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明後日は死ぬ。  作者: 彼方夢
第一章 ガーターベルト殺人事件

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病弱少女

 翌日。

 成宮高校の校舎裏で棒キャンディを食べていた俺は、青い天井を見つめていた。

 だがキャンディじゃあ飽き足らず腹の虫が鳴ったので、早弁をすることにした。弁当箱を開け、卵焼きを口に入れる。

 甘辛い味を堪能しつつ、白米をかきこむ。


「あれ? なにしているの?」

「早弁」

「見れば分かる」


 少し苛々とした。そんな言葉を俺に投げかけたのはどこのどいつだろうと思い、見遣るとそこにはショートカットのいかにも病弱そうな女の子が立っている。

 石段で俺の横に座り、大きめのカーディガンをさらに強く羽織った。


「お前、名前は?」

「緑羽(うるは)って言います」

「いいのか? 緑さんは授業に行かなくて」

「麗でいいよ」

 俺は咳払いをし、そのあとも彼女の顔をなるべく見ないように言う。

「えっと……麗さん。授業が嫌なのか?」

「あんまり好きじゃないかな……あっ、そうだ」

 すると頬に感触があった。指の腹で押されたのだ。唐突になんだ? 心臓が破裂しそうなほど鼓動が早まったのだが。

「君、あんまり女慣れしてないでしょ。可愛いな」

 すると彼女は立ち上がり、次は弁当箱から卵焼きを盗んで頬張った。

「美味しい」

 髪をなびかせながら去っていく。俺は呆ける。

「なんだったのか……」



「えーウける~」


 スイーツパラダイスでのギャル同士での会話。その三人の視線は甘いスイーツではなく悲しいかな、スマホだ。


「そういえば最近、変態が事件を起こしているそうだよ」

「いつだって犯罪をする奴は変態だって」

「そりゃあそうか!」


 三人は大笑いする。それからカスタードプリンを掬って頬張った。あ、これ案外いけるかもなんて思いつつネットニュースの概要を読み込んでいく。


「どうやらさ」

「まだ続けんの? 物好きだね」

「いいから。なんと、犯人はガーターベルトを着用した女性だけを狙うのだ、って。ねえ、実は少し考えがあるのだけど――」

「なに? はあ⁉ うちらもガーターベルト付けて犯人おびき出して捕まえるって? ありゃああれだわ。お前も愉快犯だわ」

「言い得て妙」

「なにそれ?」

「ママから聞いた。よくママは携帯小説書いていてその頃の知識を教えてくれる」

「それは良いママだ。で、どうするの? やるの? やらないの?」

「やらないって言ったら?」

「……私一人でもやる……」

「意固地だなあ」

 


 



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