紐解かれつつある事件。
藩屋では丁場賭博が執り行われていた。
総務省の面々が日本酒のお猪口片手に盛り上がっている。
「あの爺さん。しっかり書いてくれましたよ。あの、なんだっけ、くだらねえ本」
「おいおい、頼んでおいてそりゃあ無いでしょう。まぁかく言っても、あの人は“終わった作家”なんでね」
賭博場で笑い声が響く。
舞子は優雅に踊りながら扇子が舞う。
「あのテログループの所在、どうしますか?」
「なんだっけ? ナチュラルの残党だっけ? こちらの足がつかないようにバラシとかないと」
「その手筈で進めさせていただきます」
すると総務省事務次官の和田峰は舞子からの手尺に応じる。
事務次官とは役人の中でのトップである。そのため、この丁場賭博でも最高級の舞子が付いているのだ。
「お役人さんは凄いわ。なんでも決められるんでしょ」
「そうだな」
「……あとで遊女をお付けになられますか?」
「そうしてくれ。俺は賭け事よりもそっちのほうが性に合うよ」
「おかっしいわね」
「どうかしたんですか?」
麗美と後輩の北岡が刑事課で残業をしていた。
「引っ張ってきた半グレ崩れが、よく分からない供述をしているのよ」
「どんな?」
「俺は運んでいない。俺は運んでいないという言葉の一点張り。尿検査をしたけれども陰性だった。なにか精神疾患が……」
「……その半グレ崩れ、過去にどんなグループに?」
「ナチュラルなのよ」
「運んでいない……なにかの薬とか?」
「分からない。でもね、一応こいつの移動歴を調べたの。直近一か月の」
「それで?」
「中部地方にいたのよ」
「……偶然ですかね?」
「そう信じたいんだけど……なにかきな臭いのよ」
「俺、課長に伺い立てず独自に動いてみます」
「ありがとう。恩に着るわ」




