5 医療戦争
マリエールはアレンと組んでフィールの治療を行った。救急外来は戦場だ。マリエールはエリアフィールに切り替えた。
5 医療戦争
マリエールとアレンは一組なって対応する。あちらこちらから声がかかる。アレンが中心になって消毒してマリエールが回復魔法を掛ける。あっという間に回復する。歓声が上がる。アレンが消毒した患者に回復魔法を掛けるようになった。順調だ。比較的に軽症の者がこちらに回されているようだ。回復魔法で治療した患者は看護士が病室に運んで行く。また新たな患者が入室して来る。患者は減らない。外で待っている者が多いのだろう。
医師達の疲れが目立つ。マリエールに回される患者が増えた。看護士に自分が担当する分の患者を集めて貰った。消毒も終わったところで、
「エリアフィール」
と唱えた。アレンも看護士達も医師達もマリエールの考えを理解した。消毒して患者達をマリエールの回り集める。適度な人数になると医師が合図する。
「マリエール、エリアフィールを頼む。」
マリエールは、
「エリアフィール」
と唱える。
何回繰り返したか判らなくなってきた。深夜になっても患者は途切れない。喧騒の中でマリエールの回りだけが静かだ。ただ流石にエリアフィールの連続使用はマリエールでも負担が大きい。詠唱を混ぜてみよう。
「天にまします我らが父よ。願わくば負傷者に癒しを与えたまえ。エリアフィール。」
明け方には半数以上の医師や看護士が休憩に入った。患者が減ってきた。比較的軽症の患者に声を掛けた。
「戦況はどうですか。」
幼い少女に声を掛けられ驚いた様子だが、
「20頭いたオーガが10頭まで減った。領軍まで来てくれたから多分もう大丈夫だろう。」
というしっかりした声で言った。患者は、
「あんたのエリアフィールで助かったよ。ありがとう。」
患者の感謝の言葉が、マリエールに力を与えてくれた。
負傷者が再び増え出した。兵隊の姿をした患者も混じっている。領の軍人だろう。マリエールは力を振り絞って治療に当たった。詠唱を伴ったエリアフィールを繰り返した。しかし何回目かのエリアフィールが終わった時、身体がふらついた。アレンが支えてくれた。
「無理は禁物だよ。きみが倒れたら大勢の人々が困る。少し休憩しなさい。」
看護士が女性患者用のベットに案内してくれた。マリエールは緊張が解れると崩れるように眠りついた。
気付くと夕方だった。マリエールは再び救急外来室でエリアフィールでの治療を再開した。始めは詠唱なしで疲れが出ると詠唱付きで誰かが言ってくれる。
「マリエール、そろそろ休憩した方がいいぞ。」
贖わう事なくその言葉に従う。
何回繰り返しただろう。永遠に続くかと思ったその時。
「最後オーガが倒されたぞ。」
と連絡があった。なお途切れる事なく患者は続く。それでも次第に患者の数は減ってエリアフィールでなく、普通のフィールでいいと言われた。
やがてそれも終了する日が来た。外科部長からマリエールとアレンは呼び出された。
「研修で来て貰ったきみ達を今回の事に巻き込んで申し訳無かった。そして感謝する。ありがとう。きみ達のお陰で助かった。」
マリエール達の研修は漸く始まった。
エリアフィールの連続で流石のマリエールも体力魔力の限界にきた。エリアフィールを放った後ふらついた。




