おバカな蓮くん
オレには、みくるという幼馴染がいる。
昔は、よく一緒に遊んでいたが、高校生の今はただの同級生。
同じ学校なのだけれど、ほぼほぼ会話なし。
なんなら、目も合わない。
というか、目を合わせてももらえない。
いつの日からか、オレは嫌われた。
自分がなにをどうしたのかは、わからない。
ただとにかく、避けられているのは、間違いない。
そんなある日友達の蓮が、廊下を歩いていたみくるをみて、
「あいつって暗いよな」
と言いながらニヤついた。
それを聞いた他の友達もニヤついていた。
そして、蓮がいきなりとんでもないことを言い出した。
「おれ、みくるゲットしてくるわー」
と、笑ったのだ。
⭐︎ ⭐︎ ⭐︎
わたしの名前は、みくる。
基本わたしは、ひとりでいる時間が好き。
でも、ほんとは…
…
昔は、よく幼馴染の理生と一緒に遊んでいた。
だけど理生は、どちらかといえば陽キャだ。
だから、なんか…こんなわたしと一緒にいたらいけない気がして、そのうち意図的に避けるようになってしまっていた。
同じ学校だけど、もう他人同様だ。
理生は、わたしのこと幼馴染だってことすら、友達にバレたくないんじゃないかな。
…
そんなある日、クラスの人気者の蓮くんが、放課後話があるって話しかけてきた。
なんだろう?
わたしに用事なんて珍しいなって、少しソワソワした。
なんなら、蓮くんの友達も少し離れたところから、ニヤニヤしていた。
でも…理生だけが真顔だったの。
どうしてだろう?
理生は、こんなわたしに呆れているのかもしれない。
あんなやつ、別の高校行けばいいのにって、内心思っているのかもしれない。
なんでわたしたちは、同じ高校なのだろう。
かわりたいな。
理生みたいに、明るく…楽しく…エンジョイしたいけど…
なかなか、どうしたらいいか…
そんな時、チャンスが巡ってきたの。
そのチャンスをくれたのは、蓮くんだった。
放課後に呼び出されて、わたしを好きって言ってくれた。
それがすごく嬉しくて、すぐさまオーケーした。
「わたしでよければ」
と。
しかし、その後すぐに
「ウソだよ、ばーか」
って言われたけど、わたしはそんなことお構いなしだった。
蓮くんは、わたしの表情を伺っているみたいだったから、わたしはにっこりして携帯を掲げた。
そして再生ボタンをポチり。
「この度、わたくし蓮はみくるさんに恋をいたしました。好きです。付き合ってください」
「ふふ、録音いたしましたよ?今日からよろしくお願いしますね、彼氏の蓮くん」
蓮くんは、ギョッとした顔をした。
そして、コソコソ隠れていた蓮くんの友達も、顔を見合わせて戸惑っていた。
理生は、いなかったみたい。
「コソコソ隠れているお友達おもいのみなさんが承認ですねー。とりあえず彼氏の蓮くん、わたしのどがかわいたなぁ」
…
「は?そんなの知らねーよ」
「あらあ?じゃあ、あなたの彼女のミソノさんにこれを今すぐ携帯で…」
「バカ、やめろよ。わかったよ…買います‼︎買えばいいんだろ‼︎」
半ばヤケクソの蓮くん。
渋々、ジュースを買ってきてくれた。
「わぁ、蓮くんよくわたしの好み知ってるねぇ。ありがとう」
と、わざとらしく喜んだ。
でも、これはミソノさんの好物なのよねえ。
いっつもこれ飲んでるものねぇ。
蓮くんって、おバカさん♡
続く。




