↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
令和のオタク女子大生が西暦2000年に転生したら借金少女だったので歌舞伎町で働きます  作者: 昼夜兼行で働け


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

103/128

22ー5 寂しくないとい言ったら嘘になるけど

「これって浮気になるのかしら?」


 寮のベッドの上。裸の私を組み敷いている美由ちゃんが言った。


 今さら何を言っているのかね……。まあ、でも仕方がない。私も美由ちゃんも倫理観が壊れている。世間の基準がよくわからないのよ。

 一応、私は変人としての自覚がある。転生なのか、憑依をしちゃった未来人だからね。いくら今の時代に馴染んだとはいえ、そこは気にしている。気にしているんだよ、それなりに。


「浮気をしている自覚があるの?」

「それが……ないのよ」

「じゃあ、いいんじゃない?」


 男の人に抱かれるのと、私を抱くこと。たぶん美由ちゃんの中ではジャンルが違う。ジャンルが違うから浮気にならない。う〜ん……思考がサイコパスだ。まあ、私も同類だけどね〜。


 美由ちゃんの顔が近づいてきた。唇が重なる。

 初めてキスをしたときも、美由ちゃんからだった。私が美由ちゃんを好きな以上に、美由ちゃんは私を好きなんじゃないかと思っている。そう思いたいだけ……かもしれないけどね、私が。

 

 長い、長い口づけ。なんだかボ〜っとしてきちゃった。

 ようやく唇が離れる。


「葵……」


 私の中に美由ちゃんが入ってくる。元々は私が買ってきたL字型。それを美由ちゃんは、まるで生まれた時から生えていたかのように巧みに使う。当たり前だけど、男の人相手には、あまり役立たないスキルだと思う、たぶん。使わないよね、男性に??


「ちょ、ちょっ……と、あぁっ」


 美由ちゃんが私の両膝を抱える。そのまま深く押し入ってきた。

 ベッドの周りには段ボール箱が積まれている。あまり激しいと崩れちゃう。明日は引っ越し業者が来る予定なんだから、気を付けてよ……。

 

 ◆◇◆


 う〜ん……。


 目が覚めた。

 昨夜の美由ちゃんは、いつにも増して激しかった気がする。 


「葵ちゃん、起きたの」

「あぁ、おはよう」


 美由ちゃんは、もう着替えて準備をしていた。ジョギングでも行くようなスエットで、長い髪を後ろでしばっている。やる気まんまんだね。

 私も起きなきゃ。というか、私は仕事だ。出勤しなきゃならない。


「ごはん食べましょう」


 おいしそうな匂いがする。朝ごはんの用意ができていた。

 食卓に向かい合って座る。鶏だしの中華がゆだ。


「ねえ、葵ちゃん。お鍋や炊飯器は置いていくから、お料理してね。外食だけだと栄養が偏っちゃうわよ」

「うん……」


 美由ちゃんは栄養バランスを考えて料理を作ってくれていた。こんな仕事のわりに健康を保てたのは、美由ちゃんのおかげだと思う。本当に感謝しかない。

 これからは自分で料理しなきゃ。でも私、料理したことないのよ。大丈夫かなぁ……。


「ごちそうさまでした」

「おそまつさまでした」


 手を合わせて頭を下げる。

 約2年。一緒に暮らしていたけれど、本当に美由ちゃんは不思議な人だ。こうしている時は世話焼きのお母さんだけど、ベッドの上では私を弄ぶ性欲モンスターに豹変する。大酒飲みの大食らいでハチャメチャなのに、細かいことをコツコツするのも好きみたい。

 たぶん、一生一緒に居ても飽きない人だと思う。


「引っ越し屋さんが来るから、着替えてね」

「うん」


 段ボールの山に囲まれて出勤準備をする。

 引っ越してくるときは、お金をケチって私たちで段ボールを運んだんだっけ。今は普通に引っ越し屋さんも頼めるようになった。進歩したよ、そこだけでも。


「じゃあ、美由ちゃん。私は出勤するから」

「新居のほうが落ち着いたら連絡するね。遊びに来てよ」

「うん。連絡してね」


 目と目が合った。行ってきますのキスも、今日が最後か……。

 唇を重ねる。そのまま抱き合った。行ってきますのキスにしては濃厚すぎるけど、最後だからいいよね。


「行ってきます」

「行ってらっしゃい」


 静かにドアを閉めた。

 美由ちゃんは、来月から高円寺の古着屋の店員になる。働く場所は違うけど、同じ会社の一員だ。それなりに顔を合わせる機会はあると思う。

 今生の別れでもあるまいし、湿っぽくなるのはやめよう。


 まあ……寂しくないと言ったら嘘になるけどね。


 翼が片方なくなったみたい。片翼ねぇ……片翼の天使だよ。

 あれ? 片翼の天使? それ、強そうじゃん。なんだか闘えそうな気がしてきた。前向きにがんばるとしよう。カラ元気でも元気! 元気があれば、なんでもできる。

 元気を出して出勤だーっ! 働け私っ!!


筆者からの、お願い


みなさんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどが力になります。

続きを書くためにも、どうか評価をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。