閑話1:「彼女たちの日常」
レオンとエリザが屋敷から出発した後、ルナは屋敷の庭で静かに座っていた。
彼女は、庭にある修練場の中心で正座をしており、目を瞑って瞑想しているようだった。
(⋯⋯⋯⋯⋯⋯。)
彼女の姿勢は美しく、微動だにしない。
その小さい肩には小鳥が乗り、その膝には風に飛ばされた落ち葉が何枚か乗っている。
そんな事を全く気にしない様子で、もしくは自然と一体化しているような様相で、彼女は全く別のことを考えていた。
(⋯⋯⋯⋯⋯⋯。)
思い返すのは、レオン達が出発する時。ルナとノエルとヒルダは、一緒に行くとせがんだ。
勿論、帰ってきた答えは「だめ」の一言。
それで譲る彼女達ではなかった。だが、『僕たち三年生だけでも目立つのに、君たちが来たらとんでもないことになる』『⋯⋯もっとその容姿に自覚を持って欲しい』等様々な理由や褒め言葉を頂戴する中、それでも譲らない彼女たちはレオンの上目遣いと『⋯⋯お願い』という言葉で黙らされてしまい、二人はその隙に出発してしまったのだ。
――あんな顔でお願いされては、断れるはずもなかった。
そう思った彼女達は、渋々といった様子でレオン達を見送り、ルナは現在ここで瞑想しているのだった。
(レオン、可愛かったですね⋯⋯。)
武の、ある種の極致にいるような、その凛々しい姿からは想像がつかない程、彼女は俗っぽいことを考えていた。
(僅かに紅潮した表情。おそるおそるといった様相でこちらを見つめる上目遣い。⋯⋯あんな頼み方をされては、きっと神様でもお願いを聞いてしまうでしょう。)
彼女は、僅かに肩を動かす。だが、乗っていた小鳥が飛び立つほどではない。
(はぁ。好き。大好き。なんであんなに可愛いのでしょう。なんて美しいのでしょう。なんてかっこいいのでしょう。⋯⋯ずるいです、スケベです。あれだけ挑発されてしまっては、こちらも我慢の限界というのがあります。)
彼女の膝に乗っていた木の葉が、風に飛ばされていく。
その後も、彼女は回想していた。レオンがどれだけ美しいか。どれだけかっこいいか。どれだけ彼が寝ている時に抱きつくのを我慢しているか、ルナの胸よりも小さいレオンの顔をこの胸に閉じ込めていたいか、とか。
ルナがどれだけ我慢して、自分の劣情を抑えているかを。
(思えば、あの日が始まりでしたね⋯⋯。)
思い返すのは、彼と初めて出会った日。
――永い、とても永い夢を見ていた気がする。
目が覚めたと思ったら、目の前には金髪の三つ編みをした、少女のような少年――“レオン“が、剣を握って倒れていたのだ。
かと思えば、いつの間にか氷でできた神殿にいた自分。自分の他にも四人の少女達が、同じように周りを見渡していた。
状況を把握したであろう桃色の髪をした、包帯で目を隠している少女は、「レオン様!」と言って、一番に彼の元に駆け寄った。ずるい。
自分も、そして残りの三人も彼の元に駆け寄ろうとしたら、今度は入り口と思われる場所から何人も入ってくる俗物のような男達。
――危険だ、斬ろう。そう判断してすぐに取り掛かった。
他の三人も同じ判断をしたようだ。入ってきた俗物達は、全員物言わぬ肉塊にしてやったのだ。
正直、そこからの方が大変だった。白金の髪を持つ少女がレオンを抱っこし始め、「連れていくね!」と元気よく叫んだ後、レオンの取り合いになったのだ。もちろん、ルナも参加した。
結局、桃色の少女の圧がどんどん強くなり、レオンもかなり弱っていたことから、桃色の少女が軽く応急処置をした後、彼女がレオンを連れて行った。ずるい――
(一体、彼女達は何者なのでしょう。レオンの事を、知っているようでしたが⋯⋯。)
ルナが考えをまとめようとしていると突然、彼女はその小さい両肩を何者かに掴まれ、ガクガクと揺さぶられた。
「ルナ、ねえ、ルナってば! 起きて! 起きてよー!!」
「っ!!」
揺さぶりは収まる。
小鳥は飛び立ち、膝の木の葉は全て散り、ルナの髪はボサボサになっていた。
(い、一体、何が⋯⋯?)
