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明後日は死ぬ。  作者: 彼方夢
第三章 死刑台のメロディー

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すべての事実

「えー、今回の爆破テロに関係先であるJERA所長の声明としましては――」


 俺は先ほどから連絡を“連中”にしているのだが一向に繋がらない。

 ネットの情報では、すでに中部地方の警察も総力を挙げて姫島聡「容疑者」を捕まえにかかるそうだ。だがあくまで姫島さんの本籍地もある警視庁が捜査本部を置くらしい。

 麗美に連絡をかけた。


「どうしたの?」

「ひとつ教えてほしい」

「駄目よ。どうせ姫島のことでしょ。いい? 彼の情報はすべて捜査情報だわ。極秘なの」

「前のラブホでの囮捜査。俺はあのとき十七歳だった。未成年を使ってラブホテルでのねずみ作戦はいかがなものなんでしょうね」

「……女を手なずけるのが上手くなったね」

「で、警察は、姫島ではなく別の人物の犯行ではないか、という可能性は捨てているの?」

「捨てるもなにも姫島の犯行だと断定しているわ。防犯カメラにも映っているもの」

「……分かった」


 通話が切れてから溜息を吐いた。

 ……これじゃあ八方塞がりだ。

 連絡が掛かって来る。ようやく連中が電話を寄越したのだ。


「もしもし」

「火力発電所の爆発を目視でも確認した。よって、斉藤芽郁を開放する」

「教えてくれ。お前らが共犯に指名したのは、どうして姫島さんだったんだ?」

「理由なんかない。俺らが駒と決めた物はその日から人間ではない。ただの駒だ」

「お前ら……最低だな」


 くつくつと笑う。変声期を向こうが使っているため、笑い声だけでも不愉快だ。


「じゃあな。せいぜい楽しめ」


 通話が切れた。


 斉藤芽郁という二十三歳の女性が何者かに拉致、軟禁されるという事件が発生したのを姫島さんが仕事のひとつで追っていたのだ。けれど犯人から斉藤芽郁を開放したければ、火力発電所にある箱を置けという仕事を命令され、仕方なく行ったところ、ふたを開けてみれば爆発物だったわけだ。これで姫島さんも共犯者。誘拐犯の思う壺である、ということだ。



 今考えてみても腹が立つ。


 

 


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