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明後日は死ぬ。  作者: 彼方夢
第三章 死刑台のメロディー

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Here‘s To You 

 八月の二週目。俺は奈央とともに映画館デートをする予定であった。

 レイトショウが始まるまで喫茶店でコーヒーを嗜みつつ、予定時間が到達したら新宿ピカバリーへ向かいそこで奈央きっての『死刑台のメロディ』を観る。


 冤罪により二人もの人間が死刑に処されたということにより、観賞後、暗い気持ちになった。やはりというか何というか、何と表現したら良いかわからない感情にとらわれたまま。


 そして、皮肉な歌でもある『Here`s To You』で映画は幕を締められる。

 上映後、虚ろな観客者らとレイトショーを後にした。


 児童公園で俺と奈央はコーラを購入する。


「あの映画、なにが伝えたかったんだろう」

「私にもかなり難しかった。でも、なにか掴めそうで掴めない、そんなもどかしさが楽しい」

 さすが文豪の血筋。創作物の読解力も遺伝か。

「でも、あの話って信じるものは結局裏切りを覚悟しなければならない。関係性にも、機関にも『絶対』は無い、ということじゃないかしら」

「それって……?」

「それは簡単に言えばこういうことよ」

奈央は俺に口付けする。

そんなことされれば、呆けてしまうに決まっている。

「じゃあね」

奈央は去っていく。

そのとき、『Here`s To You』の歌詞がフラッシュバックする。


『――最後の時はあなた方の物。

その苦しみはあなた方の勝利。

さあ今 ニコラとバート。

あなた方は私たちの心の奥に眠る。

死ぬ時は孤独だっただろう。


でもあなた方は死を克服した――』


 やはり、あの映画は俺には難しい。



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