揺さぶりのおかげで視点が定かではないルナは、混乱しながら考えていた。
――が、その揺さぶりはもう一度起こった。
「ねえ! ルナ! ねえってばー!!」
「ちょ、ちょっと、ノエル⋯⋯やめ⋯⋯」
「あ! やっと起きた! おはよう! ルナ!!」
二回目の揺さぶりのおかげで、全く焦点が合わないルナ。戦場では異常な強さを誇る黒い剣士を混乱させた白金の髪の少女――ノエルは続ける。
「ねえ、一緒に遊ぼうよ! レオンが居なくて暇なんだー!!」
元気をそのまま言葉にしたような勢いでノエルが切り出すと、ルナは答え始める。
「⋯⋯いや⋯⋯です」
「えー? なんでよー!!」
「いやなものは、いやです」
「いーじゃん! 鬼ごっこしようよ! 鬼ごっこ!!」
「しません」
「じゃあ、かくれんぼは?」
「やりません」
「んー⋯⋯。じゃあ、レオン探し!!」
「⋯⋯⋯⋯それなら」
何度目かの問答の後。
ルナは危うく同意しかけるが、出発するときのレオンの表情を思い出してそれを改める。
「いや、レオンに叱られてしまいます。やめましょう」
「んー、そっかぁ⋯⋯。確かに、そうかもね!!」
ノエルは、全く同じ元気な声で続ける。
「じゃあ、ルナの事、教えてよ! 何も知らないからね!!」
「ルナの事、ですか?」
ルナは、自分のことを突然聞かれ、少し考えた。
(そういえば、私は、どうなんでしょう。昔の記憶、ありませんね⋯⋯。)
ルナは自分の事を改めて思い返していた。――なぜ、あの氷の神殿にいたのか。なぜ、彼の事がレオンと分かったのか。
その場所で話していた際にも、ノエルが急に『私、レオンの将来のお嫁さんなんだよ!』とか言うものだから、きっとルナもそうなのだろう。そうに違いない。と確信していたのだ。
なぜそう思ったのかはわからないが、彼女の魂がそうだと強く叫ぶのを感じた。
(全く、思い出せませんね⋯⋯。何か、大切な事を、忘れているような⋯⋯。)
そうルナが想いに耽っていると、ルナのローブのポケットが探られている。
――ノエルが、ルナのポケットを弄っているのだ。
「⋯⋯っ! ノエル! 何をしているのですか!!」
「あっ、何か入ってる! 見せてー!!」
そう言って、ノエルはルナのポケットに入っていたものを取り出す。ルナは一手遅かった。
そうして、ノエルの手に握られていたものは、――数本の、金色の髪であった。
「ルナ? これって⋯⋯もしかして」
「っ!! 返してください!」
「レオンの⋯⋯。髪の毛だー!! レオンの匂いがするー!!」
「かっ、返してください! 私の! 大切なコレクションを!!」
「いいなー、私も欲しい! ちょっと、ベッドに行ってくるねー!!」
「なっ、あっ。ま、待ってください! 私も行きます!!」
「やった! 追いかけっこだね! どっちが先につくか、競争だね!!」
「ま、負けません!! それと、返してください!!」
そう言って、二人はレオンの寝室に向けて、駆け出して行った。
――二人が蹴り出した地面が爆ぜ、美しい庭に二つのクレーターが誕生した。
修理費がかさむ音がしたが、恋する乙女(と猛獣)の耳には届かない。
こうして、平和なはずの留守番は、いつも通りの喧騒に包まれていくのだった。
+
真紅の髪と金色の瞳を持つ少女――ヒルダは、ダイニングでティータイムを楽しんでいた。
レオンに同行することをルナ、ノエルと共に断られてしまった彼女は、この部屋で座りお茶を楽しんでいる。
――僅かに、足を揺らしながら。まるで、レオンがいなくて寂しい、とでもいうように。
