機』だ。札には「?」とある。設定はわからない。でも私は、これを打つ。いや、打たなければならない! 私の中の闘魂が、これを打てと告げている。


「まよわず打てよ、打てばわかるさ!」 


筆者からの、お願い


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