表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明後日は死ぬ。  作者: 彼方夢
第三章 死刑台のメロディー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/39

処刑

 また連中から連絡が寄越された。


「なんだ?」


「俺らの縄張り(シマ)に姫島がいるぞ」


「はぁ? お前らなに考えてんだ?」


「総務省の連中の首を挿げ替えることが出来なかった。だからこれはその見せしめだ」


「……どこに向かえばいい?」


高尾山たかおさんに来い」


 通話が切れた。溜息を吐いて外に出た。まず腹ごしらえをしたかった。そうして、なんとか気分を安定したかった。ついでにラインで友樹を一蘭に誘った。


 そして行列に並んでいると「よお」と声を掛けられる。友樹である。


「待ったか?」


「まぁな。ほら、そろそろ列が動くぞ」


 友樹と俺は席に座り、札を出す。するとラーメンが届いたので豪快に麵を啜る。


「新宿でナチュラルが動いているらしい。お前を、嗅ぎまわっているそうだ」


「分かっている」


「――そっか。気を付けろよ。お前は事件を追いかける習性があるからな」


「そんな人を動物みたいに」


「人間も動物みたいなもんだろ」


「まぁ、たしかに」


 麵を啜り終えた俺たちは店から出て、物言わず八王子へと歩き出した。


「頼んだぞ」と友樹に言い残して。




 高尾山の山小屋で姫島さんはナチュラルに捕まっていた。椅子に縛られ、頭巾も被せられている。なおかつ暴行も受けていたのか負傷している。


 山小屋の空気も陰湿だ。害虫が飛んでいる。


 匂いも異様だった。


「よぉ。クソガキ。ラブホの一件ではお世話になったな」


「俺らの稼ぎを潰してくれやがって」


 残党と言われるナチュラルは五人ほど。そいつらがじりじりと近付いてくる。

そして始まった。処刑の時間が。


 俺は奴らに袋にされた。横腹を執拗に蹴られ、痛みと恐怖から失禁もしてしまった。


 嘲笑が残響する。


 悔しかった。とにかく悔しかった。


 俺は歯軋りをしながらゆっくりと立ち上がる。殴られても。また立ち上がる。


「俺は負けねぇぞ」


 平和を享受することを選べる世の中にしたいのなら、まずこの“害獣”を駆除しないといけない。


 一発。相手の右顔を殴られた。


「てめぇ、なにしてくれるんだ」


「こいつ、殺しちまうか?」


 大柄な男に俺の顔面は拘って殴られた。どう人間を「壊す」のに効率がいいのか、きっと計算された殴り方なのだろう。


 血反吐を吐いてしまい、床に伏す。


 もう嫌だ。なんで俺がこんな目に遇わなければいけないのだ。


 するとナチュラルのひとりが電話をし出した。


「なに?」


 俺を睨みつける。


「大釜さんが? 分かった。すぐに行く。聡仁会にも話付けとけ」


 ナチュラルの連中がぞろぞろと山小屋から出ていく。


「おい、誰かいるぞ!」


 登山者に見つけられて俺はホッとした気持ちになる。


「ありがとうな。友樹」


 意識が途切れる――


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