「――ヒルダさん、お隣、よろしいでしょうか?」
ヒルダは不意に声をかけられた。
声の方向を向くと、そこには桃色の髪をして目に包帯を巻いている少女、シルフが淑やかにヒルダを見ていた。
「どうぞ、ご自由に」
「ふふ⋯⋯、ありがとうございます」
そういって、シルフはヒルダの横に腰掛ける。
「前から気になっていたのですが、ヒルダさんはいつも何を飲んでいるのですか?」
「紅茶よ。残り少なくなってしまったから、そろそろ補充しないとだけれど」
ヒルダは、気怠い様子で続ける。
「貴女も飲みたいのなら、準備をするけど?」
「まあ! ありがとうございます! 是非、お願いします♡」
わかったわ、とヒルダが溢すと、彼女の前に突然空間が裂けたように黒い傷のような穴が開いて、その中に手を入れる。
そこからすぐに手を出すと、手にはもう一つのティーカップがあった。
質素ではあるが、細かいところに装飾が入っており、一目で高級品と思える品物であった。
ヒルダはそれをテーブルに置き、同じくテーブルにあったティーポットで注いでいく。
注がれたのは、鮮やかな赤みのある紅茶であった。とても良い匂い。これも高級品であろうことは確かである。
ヒルダは注いだティーカップをシルフの前に置き、相変わらず気だるそうにどうぞ、と言った。
「とてもいい匂いですね。ティーカップも⋯⋯これは、ペアカップですか?」
「そうよ。レオンの為に作らせたものだけど⋯⋯。今回は、貴女で我慢するわ」
「ふふ、ありがとうございます♡」
そう言って、シルフはカップを口に近づけた。香りを楽しんだ後、飲み始める。
「! これ、とても美味しいですね!」
「ふ、そうでしょう。残り少ないのが残念だわ」
「確かに、これほどのものは、そうそう手に入らないでしょうね⋯⋯」
誇らしげなヒルダと残念そうなシルフ。二人は、一緒に紅茶を楽しんでいく。
「お仕事、見つかるといいですね」
「どうにでもなるのではないかしら。そんなに、お金というのは大切なものなの?」
「まあ、大切なものではありますね⋯⋯」
シルフは、怪訝そうにヒルダに返す。ヒルダは、お金の価値を知らないのか、と。
ヒルダにはそう言ったが、実のところシルフもそこまでは焦ってはいなかった。
お金が無くてこの屋敷を追い出されたところで、確かに豪勢で居心地は良いが、別に無くなったところで森に住めば良い。
森には、山菜や果物、川があれば魚もいるし水浴びもできる。鳥や狐、鹿などの動物だっている。
寝る場所さえ作ってしまえば、食べるには困らないし静かでいいだろう、と。
それに、レオン一人を養うくらいは最悪シルフ一人で十分にできるし、きっと他の彼女たちもついて来る。
彼がその生活を望むかはわからないが、最悪家に縛り付けて、“考えが変わるまでみんなでお世話“してあげれば、きっと考えが変わるだろう、と。
「騎士というのは、難儀なものね」
「そうですね」
シルフは苦笑いした。もしかしたら、ヒルダも同じ考えなのかもしれない。
ヒルダだけでなく他の彼女たちも、レオンの事を大切に思っている。もちろんシルフもそうだ。
彼女たちは互いの事を全く知らないが、“自分と同じ“であるならば、想いの強さは同じであるという確信がある。
だから、この奇天烈な状況でも、ある意味安心できる。彼女たちはレオンを取り合ったりはするが、彼を傷つけることは絶対にしない。
彼を絶対に守る、というのは、この危険そうな女性――ヒルダでさえそう感じるのだ。
