第二話 なぜか男性に告白されました
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静まり返った部屋に、気まずさを感じながら彼らの顔を窺うと、全員真っ赤な顔をしていた。
(あれ?どういうこと?全員、熱もあるの…?)
心配になり、彼らに近付く。
一人目は左足が包帯でぐるぐる巻きになっていた。
(熱があるのなら化膿しているかもしれない…!)
まずは、と男性の額を手でそっと触れる。
男性はビクッと反応し慌て出した。
「え!?ど、どうしたんですか急に…!」
「顔が赤いので発熱していないか確認しました」
「えっ!!それはその……」
「次は患部の足に触れてもいいですか?」
「ふふ触れる!?………あ、いや……ど、どうぞっ!!」
男性はぎゅっと目を瞑り、恥ずかしそうにした。
変な反応をされたけれど了承は得られたので、足元へ移動し包帯の上からそっと手を添える。
ぽわっ……。
小さな光が飛んだ。
足首から足の付け根にかけて手を添わせて触れる。
ぽわっ……、ぽわっ……、ぽわっ……。
小さな光が足を包んでいく。
「んっ…………」
治療している最中に場違いな男性の甘い声が響く。
その声に他の男達のギョッとした視線がミヤ達に集まる。
「おい、気色悪いぞ!!」
「だってこんな可愛い子に、太ももなんて触られたら」
男達の会話は無視して治療に集中し終わらせた。
足から手を離し、男性に確認する。
「治療終わりましたよ。足、どうですか?」
男性は真っ赤な顔をしたまま、不思議そうに足を動かす。
「あれ…?動く!!痛くない!!」
「違和感とか痛みはないですか?」
「大丈夫です!貴方どうやったんですか!?すごいですね!!」
瞳をキラキラさせて、両手を男性の両手で握り込まれた。
「次!!俺にもお願いします!!!」
向かい側から元気な声が飛んできた。
目の前の男性から両手を離してもらうと、声の方へ歩きながら答える。
「もちろんです。怪我をされたのはどこですか?」
「こっちの腕だ」
そう言って指差された右腕には包帯が巻かれていた。
だらんと力なく垂れた右腕を包帯の上から触る。
ぽわっ……、ぽわっ……。
光が右腕を包み込む。
問題なく効いているみたいだ。
包帯の箇所を触れ終わり、そっと右腕から手を離す。
「どうでしょうか。痛みはないですか?」
この男性も真っ赤な顔をして、恐る恐る右腕を動かす。
そして、みるみるうちに表情が明るくなった。
「治っている!!ありがとう、嬢ちゃん!!」
「いえ!お気になさらず。最後は……」
部屋の一番奥のベッドで横になり、顔だけをこちらに向けている男性へと近付く。
上半身に包帯が巻かれていて、一番重症に見える。
怖がらせないように適度な距離から問う。
「怪我をされた場所はどこですか?」
「せ……、背中だ。腰も……うっ………やられ、た」
苦しげに顔を歪めて言葉が吐き出された。
仰向けの状態から動けなくなっているようで、患部が下敷きになり寝ているだけで痛みを伴っていた。
「すみません。少し触れますね」
急いで男性が横たわるベッドに登り、上から男性の体を抱き込むように両手を背中に回して触れる。
「はっ?お前何して!?……うっ!……いっ…てぇ…」
「ごめんなさい。こうしないと患部に手が届かなくて、すぐ終わりますから動かないで」
ミヤの行動に慌てた男性が身じろぎ、痛みを訴える。
事情を説明すると、男性はしゅんと大人しくなった。
ぽわっ…、ぽわっ…。
背中から腰にかけて光が浮かび上がる。
痛みで歪んでいた男性の顔が、驚いた表情へと変わる。
この怪我にも特殊体質の力は効いたみたいだ。
患部の治療が終わり背中に回した腕を解こうとすると、そこで男性の腕が体に絡み付いていたことに気付く。
(男性に抱きしめられている?この状況は……?)
側から見れば、ベッドの上で男女が抱き合っている状態になっていた。
治療が終わり起き上がりたいのに、男性の腕に拘束されて動けなくなっていた。
「あ、あの…?どうかなさいましたか?」
「お前いくつだ?」
「年齢ですか?十六歳ですが……」
「まだ十六か…。お前、俺と付き合えよ!優しくするぞ」
「「「な…!!!」」」
「…………………………………は?」
男性達の慌てた声と、虚を突かれて遅れて出た間抜けな己の声が部屋に響き渡る。
(付き合う…?付き合うって………、男女のあれ!?)
なぜこの状況で告白されたのか意味がわからない。
だけど目の前にいる男性の顔は赤らんでいて、本気で言っている様な気がする。
この夢は一体何なのだろう。
よくよく見れば告白してきた男性はいわゆるイケメンの部類に入る、爽やかな顔立ちをしていた。
夢ならば付き合ってみても良いくらいだけど、なんだかこの夢は妙にリアルなところがある。
耳に届く声の響き、触れた時の肌の感触、男性達の不思議な反応……。
これは本当にーーーー、夢なの?
「おい!!抜けがけすんなよ!!俺だって嬢ちゃん気になってるんだ!大体こんなむさ苦しいところに居たら出会いなんてねぇし、嬢ちゃん逃したら俺は一生独身な気がするぜ……」
「待て!!俺だって気になっている!!!」
「ぼ、僕も彼女が好きです!!」
「はぁ!?お前ら女になんて興味なかっただろうが!どうしていきなり全員で俺の邪魔をするんだよ!」
「「「好きだからだ!!」」」
男性達が繰り広げる会話に、心の中でパニックとなる。
(この展開は…!?妄想が夢にまで現れてきた!?)




