日常への来訪者
俺は自室のドアを開ける。
自分の帰りを待っていてくれる存在っていうのは素直に嬉しい。
お帰りなさいなんて言われたら、明日の労働への活力も湧いてくるってもんだ!
それを言ってくれるのが美少女ともなれば尚更だろう。
俺は中にいるはずの少女に対して声をかける。
「ただいま」
「遅い!」
返ってきたのは、お帰りなさいという温かい言葉ではなく、叱責だった。
異世界から来た魔導師の少女シフォンは、玄関に仁王立ちでご立腹している。
今日1日頑張ってきた俺に対し、なかなかひどい仕打ちなんじゃないかと考えなくもない。
だが、俺とシフォンの主である魔王少女ミリーは、シフォンの1人での外出を禁止している。
外で面倒を起こされたら大変だからだ。
今日は珍しくバイトが少し長引いてしまい、1人だけ生身のため部屋で留守番のシフォンは暇だったらしい。
「せっかく、新しい魔導も考えたっていうのに、あんたがいないと試せないじゃない!」
「ハイハイ、あとで相手してやるよ」
まぁ、魔導のイメージトレーニングと称して、ハルに録画させていたアニメでインスピレーションを刺激していたので、新しい発想を思いつき試したかったってのもあったのかもしれない。
あとで、いつもの海岸でストレスを発散させてやろう。
俺の体に共同生活している魔王少女ミリーと変態勇者ハルは精神体となり、録画アニメを観るためテレビの前を陣取っている。
そんな主人たちを横目に、シフォンは俺に近寄ってきた。
「お腹すいた……」
シフォンが俺の服の後ろを引っ張るしぐさは可愛い!
ロリ属性のない俺でもギュっと抱き締めたくなる。いや、そう思う時点で、充分ロリ属性を持っているのかもしれない。
この事には触れないことが懸命な判断だろう。
「とりあえず、今から飯の準備をするから、これでも食っとけ」
近所のスーパーで買ってきたアイスをシフォンに投げ渡す。
「!……ありがとう♪」
さっきまでの怒りは何処へやら。
シフォンはすっかりご機嫌だ。
アイス1個で80円。たまにくらいならいいだろう。
なんだかんだ言って、1人にしてしまっている罪悪感があり、シフォンに甘い俺である。
さてと、夕飯の準備に取りかかりますか。
まずはコンロに火をつける。
丁度その時だ。
ピンポーン。
玄関のインターフォンがなる。
「はーい」
俺が、ほいほいと出ようとしたところで、頭の中に警報音のような音が響いた。
<おい! 今すぐ、シフォンを連れて、いつもの海岸まで連続転移で跳べ!>
《兄貴、早く!》
「どうしたんだ?」
初めて、ミリーとハルが焦っているのを見た気がする。
それだけの事態が起ころうとしているのかもしれない。
「シフォン!」
「わかってる」
こういう時のシフォンの反応は素早い。
声をかけようとした時点で、もうすでに俺の腰に掴まっている。
俺は、コンロの火を消すと、シフォンの体の柔らかさを堪能するまもなく、テレポートを開始する。
(テレポート)
今の俺のテレポート限界距離は70メートル程。1回目のテレポート着地地点の住宅街から俺はツヅレ荘のほうを振り返る。
すると、激しい爆音とともに火の手が上がった。
「いったい、何が起こっているんだ?」
<休むな! ここを戦場にしたいのか!>
ミリーの激が飛ぶ。
周りの家からは、子どもの声も聞こえる。
平和を疑っていないそんないつもの生活をしているのだろう。
「いこう」
「ああ」
急いだ方がいい。
俺の平和な日本で育ったため、イマイチ頼りない危機感もそういっている。
俺は全力でテレポートを再開した。
ボチボチ現代から異世界に進出していけたらなぁと思います。
主人公が異世界に行く前に、今までの投稿分も随時変更加筆しなきゃかなぁ。あくまでもご都合主義ですが、読んでくれるかたがいましたら嬉しいです。
未だに機能をよくわかってない上に乱文で申し訳ありません。