だからこそ、彼女たちは余計な詮索をしなかった。あそこにいた人間は、全員訳ありという事なのだ。話したら、自分のことも話さなければならない。だからこそ、聞くことはできない。――絶対に。
――みんな、同じ気持ちでよかった。シルフは静かにそう思う。
「ところで、ヒルダさんは、ハーブティーはお好きですか?」
「あまり飲んだことはないわね。気にはなっているけど」
「あら! では、今度私が作りますね? きっと、気に入られると思います!」
「それは⋯⋯、楽しみにしているわ」
ヒルダは、気だるそうな雰囲気から少し期待を持った雰囲気に変わる。
「はい! せっかくですから、レオン様にもご馳走しましょう。私とっておきの⋯⋯。“媚薬入り“の、ハーブティーを♡」
「⋯⋯それは、本当に楽しみね」
二人は優雅なティータイムをしているようだったが、この瞬間に限っては、二人とも優雅とはかけ離れた、嗜虐的な笑みを浮かべていたのだった。
+
ミーナは、クロラと共に屋敷二階のバルコニーで、洗濯物を干していた。
「クロラさん、ありがとうございます! お手伝い頂いて!」
「いやぁ〜、流石にこの量は一人じゃキツいよ〜。それに、ほとんど私たちのだからねぇ〜」
クロラとミーナは、洗濯物を伸ばすように叩くと、それをどんどん物干しにかけていく。
ミーナは、正直びっくりしていた。彼女たちの団長に。
――どちらかというと人付き合いが苦手、というか自分から遠ざかっていくような人が、緊急時に助けられたとはいえ、これだけ見目麗しい方々と一緒に暮らしているというのが、あまりにも意外すぎて。
あのおとなしいレオンが、まさか女性騒ぎで退寮処分を受けて、超特例で騎士学校三年生という、本来であれば基礎教育も終えていない状況で“小騎士団“を設立して、あまつさえ初めての任務で正規騎士からの命令を無視したという噂さえ上がったのは、ミーナが知る彼の人物像とはあまりにもかけ離れていたのだ。
そんな、いつも一人でしか頑張らなかった人を、無理やり変えたのがこの人たちなのだ。
どんな人たちなのかと思って来てみれば、大層美しい少女たちで、さらにその性格までぶっ飛んでいた。
(クロラさんはシルフさんと同じで、まともそうだな⋯⋯。)
ミーナは、若干失礼な事を考えながら洗濯物を干していくと、クロラから声をかけられた。
「そういえばさぁ〜、ミーナちゃんが肩から下げてる飾緒って、レオン様とは違うよねぇ〜?」
なんでぇ〜? と聞いてくるクロラに、ミーナは答える。
「あっ、この飾緒は、学年の色によって分かれているんです。レオン団長とエリザ先輩は三年生なので、青、私は二年生なので緑なんです! 属性色で決められていて、団長たちは通称“水の学年“と呼ばれて、私の学年は“風の学年“と呼ばれています!」
「へぇ〜? 色々あるんだねぇ〜。⋯⋯その銀色の毛皮は? レオン様にはついていないようだったけど〜?」
クロラは、今度はミーナの飾緒の一つ、銀色の毛皮を模した飾緒を指差して言った。
「あっ、これは、“エレオス様の背毛“と呼ばれていて、“神聖魔法“⋯⋯つまり、光魔法の適性がある人の印なんです!」
「はぇ〜? 神聖魔法?」
「はい! 神聖魔法とは、簡単に言ってしまうと“エレオス様の力を使える奇跡の業“なんです! 私はまだ未熟なので、軽傷の手当てくらいしか、できませんが⋯⋯」
「そうなの? 治癒が出来るってこと〜? すごいじゃん! 水の回復魔法とは違うんだ〜?」
クロラは矢継ぎ早にミーナに質問していく。興味津々、といった様子で。
