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第2話 「機動戦」

クルト(無線)

 「敵戦車を確認!!! おそらく大隊規模!」

アレクサンダー(無線)

 「何!?」

カール(無線)

 「おいどういうことだ! 2日前の航空機による偵察では中隊規模しか停車していなかったはずじゃ!!」


確かに事前ブリーフィングで見せられた航空偵察写真には中隊規模の15両ほどだった。しかし暗闇にあるシルエットは15両を超えている。約49両の戦車がこちらへ向かってくる。


クルト(無線)

 「全機! 戦車の無力化から破壊を命じる! 行動開始せよ!!! 」


事前ブリーフィングでは停車状態での履帯切除&砲の無力化が任務だったが、動いている状態だと難しくなってくる。


アレクサンダー(無線)

 「航空隊が半分を破壊してくれればラクになるのにな」


カール(無線)

 「あいにく、あいつらはダンツィヒ攻略作戦とか他の戦車部隊に回されてるから動ける近接支援戦闘機は少ないらしいぞ」


「──ポンッ!」「ポンッッ!!」「ポンッ!」と途端に多くの光と共に音が聞こえてきた。


クルト(無線)

 「敵が発砲した! 避けながら何とか敵戦車を破壊しろ!!」

他のメンバー(無線)

 「了解!」


全員が戦車部隊に向かって突撃する。


相手はポーランド軍の最新戦車とはいえ、所詮37ミリ砲の7TPだ。

相手がこっちの装甲を貫徹することは不可能だが関節部分に被弾すると話は変わる。またしても迂回しながら敵を攻撃せねばならない。


クルト(無線)

 「全力で弾を避けろ。そして砲塔を狙え」


アレクサンダー(無線)

 「クルト!! バラバラじゃあ転倒したとき危険だ!!」

クルト(無線)

 「そうだな、さっきと同じメンバーで行くぞ!」

他のメンバー(無線)

 「了解!」


 自分も出力を95%まで上げて早く敵車両の側面に回り込もうとする。距離が近くになるにつれ、敵の砲弾を弾く音も多くなる。


アレクサンダー

 「敵が関節が弱点って気付かなければ良いが…」


すると、無線から聞き覚えのある声が聞こえてくる

  

ハインリヒ(無線)

 「おまたせ!! 修理の優先順位が上がったおかげで来れた!」

クルト(無線)

 「ハインリヒ!! ちょうど良い!!」

ハインリヒ(無線)

 「急いで来たら、もう塹壕とトーチカ、火砲が破壊されてて驚いたよ」


ハインリヒはこの分隊では腕前が良い。しかし調子に乗りやすい性格のせいで直近の最終訓練で見事にゴリアテの関節を破壊した。おかげで今回の初出撃に遅れた。想定ではもっと遅れるどころか今回の戦闘には来ないはずだった。


カール(無線)

 「まったく、今度は出力上げすぎるなよ」

ハインリヒ(無線)

 「分かってるって。んじゃあの戦車たちを潰せばいいのか?」

クルト(無線)

 「そうだ、アレクサンダーはカールと組んでいる。

俺と一緒に来い」

ハインリヒ(無線)

 「了解!!」


これでやっとちゃんと2人3脚で分かれて行動できるようになった


アレクサンダー

 「ハインリヒが来たのは心強い」


自分は引き続き戦闘に集中する 

 

敵の1両が砲身をこちらに向けようとした瞬間、すでにアレクサンダーは側面へと滑り込んでいた。


アレクサンダー

 「そこだ!!」


操縦桿を強く押し込む。

左腕の3つ爪が、敵戦車を動けないように履帯を強引に切除させると、金属同士が激しく擦れる音が響く。

そのまま敵の動きを止め、右腕のハンマーを砲塔の真上から全力で振り下ろした。

「───ガゴォォォン!!!」

凄まじい衝撃音と共に、敵戦車全体が大きく凹んだ。それはもはやただのスクラップと化した。


カール(無線)

 「見事だアレックス! 1両撃破!」

アレクサンダー(無線)

 「褒めるべきはあっちだ」


クルト側はすでに7両ほど破壊してる。ハインリヒが加わったからだろうか?

何はともあれ自分たちも敵車両を破壊せねばいかない。


自分は再び3つ爪で履帯や砲身を無力化し、敵の頭上からハンマーを落とす。

我々の小隊が14両ほど破壊した後に敵は全速力で後退を始めた。


アレクサンダー(無線)

 「クルト、敵が下がり始めたっぽいぞ」

ハインリヒ(無線)

 「偉大なるドイツの前に逃げ惑え!!!」

 

クルト(無線)

 「各員、燃料は?」

ハインリヒ(無線)

 「54%だな」

アレクサンダー(無線)

 「27%」

カール(無線)

 「お〜れは、、、32%」


クルト(無線)

 「燃費が悪いな。」

 「各員、少しの間休め」


一同(無線)

 「了解」


俺は窮屈なコックピット内のシートで力を抜いた。

「27%」、激しい近接機動戦の代償は重い。射撃兵装さえあれば、これほど燃料を消費することはなかっただろうな。

ふと、スリット状のバイザーから外へ視線を向ける。

国境の森を包んでいた暗闇は、薄れてきていた。

時間は多分午前5時過ぎくらいだろか?

朝靄の向こう、東の空がうっすらと白み始めている。

だが、立ち上る黒煙と、あちこちで軽く燃えている7TP戦車の残骸が、そこが戦場であることを物語っていた。

アレクサンダー

 「始まっちまったな」

遠くからは、地鳴りのような重低音が響いてくる。

ポーランド軍の砲撃か、それとも味方の砲撃かは分からない。

しかし、分かることはただ1つ。これが戦争であることだけだ。


クルト(無線)

 「各員聞こえるか?」


アレクサンダー(無線)

 「こちらアレクサンダー、はっきり聞こえる」

カール(無線)

 「こちらカール、通信良好」

ハインリヒ(無線)

 「ハインリヒ、ばっちり聞こえる」


クルト(無線)

 「ここから北東に27kmの方に味方の仮キャンプがある。そこには補給車両もある。」

アレクサンダー(無線)

 「助かるな」

クルト(無線)

 「そうだ、そこにこれから向かう。準備できたか?」


アレクサンダー(無線)

 「もちろん」

カール(無線)

 「大丈夫だ」

ハインリヒ(無線)

 「いつでもできてるぜ」


クルト(無線)

 「よし! 全機、北東へ27km! 目標は味方の仮キャンプへ!!」

一同(無線)

 「了解!!」


自分たちはこうして味方の仮キャンプへと向かった。



──第2話、完──────第3話へ続く─────

なんか若干打ち切り漫画みたいなラストになりましたが辞める気は一切ないですw 必ず完結させます!

ちなみに今思えば第1話と第2話、第3話をセットで出せば良かったと思っています(笑)

第3話は近日中に公開いたします!

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