修羅場
おバカな蓮くんから奢ってもらったジュースを堪能しながら、歩いて帰っていると、理生がわたしの家の前でウロウロしていた。
「理生…?」
わたしの声に気づいた理生は、わたしに心配そうな眼差しを向けてきた。
「みくる、その…なんか、大丈夫か?」
たぶん嘘告されて落ち込んでいるんじゃないかって、心配してくれているんだと思う。
理生…
久しぶりに間近でみる理生は、わたしよりも全然背が高くて、なんだかとっても男の人って感じだった。
「わたし、強くなったの。だからね、大丈夫。みててよ、わたしの新しい、新みくるを」
理生は、なんだかよくわからないけど、わたしを応援してくれると言って、背中を押してくれた。
さてと、やることがたくさんだ!
蓮くんのおかげで、わたしは大忙しの夜を過ごした。
そして、次の日…
わたしが教室に入ると、皆がざわついた。
え、転校生?
って言っている人もいる。
ふふ
朝イチ、蓮くんをみつけて微笑んだ。
「あ、おはよう。わたしのれーんくん♡」
わざと大声で言ってやった。
すると案の定、蓮くんのホンカノのミソノさんが蓮くんのところへ一直線。
あーあ、修羅場よ。
でも、わたしはそんなことどうでもいい。
ぶっちゃけ、自分からわたしにふっかけてきたんだものね。
修羅場の二人を気にすることなく、クラスの人気者となったわたしは、一斉に皆に取り囲まれた。
なぜぼっちからの人気者になったかというと、もちろんイメチェンだ。
まず、放課後あれから美容院へ行って、前髪をばっさりしてもらった。
今までは、前髪カーテンをしていたの。
そうすれば、みんな近寄りがたいでしょ?
しめられたカーテンを、わざわざあける人っていないものよね。
でも、カーテンをオープンにすることによって、自分の見晴らしが、こんなにも違うのかと正直…驚いている。
メイクは、昨日姉に教わった。
スカートの上げ方や、制服のきかたまで。
ボタンひとつ外すのも、襟を少し広げるのも、こんな少しの手間で、そんなにもかわりますか?ってくらい、大違いでかわるものなのだと、びっくりの連続だ。
まあ、陽キャ軍団にしてみたら、こんなの日常的にやってますけどね?って感じだけど、わたしがやったことによって、皆驚いてくれたのだ。
しばらくすると、蓮くんとミソノさんがこちらにやってきた。
そして、腕組みして仁王立ちのミソノさんがわたしに、
「あんた、人の彼氏を自分の彼氏みたいに言うのやめてくれない?彼女は、わたしだから」
と、息巻いた。
「へぇ、でもミソノさんって彼氏二人もいるんだぁ?この前みたよ?先輩と腕組んで歩いてるの。あれは、おにいさん?」
「えっ、あー…う、うん。あに…だけど?」
「えー、そうなんですねぇ、先輩」
慌てて振り向くミソノさんは、とても驚いた顔をしていらっしゃいました。
蓮くんももちろん驚いているみたい。
「は?ミソノ…二股してたのかよ⁉︎なら、オレたち終わりだな。てか、オレにはみくるがいるからさよならだ。」
「そ、それは…あんたこそ、人を責める資格ないじゃん‼︎もういいよ、わたし先輩と付き合うし。ねぇ、先輩?」
先輩とやらは、
「いや、ごめん。ムリだわ」
と、手をひらひらさせて行ってしまった。
先輩には、悪いけど浮気女の本性が早くわかってよかったのじゃないかな。
先輩が立ち去った後、ミソノさんが、わたしをすごい顔で睨んできた。
そして、
「あんたのせいだから‼︎どうしてくれるのよ‼︎責任とりなさいよね‼︎」
と、怒りまくっていた。
ふふんと微笑み、わたしはミソノさんに言ってやったの。
「一人をきちんと愛せないなら、そもそも誰もあなたにちゃんと向き合ってくれないんじゃない?」
って。
「はあ?そもそも、人の彼氏奪ったあんたに言われたくないんですけど?責任、とりなさいよね」
…
「責任ねぇ、…わかりました。ミソノさん、わたしと付き合いましょう」
⁉︎
そこにいた皆が驚いた顔をした。
もちろんミソノさんもね。
続く。