「水の魔法とは、結果は同じようなのですが、回復する過程が違うようです。水の魔法は、どちらかというと縫合とかに近くて、神聖魔法は本人の生きたい意志や使用者の慈悲に訴えかけて、奇跡の回復をさせるそうなんです! ⋯⋯ごめんなさい、私もここまでしかわからないんです」
少ししょんぼりしたミーナをフォローするように、クロラは返答する。
「へ〜? でも、すごいじゃん! 選ばれしもの、って感じでかっこいいねぇ〜!」
クロラは、上機嫌でミーナを褒め散らかす。
(やっぱり、よかった。クロラさんは、まともそうだ。)
ミーナはほっとした。
先ほど、下でルナとノエルが階段を駆け上っているときに、『レオンの髪の毛は私のー!』 『違います! 私のです! 全部!!』といった声が聞こえた。――それが怖くて、ミーナは声をかけられなかった。
一階で洗濯物を洗ってからも、ダイニングから『レオン様に盛る媚薬はどんなのが良いですか?』『やっぱり、全身の感覚を空気で感じる程過敏にして、限界まで発情させるものじゃないかしら』とかいう声が聞こえたのだ。――きっと、何かと聞き間違えたのだろう。
この美しい女神のような人たちは、女神のような外見で悪魔のような事を言っていた。
その点、クロラは自分のことを気にかけてくれている。高いから気をつけてね、とか、高いところは私がやるよ、とか。――とっても、優しい人だったのだ。
この人がいるなら、まだレオン様は大丈夫かな? とミーナが考えていると、クロラの動きが止まった。
どうしたのだろう? とミーナが声をかけようとすると――
「⋯⋯ぐへへへ〜! レオン様の下着、ゲットぉ〜♡」
とんでもない言葉が聞こえた気がした。
「⋯⋯く⋯⋯クロラ⋯⋯さん⋯⋯?」
「ぐへへへ〜♡ どうしたの、ミーナちゃん?」
「そ、その⋯⋯。その、手に持っているものは⋯⋯?」
これぇ〜? とクロラがミーナに見せてきた。
「ぐへへ⋯⋯、これねぇ〜、レオン様の下着! 持って帰らなきゃ♡」
「だ、ダメです!!」
「み、ミーナちゃん?」
「ダメです! 絶対にダメです!!」
そう言って、ミーナは自分でも驚くようなスピードでクロラの手から“それ“を奪い取る。
瞬間、クロラは号泣した。号泣しながら、地面に這いつくばって、ミーナの足を掴む。
「ひどいよぉ〜! ミーナちゃん! 私の宝物を返してぇ〜!!」
「ダメです! 絶対にダメです!! 少なくとも、下着は、ダメです!!」
「ひどい〜! これがないとダメなのぉ〜! 死んじゃうのぉ〜!!」
「ダメなものはダメです! 百歩譲って、上のチュニックとかにしてください!!」
ミーナもミーナで自分が何を言っているのか、よくわかっていない。
しかし、その言葉を聞いたクロラは平静を取り戻し、洗濯物から二つのチュニックを取り込んだ。
「⋯⋯ぐへへへ〜♡ おっけぇ〜だよ〜! はい! これミーナちゃんの分ね!」
「えっ? ど、どういうことですか!?」
「⋯⋯ぐへへ! ⋯⋯これで、ミーナちゃんも共犯ってこと♡」
そう言ってクロラが出してきたチュニックを、ミーナは受け取った。受け取ってしまった。
「ぐへへへ〜! 今度は、脱いだばっかのやつを狙おうねぇ〜?」
洗濯物は全て干し終わった。クロラは、レオンのチュニックに顔を埋めながら、颯爽と去っていく。
一人バルコニーに残されたミーナは、決心した。
(――レオン団長は、私がしっかり守らないと! 彼の貞操が、危ない!!)
これなら戦場の方がいくらかマシではないか? そう思いながら、ミーナは団長は必ず守る、と強く思うのであった。




