ギルド
俺とシフォンとハル、それにユグドラシルじいちゃんは、俺が捕まえた元白銀級の勇者の使い手のオリバーとアドリアを連れて、黄金都市ユグシルヘと戻ってきていた。
魔都ミリハイムからは数百キロ離れた場所だが、じいちゃんの転移門のおかげで移動もあっという間だ。
作り方も聞いたし、一度に十人程度の通れる簡易的な転移門の作成も出来るようになった♪
これでいつでもミリハイムに戻ることが可能だ。
「ここで、ワシらは別れるとしようかの」
「そうですか、寂しいですね」
「まぁ、こやつらに武器をつくってやって一息ついたら遊びに来るかもしれんがな」
「大歓迎しますよ」
こうして、黄金都市ユグシルの入り口で、俺たちはユグドラシルじいちゃんたちと別れた。
あとに残ったのは、俺とシフォンと実体化出来るようになったハルのみ。
「それじゃ、少し周りで獲物でも狩って、換金したら街を見て回るとするか」
「賛成~♪ またあのおばさんとこの串焼き食べたい♪」
「イヤー、体が出来たら何ができるのか、ワクワクしますね♪」
シフォンもハルも楽しそうにしてくれている。
とくにハルは実体を持てるようになって、初めての大都市だし楽しくてしょうがないのだろう。
俺も楽しみでしょうがない。
だが、本当に楽しむには先立つものが必要だ。
俺たちは全国共通ギルドにいく。
とりあえず、受付のお姉さんとこに行く。
「こんにちは♪」
「こんにちは、買い取りをお願いしたいんですけどどこに行けばいいですか?」
「買い取りは奥の倉庫前になります」
「ありがとうございます」
俺たちが奥にいくと、厳ついおっさんが出迎えてくれた。
担当の人みたいだ。
「おう、坊主たち見学者か?」
「いえ、買い取りをお願いしたいんですけど?」
「ほう、坊主たち冒険者なのか。まぁ確かに登録料の金と腕さえあれば、年齢はそこまで重要じゃないからな。それで今日は何を売るんだ?」
「そうですね」
俺は、亜空間に入れていた狩りの獲物とかを出していく。
猪や熊みたいなものだったり、野鳥。
野草や果物。
試作してみた麦味噌などの調味料。
「坊主、歳のわりにいい腕しているじゃないか。とくにこの変わった調味料は、食に飽きた金持ち連中にいい値段で売れそうだぞ♪」
おっさんは褒めてくれてはいるが、あまり驚いているという感じではない。このくらいの量を持ち込むのは大勢いるのだろう。
そういえば、獲物といえばあれはどうなんだろうか?
一応、動物に分類されるらしいし。
聞いてみよう。
「あの~、生け捕りにしたやつもあるんですけど、それも査定してもらえるんですか?」
「おう、珍しい種類の動物なら、ペットにしたいって物好きも結構いるからな。見せてみろ」
「見せるって、ここでですか?」
「他にどこで見せるっていうんだ」
「本当にいいんですね?」
「なんだ? 勿体ぶるな。何かあっても俺がすべて責任をとるから大丈夫だ!」
そこまでいうなら。
この倉庫前の空間は、いろんなものを持ち込む奴がいるから体育館くらいの広さはある。
このくらいの広さがあれば行けるのか?
まぁ、おっちゃんがいいといってるし。
「出てこい」
俺が亜空間から地竜を呼び出す。
適当に亜空間に入れた獲物を食べさせていたおかげか、いつの間にか俺にチョッピリなついてしまった。
言うことを何でも聞くというわけではないが、腹さえ一杯なら人を襲ったりしないようになった。
地竜は、今もふせの状態でこっちの様子を窺っている。
いい子だ。
そんないい子に周りの反応は。
「何で、地竜が!」
「地竜! 本当だ。ギャァァ」
「誰か、冒険者を呼べぇー……って、俺も冒険者じゃん!」
おっちゃんの言葉をきっかけに、悲鳴がこだました。
ほら、やっぱり、こうなったじゃん!
地竜は普通の冒険者にはもて余す獲物らしい。
結局、地竜はすぐにまた亜空間に戻ってもらった。
値段は決められないとのことだったが、試しに鱗を一枚提供したら、小金貨二枚で引き取ってくれた。
マジか!
小金貨といったら小銅貨に換算すると一万枚。
シフォンが楽しみにしている串焼きは一本小銅貨一枚。
腹一杯食わしても尚有り余る額だ。
他の獲物の買い取り額は小銀貨一枚というとこだった。
とりあえず、これで俺たちは無一文ではなくなった♪




